38 エピローグ。真柴を慕う者(黒田官兵衛)
38 エピローグ。真柴を慕う者(黒田官兵衛)
西暦1605年――大坂城本丸の黒田官兵衛の一室。
黒田官兵衛は主である秀頼様が討ち取られたと知って悲しんだ。
良く気が付き、家臣に配慮を欠かさないよき君主であった。
官兵衛は弔い合戦を計画したが、すぐにその思考を放棄した。
亡き秀頼様はそういう事を許さないお方だからだ。官兵衛はあの後、潔く連合軍に降伏した。
だが、連合軍内でも牽制や足の引っ張り合い等で、必ずしも一枚岩ではなかった。
その為、再び戦国の世に逆戻りしてしまった。官兵衛は亡き秀頼様は一時的に太平の世を築いた。
やはり、前世はどうであれ、偉大な人物である。官兵衛は一滴の忠誠心を心にしまった。
「太閤殿下が築き上げた太平の世を秀頼様が継承したが、このような事に……」
再び戦国の世になるとは……だが、黒田官兵衛は最早、天下などいらなかった。
亡き秀頼様の菩提を弔うために生きると誓った。
――儂はもう策略を練るのはやめる!
官兵衛は策略を練るのをやめる決心をした。真人間を目指すのだ。
豊臣三傑の一人として絶大なる権勢を誇った官兵衛……。
残りの人生を秀頼の菩提を弔うのに費やす決心は揺るぎようがなかった。
「秀頼様……惜しい人物を亡くした」
目を瞑り、秀頼を悼む。黙とうを捧げ、亡き主を懸想する。
秀頼様が生きられなかった分、自分が生きて、秀頼様が愛した大阪の地を守り通すことこそが、使命なのである。
官兵衛の想いとは裏腹に太平の世が崩れ去り、再び戦国乱世が始まってしまう。
亡き真柴秀政は戦国乱世に舞い降りた一世一代の寵児であると、後世の歴史家たちに評されるのであった。
END
これにて完結になります。
皆さま、ありがとうございました。
今回はかなり苦戦しました。
主人公が無職という部分を表現するのは難しい。
でも、完結まで投稿出来て安心しました。
次の作品の構想は練っております。
また次回作でお会いしましょう。




