36.先のことより今のしょーもないこと
「なあ揺衣、正直な話をするぞ。」
「うん。」
「そもそも生徒会選挙って戦うことになるのか?」
「……。」
「競合他社いる?」
「えーと。」
「競合他社ならぬ競合他者。」
「飛跳。……しー。」
しょうもないこと言うな。静かにしてなさい。
「She.」
「英語で彼女って言ってる?」
「え、累。彼女?恋バナ?」
「なんだこいつ、しょうもなさに磨きがかかってやがる。」
「まずね、材料にふるいをかけるんだよね。それで固めた後休ませるのも大事。しっかり乾燥させるの。」
「急に何の話?」
「で、磨く時なんだけど、きめ細かい布、ストッキングとかね。で、ペットボトルとかボトルの口を使うともっとピカピカに…」
「お前それ泥団子の磨き方じゃね!?!?」
「ピカピカに作れるよ!まるで宝石!!」
「いくら磨いても泥団子は泥団子!!」
「男の子ってこういうのが好きなんでしょ?」
「さすがに男の子すぎるだろ!」
「まあ磨きがかかってるというわけよ〜。」
「うるせえなあ、最初のふるいに残った砂利ガールが。」
「いやいや、残り物には福ガールだよ〜。」
「なんだこいつ。」
「なんなんだろうね。」
「揺衣も分からんか?」
「分かるわけないじゃん。起きてるのに寝言を言ってるんだよ?」
「思ってもなかったところから刃出てきた。ていうか話持ってかれすぎだろ。そんなんじゃない。生徒会選挙競合他社いるか?」
「……えー、うん、そうだねえ……。」
「去年副会長になった時は?」
「私しかいないからストレート。」
「なあ、競合他社いる?」
「……いないかも。」
「私がいるよ!」
「書記がでしゃばんなよ。取ってつけたような自己主張キャラ要らんから。」
「……。」
「というか荒井はそろそろ一限始まるから自分のクラスに帰れ。」
「うわ、酷いよ。この成人1歩手前男性。」
「17歳ってスっと言え!!もしくは未成年!!」
「未成年って言うと少しエッチだから嫌だよ。」
「俺は今お前のモラルを疑い始めた。」
「え、未成年って響きが、特に未の字がそれはもうとてもエッ」
「出てけ。」
荒井を教室から無理やり追い出した。
「で、生徒会選挙いつ?」
「……。」
「すげえ顔してるな。」
「悪口?」
「いやいや、まさか……ね?」
「は?」
「こいつ冗談通じんわ。で、いつ?」
「情緒気になるなあ……。7月3日だよ。」
「ほー。2日の方がいいと思ったけどな。」
「え?なんで?」
「仏滅だから。」
「えぐ。私の生徒会選挙だよ?祈れ。」
「仏様、お願いします!」
「実は仏滅って仏教と関係ないんだよ。」
「は?祈り損じゃねえか!!」
「その発言はどうかと思う。」
授業が終わり、放課後になった。
「最近天気嫌な感じだよね〜。」
「お、天気デッキか?俺も天気の話したかったんだ。話そうぜ。」
「え!ほんと?話そ話そ!」
「なんでこの2人天気の話で盛り上がってるの……?」
「いやでもほんと最近雨降る日多いじゃん?」
「それな?6月始まってから雨めっちゃ多いよな。ほんとなんなんだ。」
「梅雨を知らない2人?」
「「梅雨……?」」
「うわ、ほんとに知らなかった。今までどうやって生きてきたんだろう。」
「こないだ自転車で出かけようとしたらサドルびちゃびちゃでさ〜!ほんとやんなる!」
「お前自転車カバーしてる?」
「……。」
「それは自業自得だろ。」
「いちばん聞きたくなかったこの言葉!!自業自得!!」
「カバーはちゃんとつけようね。」
「面倒なものは面倒!!」
「だから濡れた。」
「ぬおおおおお!!!!」
「対ザ〇アンとして流行ったよな。ヌ〇ー。」
「何の話〜?」
「え、知らない。」
「くそ、ポ〇モンは流行ってねえのか!?」
「プレイ人口どうせ600人くらいでしょ〜?」
「学校一校分なわけねえだろ。少なすぎる。」
「ゲームとしては人気だけど、対戦までやり込むかは話が違うと思うよ。」
「俺がやり込み好きなだけ?」
「未だに3〇Sで遊んでる人なかなかいないと思う。」
「面白いって古くなっても変わらねえんだよ。」
「新しい方が面白いと言い切る気はないけど、珍しいとは思う。」
「飛跳とか未だに近所の子供たちとルーツが紀元前のゲームやってるもんな。」
「それサッカーのこと〜?」
「だから飛跳の方が古いゲームやってるよな。」
「あんまスポーツに古いとか言わないと思う。」
「テニスも紀元前だろ?」
「まあそうだね。」
「ほえ〜。」
「……というか今気づいたけどスポーツって古くね?」
「歴史があるって言って欲しい。なんか敵作りそうだから。」
「なんだよ、全然気づいてなかったわ。体育って伝統芸能の時間だったのか。」
「え〜!!!!そうだったの!?」
「そんなことない、そんなことないから。」
「え、違うの?」
「能、狂言、サッカー、人形浄瑠璃。この並び見たことないでしょ。」
「でも蹴鞠なら?」
「並ぶね。」
「やっぱ伝統芸能じゃねえの?」
「いや!私は認めたくない!並べたくない!」
「まあまあまあ、楽になりなよ。」
「これをG〇ogleくんに教えこんであげよう!」
「サジェストに『能 サッカー 一緒』って出るようにしようぜ!」
「これが国の将来を背負う若者の姿なの……?」
「くそ!ググッてもそれっぽいことなんにも書かれてねえ!」
「そりゃそうだよ!!」
くそ、サッカーは伝統芸能じゃねえのかよ!!!!




