第十三話 お嬢様連合結成秘話。
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〜 ユーフェミア王国 ドットハイマー子爵領 領都【ソーコム】 〜
束の間の休息を終えて。
俺達冒険者パーティー【揺籃の守り人】は、捕らえられていた貴族の息女【アグネス=ドットハイマー】の帰還のために、彼女の家の在るこの街を訪れていた。
メンバーはお馴染み俺と、アザミ(タマモ)、シュラ(ウズメ)の3人と、僧侶風のフード付きのローブで顔を隠したアグネスの、計4人。
フリオール王女の専属執事――と言う割にはずっと別行動だが――のシュバルツさんの齎した情報により、領都に目的の人物であるアグネスの父親【リード=ドットハイマー子爵】が帰還していることを報されたため、こうして彼女を連れて訪ねて来たというわけだ。
アグネスに僧侶風の出で立ちになってもらっているのは、彼女が拐かしに遭ったことを世に知られないための配慮である。
一見すると、ありふれた冒険者パーティーにしか見えないだろう。
領都に入場するための列に並びながら、俺はそんなことを考えていた。
「次の者。」
街の門番の指示に従い、身分証でもあるギルドカードを差し出す。
「冒険者か。来訪の目的は?」
事務的な聴き取りに対して、俺は1枚の書状を手渡す。
「ん、紹介状か?なになに……こ、これは……!?」
その書状を検める門番の表情が、次第に真剣味を帯びてくる。
「詳しく話を聞こう。そちらの詰所に来てくれるか?」
書状を俺に返した兵士が、険しい表情で俺を詰所に招く。
今渡した書状は、ケイルーンの町の冒険者ギルド支部、その支部長であるドルチェからの紹介状だ。
内容としては、人攫い組織から俺達が子爵の娘を保護し、送り届けるので、便宜を図るように、的なことが書かれている。
俺は誘導に素直に従い、仲間達を連れて詰所へと入る。
詰所の扉が閉じられたのを確認して、俺はアグネスへと頷き、フードを取るよう促した。
「姫様……!」
「お嬢様!!よくぞご無事で……!」
詰所の中に居る兵達が浮き足立ち、揃ってアグネスの帰還を言祝ぐ。
「ご覧の通り、君らの家のお嬢様は無事に帰還した。子爵様に取り次いでくれるか?」
お家に帰るまでが遠足ですってね。
無事に家の敷居を跨ぐまでは、まだ安心出来ない。
何しろ、アグネスは子爵領で攫われたのだから。
「承知した。すぐに遣いを走らせる故、事情をお聞かせ願いたい。」
兵達の中でも身分が高そうな1人の男が、俺達に着席を促してくる。
それとは別に、1人の兵士に目配せをすると、その兵は慌てて詰所を駆け出して行った。
父親の子爵の元まで走るんだろう。
俺は促しに応じて席に着き、事の顛末を話し始める。
「なるほど。当家の事情まで汲み取って、身分を隠して送り届けていただき、感謝する。」
粗方彼――守備隊の隊長さんに話し終えた頃、伝令として出て行った兵士が戻って来た。
後ろには壮年の執事然とした男性を連れている。
「失礼します!領館より馬車と、執事の方をお連れしました!」
「アグネスお嬢様!よくぞご無事で戻られました!」
「爺や!!」
おお、生爺やだよ。
人の好さそうな温和な垂れた目元には、僅かに涙まで滲んでいる。
感動の再会だね。
アグネスと抱き合い、再会を喜び合う執事の爺やさん。
その視線が俺とバッチリ合うと、少々バツが悪そうに咳払いをして、居住まいを正して一礼する。
「ゴホンッ。失礼を仕りました。わたくし、ドットハイマー子爵家に仕える執事、【ギルバート】と申します。貴方様とお仲間の方々が、お嬢様をお救いして下さったと、聞き及んでおりますが。」
ギルバートさんね。
背筋のピンと伸びた佇まいといい、相手を射抜く視線といい、只者では無さそうな雰囲気だ。
「俺は冒険者のクレイ。こっちは仲間のタマモとウズメ。3人で【揺籃の守り人】っていうパーティーを組んで活動してます。人攫い組織を討伐した際に、お嬢様をお救けしました。貴族のお嬢様ということで、大事にしないよう慎重にお連れした次第です。」
自己紹介をしながら、ドルチェの紹介状を彼に渡す。
それを一読したギルバートさんは、頷きながら俺に向き直る。
