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死んだら猫った!  作者: 青藍蒼
神さまと猫
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33.自称神さま現る!2




(奴はチートだし、ドジロットのせいで、逃げるに逃げれなくなったし……ほんとどうしよっかなー)


腰の鉈に手を掛けて、殺気をムンムンと放っている。

自称神さまは一メートルにも満たないちびっ子だが現在想良は仁王立ちしてもその半分以下、体が小さくなったせいで恐怖だけが溢れて来る。


「時間がないから聞く、す直に答えて。アーグア知ってる?」


(アーグア?)


想良に心当たりはない。即座に答えようとして、どもる。


(てか、このちびっ子こっちの言葉わかってるんじゃね?)


言葉のキャッチボールが成立しているし、何よりこちらに質問してきているのがその証拠だ。


『何、お前俺の言葉わかるわけ?』


「だったらなに? 質問にこたえて」


(チートとかありえんし)


「早くしないと燃やす」


質問の答えに満足のいかない答えを返せば何されるのではないかとも思うが、このまま殺されるよりはマシだと判断し答える。


『知らない。アーグアって何?』


疑わしげにこちらを見ているが、知らないものは知らないので答えようがない。


暫くすると「知らないならもういい」子供は炎に包まれた。

一瞬の業火、赤い絨毯に三十センチほどの焦げを残しそこには誰も居ない。


(臭いがしない……)


そろそろと焦げた地面に近寄る。

ちょんちょんと触ってみても熱さはない。眠っていたソファの近くにももうひとつ焦げ跡があったのでそちらにも近づく。


やはりこちらからも臭いはしなかった。


『化物すぎだろ』






驚きに固まっているシャルロットを尻尾で攻撃して、起こす。


『お前ちゃんと証言しろよ、俺がやったんじゃねえって』


どちらのメイドが見てもこれを想良がやったと判断し、怒りかねない。上に、わけのわからない疑問まで残していかれた。


(アーグア)


ピンとも来ない聞き慣れない名前だ。

それをなぜ想良が知っていると思ったのか。それに関係があると思ったのか。

また、それがなんなのかも疑問だ。人なのか物なのか、あるいは――(おなじ)か。




『こちとら異世界の猫デビュー五日目だっつの』




「ぐええげ?」


わけがわからないと言うように鳴く鳥に「気にするな」と肉球でタッチ(反省のポーズではない)。とにかく、こちらには因縁を付けられる覚えなどない。


(よし、フィオ―レさんの様子確認しに行こう。あの様子じゃ他のとこは行ってなさげだけど、確認しとかないと落ち着かんし)


精神的に落ち込む上に、チート過ぎる外敵までいるとはどれだけこの世界は厳しいのだろう。かと、嗤う。


『鳥になったがよかったかも』


自分が呼ばれたと思ったのか、嬉しそうにシャルロットは口をがばっと開けてこちらを見る。


『はいらねーよ』


背中に乗って空を飛びたいとも思ったけれど、ぬめりすぎて落ちるだろうと飛ぶのも諦める。


(金持ちは平和と遠い……)


シャルロットを引き連れて食卓へ向かう。

時間的に、二人は居るだろう。



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