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29 真柴の思惑

 29 真柴の思惑



 大坂城謁見の間。

 真柴は上座で茶々が大勢の側仕えに傅かれながら秀康とその家臣団と共に謁見の間を出たのを確認した。

 真柴は腕を組みながら、大きく息を吐いた。


「結城秀康……中々の傑物ではないか。だが、まだ成長の余地はあるな」


 真柴は結城秀康を評価しつつも言葉を濁した。

 ただ結城秀康を喜ばせるだけに大鷲をプレゼントしたわけではないのだ。


「調教された大鷲……調教というところが肝ですな?」


 大鷲に仕掛けられた罠を黒田官兵衛が一早く気付いた。


「官兵衛殿も気付きましたか。私も当然、看破いたしました。

 大鷲に隠された罠……結城秀康本人は気付いていないようです」


 当然、宇喜多秀家も看破していた。この二人の策略家としての経験は膨大。

 また、策略家として気が合う二人は真柴の目の届かぬところで、酒を酌み交わして策略を練る程仲がいい。

 まだ年若き結城秀康には逆立ちしたって及ぶまい。


「やはり、余の優秀な側近達は気付いてしまったか。

 だが、結城秀康が余に反旗を翻す可能性はまだ少ない。だが、万が一の為に布石を打ったのだ。

 お前たちは囲碁を嗜むか? 囲碁という遊びは真に奥が深い。

 序盤はお互いに布石を打っていく。その後の地の発展の為に最初に仕掛けておくのだ」


 真柴は転生する前……前世で囲碁が大好きだった。

 小学生のころ、囲碁を題材とした漫画が大流行してその流れに乗って囲碁を始めたのだ。

 地頭が悪かったので強くは成れなかったが、それでも五級ぐらいの棋力はあった。

 転生してから天下人としての仕事に追われ、碁を打つ機会もすっかり無くなってしまった。

 今度、大々的な囲碁の大会でも開こうかとも思うほどだった。


「秀頼様は本当に恐ろしいお方だ……前世で無職だったというのがとても信じられない」


 宇喜多秀家は真柴が前世で高校中退の無職だったということを知っている。

 黒田官兵衛も発言を控えている豪姫も、当然知っている。

 豊臣三傑の三人は真柴の前世を知ったうえで忠誠を誓っているのだ。

 ここにいる全員は鉄の忠誠で結ばれている。


「囲碁はあまり分かりませんが、秀頼様が仰っていることは何となく分かります」


『天空竜』豪姫は囲碁に全く興味なさそうだが、言っていることは理解できるようだ。


「豪姫。お主は当代最強の槍使いなのだから槍だけ振るっておればよい。

 余も久しく碁を打つ機会は無いが、余が仕掛けた布石がどのような発展を成すのか。

 出来れば結城秀康には茶々と共に安泰な将来を送ってほしいが」


 真柴はニヤリと笑みを浮かべて顎に手をやり、事の成り行きを想像して夢想する。


「そういえば徳川家康殿は碁打ちだったな。到着したら、後で指導碁でも打ってもらおう。

 家康殿の棋力は多分、アマ五段くらいか? 余の前世の時代の定石を用いたら少しは通用するかもしれぬ」


 真柴は唐突に家康が碁打ちだということを思い出した。

 絶対勝てそうになさそうだが、それでも久しぶりに碁が打てるならばと、勇気をもって家康に声をかけようと思案する。

今回はここまで。

読んでくださりありがとうございます。

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