「旦那様が是非話を聞きたいと仰せです。ご同行願えますかな?」
まあ、拒む理由は無い。
俺達は同意して、アグネスを乗せた馬車に随伴して領館を目指した。
領館に着き、応接室に通された俺達。
その室内は落ち着いた調度品で統一され、あの悪徳商人であるモンドールの応接室とは、月とスッポンくらいに居心地が良い。
待たされること10分ほど。
応接室のドアがノックされ、執事のギルバートさんが入ってくる。
「旦那様と奥方様、アグネスお嬢様がお見えです。」
そう宣言する。
俺達はソファから立ち上がり、並んで出迎える。
先ず入ってきたのは、生真面目そうな顔付きをした中年の男性。
それに続いて妙齢の女性と、貴族子女らしいドレスに着替えたアグネスが入室する。
言葉も無く室内に進むと、憮然とした態度で上座に腰を下ろす男性。
奥方と思しき女性とアグネスは、その傍らに若干呆れたような顔で控えている。
「……リード=ドットハイマー子爵である。此度は、娘の救出と帰還への尽力、誠に大義であった。」
不機嫌さを隠そうともせず、そう自己紹介する男性――リード子爵。
「冒険者のクレイです。此方は仲間のタマモとウズメです。ご息女を無事にお帰しできて、何よりです。」
簡潔に自己紹介すると、座れと促される。
指示に従い着席すると、盛大な溜息をつかれる。
「聞けば、ケイルーンのギルド支部長の紹介状を持って来たそうだな?此度の話、他に知る者は?」
おいおい。
娘のようやくの帰還に、まず気になるのがそれかよ?
「支部長のドルチェ以外には、彼女の子飼いの者しか知り得ない筈です。言及は領主まで及びますが、内容までは詳らかには流布されないでしょう。」
「待て。領主まで、と言ったか?それは、かの町の領主である、フーバー男爵のことか?」
やっぱ食い付くのね。
まあ、そうだろうけど。
「人攫い組織と提携していた商人から、かの男爵に繋がる証拠が手に入りましたからね。事の次第は王家まで伝わるでしょう。」
実際はもう伝わっちゃってるけどね。
「なんということを!それでは、遅からず娘の醜聞が広まってしまうではないか!?」
……さっきから聞いてりゃ、なんなのこのオッサン。
別にお礼はいいよ?
お礼して欲しくて救けた訳じゃないし。
でももっとさ。
大事な娘が無事に帰って来て、もっとなんか、言うこととか有るんじゃないの?
そんな俺の内心など構うこと無く、リード子爵は言葉を続ける。
「行く行くは嫁ぎ先を定める予定であったというのに、これでは望む縁談が遠のいてしまう。ただでさえもう16という歳だというのに……!」
なんか、だんだん腹立ってきたぞ。
「申し訳ありませんね。俺も一介の冒険者ですんで、ギルドへの報告は義務なんですよ。ドルチェ支部長なら、そういった配慮もして下さると思いますが……」
「当然だ!!何のために公にもせず、私兵のみで捜索していたと思っている!?まったく、行き遅れている上に、こんな醜聞までこさえて帰るとは……!」
あ?
コイツ何言ってるの?
アグネスを見ると、明らかに落胆した表情で俯いている。
そりゃそうだろう。
心配してくれている筈の父親が、娘の無事より何より、将来設計の成否にばかり囚われているんだから。
「なあ、リード子爵。そりゃあんまりだろう?」
思わず口を衝いて出る言葉。
一瞬何を言われたか理解出来なかったのか、ポカンと俺の顔を見る子爵。
しかしすぐにその顔は紅潮し、鋭い目付きで声を荒らげる。
「ぶ、無礼者が!!一介の冒険者風情が、貴族である私にそのような口のきき方を――――」
「黙れよ。」
俺は隠蔽を解き、魔力を解放する。
顕になった角や耳を見て、言葉を失う子爵達。
アグネスだけは、事の発端が自分であるせいで、酷く慌てているが。
「さっきから聴いてりゃ、なんなんだよ?娘が無事に帰って来たってのに、やれ醜聞だの、縁談だのゴチャゴチャと……」
俺の発する魔力に当てられて、顔色を青くする子爵を睨み付ける。
「アンタ、一言でも娘に気を使って声を掛けてやったのか?無事で嬉しいって、抱き締めてやったのか?」
俺は立ち上がり、子爵を見下ろす。
執事のギルバートさんが身構えているけど、気にするもんか。
「き、貴様は……迷宮の……!?」
ほう?
