「158」:捕まった女の人に「えっ!?39歳なのにクソ美人!?」とか言ってるのにドン引きしてたら、39歳なのは普通に男だったの、一周まわって面白い。
………なるほどな、ってなる。今は普通に100万回は安定して回るけど、綾姉には勝ててない感じは伝わる。やっぱり、手越ちゃんはグループで活動して、ソロでも全然売れそうなのは綾姉なんだなっていうことだけは分かる。
手越ちゃん、セルフプロデュースが壊滅的に出来なかったからね。松にぃと綾姉に叩き込まれて形にさせられた感じがあるもんね。めっちゃ綾姉に怒鳴られていたし。松にぃは怒鳴ってないけど、結構言い方キツいからな。綾姉は「ちゃんと自分の武器を理解しろや!」って怒鳴るんだけど、松にぃは「才能に恵まれているのは沢山居るから、自分で売り出せないと普通に消える」とか言ってるからね。
松にぃの言い方がマジでキツいなって思ったけど……現実問題、それが事実としてっていうのは客観的に見て分かるし、ダイレクトに客側の意見を伝えているだけ……って言えるからな。甘くてヌクヌクと温室育ちでやると、人間って成長しないし、どんどん退化していて能力が腐るどころか、変に天狗になって人格までも終わるから……才能あって1回変な成功体験を積んで、そこから色々とあってパッと消える人間ってそうだしね。
「使い潰されるだけの量産型の天才」にしなかったって感じなんだろうな。使い潰すような「量産型の天才」では無かったから、そこまで言ったんだろうけど。そういう人間だったら何にも言わないしね。最初から「楓」にすらも入れていなかったと思う。
勝手に頑張れる才能があるっていうのも見抜いていたっぽいから、本音としては「量産型の天才」では無くて、「唯一無二の本物の天才」だと分かった上で、その才能をひたすら磨かせたんだろうな。
それで結果がちゃんと手越ちゃんについてきている。やっぱ、グループとか人間関係って凄い大事なんだなって。人は一人じゃ生きていけねぇんだな、どんなに当人のスペックが高くても……っていうのは、手越ちゃんの現実を見て、改めて実感した。
だから、私も自分の事を過大評価せずに、一つ一つ積み上げていこうっていう事を徹底している。自分の良いところは伸ばして、悪いところは矯正して「個性」にしていく……そういうのがセルフプロデュースっていうヤツなんかな?って思ってる。
セルフプロデュースって、言葉の意味としては一つだけだとしても、人間の数だけ種類があるようなもんだと思ってるから、表面的な部分だけ物事を考える事の危険性っていうのも同時に学べる。
松にぃも「俺、大丈夫かな……」とか綾姉とか手越ちゃんにメンヘラ発動しているし、私とか翼とか……何ならイジカムの社員さんや役員さん、社長にも色々と相談してるって本人が言ってる。ちょいちょい飯行ったりしてるのは、色々と話を聞いてもらって、自分の心とかを落ち着かせたいんだって。
マジで常に何かと戦っているよね。何かって言えば……自分自身じゃないのかな?自分自身にマジで追い詰められているっていう雰囲気は常日頃から出ているのは伝わる。




