身を案じる家族
優希ら特殊部隊が大陸で作戦行動を開始した頃自宅では
自宅には友人の木村天里さん{旧姓桜内}がおとづれていた。
「ほんとに久しぶりね、葵が退職して以来かな」
天里は私が入れたミルクティーを飲み家を見回す
「互いに旦那が自衛官だと苦労が絶えないわね、本当に」
天里は言い
「そうね、心配事は絶えないし寂しいわね」
私は言った。事実優希は招集命令後一回も連絡をよこしたことはない。この家にポツンと一人だと寂しいと思う時も多々ある。
「葵の気持ち私もわかるなー、哲郎が怪我して自衛隊病院送りになったって防衛省から連絡が来た時なんて心臓止まるかと思ったもの」
頷きながら天里は答える。私は
「それでも互い自分のパートナーの事を好きになってしまったんだものその時点で私達の負けでしょ?」
私が言うと
「そうね、葵が優希君を心底愛しているのと同様に私も然りだもの。だから無事に帰ってきて欲しいでも私達に出来ることなんてせいぜい祈る事くらい。」
天里は苦笑しつつ
「無事に戻ってくるようにか・・・優希達は大陸でどんな事をしてるのかな・・・」
私はつぶやき
「変に考えない方がいいわ、私達は軍事関連なんて分からない事だらけだもの。」
私の肩に手を置き天里は言った。
「なんか無力だね私達・・・」
私は言い
「そうね、でもそれを言っても何も始まらないもの」
互いにミルクティーを飲み
「さてこの話はもうお終い、暗くなるもの今日はせっかく貴女が来てくれたもの夕食食べて行きなよ腕によりをかけて作るから」
「悪いわよ、アポもなしにいきなり来たのに夕食までご馳走になっていっちゃったらさ」
天里は遠慮気味に言ったが
「何らな泊まっていきなよ、せっかく旧知の仲の天里が訪ねて来てくれたんだもの何もしないで返したらそれこそ「一ノ瀬家」の名折れです。」
強めに言うと
「わかったわよ、もう強気な所は相変わらずというかなんというかでもそうね一晩互いに高校時代に戻った気分でガールズトークも悪くはないわね、正直葵のほうが私よりもご飯作るの上手いし味付けも完璧だし私にも何かレシピ教えて♫」
私は天里と共に席を立ち台所に行き夕食の支度をする。天里が言った事はあながち間違いじゃない。軍人の妻ならばもしもの事態を覚悟はしなければならない、彼と結婚した時から分かっていたつもりだった。自分の旦那の無言の帰還すなわち「戦死報告」が防衛省職員からもたらされる事を・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
私はそんな事を考えながら夕食の支度を初めた。
次回~司令部にて~を予定しています。