どうやら、俺の正体には気付いたようだ。
それならそれで、話は早いな。
「アンタには正直ガッカリだよ。もっと家族に目を向けられる、人情のある男だと思っていた。フリオールもそう言っていたからな。」
ごめんな、アグネス。
お前の目の前で、父親を罵倒しちまって。
でもダメだ。
お前を政略のための駒としか見ていないような男なんかに、とてもじゃないがお前の未来を託せないよ。
「フリオール……王女殿下だと!?まさか、今回の事は殿下の耳にも!?」
「当たり前だろ。誰が俺の街の代官だと思ってるんだ?政や貴族のことなら、誰よりも相談相手としては適任だろうが。」
そう言って、一通の封筒を子爵に差し出す。
フリオールが用意してくれた、アグネスの処遇について認められた書状だ。
「そこに、フリオールからのアンタに向けた手紙が入ってる。読んでみろ。」
顔色を青くさせながら、封蝋を切り書状を検めるリード子爵。
そこにはこう書かれている。
『リード子爵殿。ご息女の無事の帰還、お慶び申し上げる。短い間に大変な経験をされたご息女の受けた多大なるご心労の程は、想像に難くない物である。どうか無事を祝い、労ってやって欲しい。貴族としての醜聞は確かに有ろうが、女の身である彼女には抗い難い事であった由を、どうか理解してもらいたい。その上で、今後彼女が脅かされること無きよう、図らってやって頂きたい。同じ女として、我は彼女に深く同情し、彼女の味方で在りたいと思う次第である。フリオール=エスピリス=ユーフェミア』
要約すれば、フリオールはアグネスの味方であり、アグネスの今後は、彼女が望むように図らってほしい、という内容だ。
読み終えたリード子爵は、手紙をテーブルに取り落とし、呆然とした顔だ。
「期待外れにも程がある。娘の帰還を、素直に喜ぶことも出来ないなんてな。そんなに出世が大事かよ?」
アグネスは相変わらず俯いたままだ。
「確かに貴族として、お家は大事だろうよ。でもそれも、支えてくれる家族あっての事だろう?その家族すらをも蔑ろにして得られるモノに、一体どれだけのモノや価値が有るって言うんだ?アンタが得られる虚栄心以外によ?」
呆然と座り込むリード子爵にそう吐き捨て、俺は仲間を連れて歩き出す。
未だ俯いたままのアグネスに、ひとつの包みを渡して、肩を叩く。
「こんなことになって、ごめんな、アグネス。何か困った事が有ったら、いつでも相談に乗るから。今日は帰るよ。」
そう言い残し、再び隠蔽魔法を行使して、館を後にする。
そのまま街にも留まることなく、俺達はダンジョンへと帰還した。
〜 ダンジョン【惑わしの揺籃】 六合邸 〜
「はぁ〜…………」
深く溜息を吐き出して、ソファに倒れ込む。
はい。
今更ながら罪悪感です。
頭の中には、俯いたアグネスの悲しそうな顔が、ずっとチラチラと浮かんでいる。
もうちょい、穏便に出来なかったかなぁ……
「なんじゃ、主様よ。今更言ったことの後悔かの?」
シュラが傍らに腰を下ろし、揶揄ってくる。
「まあなぁ。いくら頭に来たとはいえ、娘の前で言うことじゃなかったかもしれん……」
娘からすれば、どんな父でも親は親だ。
アグネスにも、嫌な思いをさせてしまったかもしれない。
「そうかのう?儂は、主様の言ったことは、正しきことじゃったと思うぞ?それに、あの娘子にもだみーこあを渡したのじゃろう?ならば、主様の言葉が善きにしろ悪しきにしろ、遠からず答えは齎されるじゃろうよ。」
確かに去り際に、俺はアグネスに、ダミーコアとその使い方を認めた紙の入った包みを渡した。
どんな結果に成ろうとも、彼女の味方で在るためにだ。
「いや、そうだとしてもだな……」
そんなことを話している矢先、リビングテーブルの上のダンジョンコアが、通信を報せてくる。
噂をすればなんとやら、か。
発信元は、アグネスに渡したダミーコアだ。
俺は、尚も揶揄おうとしてくるシュラを牽制しつつ、通信を繋ぐ。
「アグネスか?どうしたんだ?」
通信は音声のみ。
とてもじゃないが、今は彼女の顔をまともに見る勇気がない。
小心者と笑いたくば笑うがいいさ!
