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闇の暗殺者と幼き少女。  作者: 博多っ子
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第二十六話《誓い》

 ……とあるホテルの一室。


 中年太りの男は風呂上がりなのかタオルを一枚下に巻き椅子に座りながらタバコを吸っていた。


 目の前の机には札束の山が溢れている。


 片手にワインを持ちそれを嬉しそうに口に運ぶ。


「最近金がよく転がってくるから笑いが止まらんわ」


 その男の名は古田。闇で覚せい剤や麻薬を売買している常習犯である。


 古田の後ろには二人の警護隊がついている。理由は一つ、この仕事は敵をつくりやすい。なので命を狙われるのが当たり前の世界なのだ。しかしリスクが大きい分、やりがいがある仕事だと古田は思っている。


「古田様、最近誰かが暗殺者を雇ったという情報を聞いたのですが」


 警護隊の一人が口を開く。


「大丈夫、君らがいるからな」


 警護隊二人は元陸上自衛隊、《空挺レンジャー》に所属していた強者である。なので殺しに関してはありふれた知識と能力を持っている。


「もし暗殺者が来ても君らだったら返り討ちにしてくれると信じてるよ」


「おまかせを」

「もちろん」


 二人の警護隊はそう言い終わると再び警戒態勢に入る。













「全く、豪華なホテルだな」


 30階立ての高級ホテルを見上げながらダークは64式小銃に弾を込める。サイレンサーを取り付け、切り替え軸を単発に設定する。


「MINIMI はと……まだいらないな。これはいざという時に使うか」


 MGが入ったバックを左に背負い64式小銃を右の肩にかける。


「動きづらいな」


 文句を言いながらダークはホテルへと進入する。













 同時刻、美砂とシンは車の中から高級ホテルを見つめていた。


「古田っていいなー」


「何をいきなり言ってんだ」


「シンは貧乏じゃん。古田みたいな金持ちと結婚したいな」


「この仕事の収入は微妙だからな。あと貴様にだけは言われたくない」


「ふーんだ」


 手にワイヤーを巻きながら美砂は車の外へ出る。


「シン……決行は」


「17時ちょうどだ」


「あと5分ね」


 軽い準備体操をしながら時を待つ。


「私がヤバくなったら助けてね」


「嫌だね」


「胸揉んでいいからさー」


「一回死んで地獄に落ちて閻魔大王にまた殺されてこい」


 スーツを整えながらシンも車から出る。


「意外にあんたも毒舌ねシン」


「お互い様だ」


 腕時計を見ながら美砂がシンの手を握る。


「いつもの誓いの言葉を言うよ」


「ああ」


 場の空気が一気に変わる。先ほどの冗談な風景は一切なくなり緊張な面持ちが流れている。


「我ら時に血となり奴を討つ」


「我ら時に死のうとも命はここにあり」


「片方死に」

「片方生きようとも」


「我らの心ここにあり」


 手をつなぎながら美砂とシンはお互い見つめ合っている。


「私が死んでも愛していてね……シン」


「アホ!まだ死んでないだろうが」


 ニコリと笑いながら美砂はホテルに向かい歩きだし、シンもそれに続いた。


 普段はいつも喧嘩をしている二人だが、実戦になるとお互い誓いの言葉をかけ心を確認し合う。美砂の《愛していてね》は実戦の前必ずシンに言う言葉である。美砂はダークに惚れているが、シンと一緒に仕事をしていくに連れ心が動き始めたのかも知れない。

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