『あ、マナカ様!よかった……!ちゃんと繋がりました。』
ホッとしたようなアグネスの声。
「ああ。今日はお疲れ様だったね。少しは落ち着いたか?」
当たり障りのない話題を咄嗟に選ぶのは、やはり俺が小心者ってことだろう。
『はい。お陰様で、家の皆にも説明を終えましたわ。マナカ様、本当に、ありがとうございます。』
そう礼を言われてもな……
俺は、君の父親を罵倒したんだぞ?
それも、君の目の前で。
『父とも、あの後お話をしましたの。父は、わたくしに謝って下さいましたわ。』
え、マジで?
あの頑固そうな人が?
『フリオール王女殿下の書状の効果も大きいとは思いますけれど、マナカ様から受けた叱責に、思うところが少なからず有ったようでして……それに、お母様も、味方をして下さいましたわ。』
なるほど。
あの場で子爵の傍らに居た女性――子爵の奥さんが、最初子爵に対して呆れたような顔をしていたのは、気のせいではなかったようだ。
飽くまでもあの場は子爵との謁見の場であるために、発言は控えていたんだろう。
同じ貴族の女性としても、今回のアグネスが陥った状況に、同情する思いを持ってくれていたようだな。
まあぶっちゃけ、フリオール王女からの手紙の圧力も半端なかっただろう。
言ってみれば、アグネスはフリオール王女の後ろ盾を得たとも見ることができるからな。
『フリオール王女殿下にも、直接お礼をお伝えしたいのですけれど……生憎と、謁見の機会は得られませんでしたし……』
なんだ、そんなこと。
俺はダンジョンコアを操作して、今は政庁舎で執務をしているであろうフリオールとも、通信を繋ぐ。
今度は、ちゃんと映像付きで。
『ん?なんだ、マナカか。いつもいつも、突然だな。どうした?』
「おう、仕事中悪いな。いやな、アグネスが、お前に礼を言いたいって言ってるから。早速繋ぐな?」
そう言いながら、ダミーコア同士のパスを確立させる。
『え、マナカ様!?ちょっ!まだ、心の準備が!?』
『な!?ちょっと待てマナカ!!??』
ごめん。
もう繋いじゃった♪
『『………………』』
おや、2人共固まっちゃったよ。
俺の目の前には、執務室の大きな窓を背景に座るフリオールと、私室なのかな?天蓋付きのベッドを背後に座っているアグネスの、それぞれの姿が宙に浮かんでいる。
2人にも、それぞれの姿と、笑いを堪えている俺の姿が見えているだろう。
「紹介しよう!こちらが、かの高名なお転婆姫将軍フリオール王女。でこっちが、囚われ系令嬢のアグネスだよ!」
『『どんな紹介だ(ですか)!!??』』
おう、2人共再起動したな。
「いやいや、緊張を解そうと思ってね?さ、これで2人が持つダミーコアにお互いのパスが繋がったから、これからはいつでも連絡交換できるよ。俺からの、帰還のお祝いってとこかな?」
元々フリオールも、貴族の柵のせいで公には助力出来ないことを悔やんでいた。
今なら既にアグネスは家に居るし、繋がりの証拠となるのはあの手紙とダミーコアだけだ。
手紙は子爵が厳重に保管するだろうし、ダミーコアは、たった今アグネスの所有者登録を済ませたから、彼女以外には起動すら出来ないただの水晶玉だ。
変な勘繰りは受けないだろうよ。
『まったく、いつもいつも。お前は報告・連絡・相談という言葉を知らんのか?』
まじ?
こっちの世界にもホウレンソウってあるの!?
「まあまあ。それよりフリオール、早く声を掛けてやってよ。アグネスがまた固まっちゃってるよ。」
フリオールを宥めて、話の矛先を振る。
『む、そうだな。文句は後で言うとしよう。さて、アグネス嬢。無事の帰還、喜ばしく思うぞ。此方では直接会って話すことができず、申し訳なかった。』
『い、いえ!勿体なきお言葉をいただき、恐縮でございます!』
はは!
アグネスってば、ガッチガチだね。
『そう堅くならずとも良い。書状でも示した通り、我は其方の味方だ。貴族との交流は少ないのでな?良ければ、友になってもらえるとありがたい。』
おお。
フリオールからそこまで言うとは。
まあでもそうか。
フリオール自身も、政略結婚を嫌って家を飛び出した口だもんな。
アグネスの境遇に、共感を抱いても不思議じゃないか。
『そのようなお言葉を……光栄でございます。ですが、わたくしのような下級貴族の娘と、殿下が友人になど……』
『フリオールで良い。我もアグネスと呼ぼう。それにだ、アグネス。そんなことを言われても今更だぞ?我には既に、魔族のどうしようもない堕落した友が居るからな。いっそ2人でその男を矯正しようではないか。』
うおい?!
そりゃ一体どういう意味だ!?
「あのー、もしもし?フリオールさん?」
『本当に、その男ときたら。国王には怒鳴るし、王太子の前歯は折るし、貴族を豚呼ばわりするし……兎に角やることが出鱈目でなぁ。』
『まあ。そのような殿方が近くにおいでなのですね。それはフリオール様も大変でしょう。』
「ちょいとー?アグネスさーん?」
こいつら……!
敢えて無視してきやがる!?
『うむ。という訳でだ。我と、アグネスとで、少しでもその男に、世間の常識という物を叩き込んでやらぬか?』
『まあまあ。そういうことでしたら、喜んでお力添えを致しますわ。フリオール様、本当に、この度はありがとうございます。』
『気にするな。我も同じ女であるからな。其方の気持ちも良く解るのだ。これからは友として、よろしく頼むぞ。』
『はい!わたくし、アグネス=ドットハイマーは、フリオール様の友人として、尽力致しますわ。』
うん、良い話だなー。
女同士の、しかも上流階級の令嬢の友情とか、ドラマや映画みたいだよね。
俺は蚊帳の外に放り出されたけど。
いいもん。
床にのの字でも書いてるもん。
まあ、何はともあれ、だ。
これで、喫緊の課題は消化できたかな?
あとは引き続き、孤児や困窮する人達を保護しつつ、新たな目標の亜人についての情報収集を進めよう。
あ、捕虜収容施設の改築もしなきゃな。
もういっそのこと、迎賓館にでもしちゃうか。
まだまだ理想の都市には程遠いし、俺を取り巻く環境が良くなった訳でもない。
それでも。
日々1歩ずつでも、確かに前へ進んでいる。
日々を生き抜く毎に、大切な物や、守りたい者が増えていく。
それでも、まだ、もっと。
俺なら、まだまだやれる筈。
支えて、力を貸してくれる仲間も居る。
綺麗事でしかない理想を実現するために。
絵空事でしかない幻想を手にするために。
俺はまた、日々を全力で生き抜こう。
そう、たとえ3人の会話なのに俺だけハブられたとしても!!
ねえ、そろそろ俺も仲間に入れてくんない……?
うっさいシュラ!
可笑しそうに背中をツンツンするんじゃない!!
さて、此処までで、今章も一応の区切りとなりました。
次話にて今章のエピローグを挟みまして、再びの間章となります。
間章では、あんなキャラやこんなキャラの様々な閑話を予定しておりますので、お楽しみにしていてくださいませ。
アイツどーなった!?
といったご意見も寄せて頂ければ、閑話にてお伝え出来るかもしれませんよ?(チラッ)
これからも、真日さんとその仲間達に、応援をよろしくお願い申し上げます。
テケリ・リ




