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魔女と呼ばれる私、癒しの花を咲かせます  作者: しぃ太郎
第四章 カーマイン・ベール

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エピローグ


 数年後。


 とある街の路地裏に座り込んでいる、孤児の子どもに手を差し伸べる女性がいた。

 その子の赤い瞳が真っ直ぐにこちらを向く。


「一緒に行こうか?生きていくための方法を色々見つけてみよう」

 その手を取れずに、おずおずとその子は声を出した。


「でも……お姉ちゃんも『赤色』じゃん」


 その女性――ルミアは笑顔を作り、ゆっくりと答えた。


 ――それは、自分に言い聞かせるようでもあり……後ろで見守る青年に聞かせるようでもあった。


「私は朝焼けの色なの。あなたも、どんな綺麗な色にだってなれるよ!」


 そこでルミアがその子の手を取って語りかける。

 ふわりと笑う彼女の赤い瞳には何の翳りも無かった。


「好きな赤色のものはある?」

「暖炉の火。……暖かくて大好き」


 ボソボソと呟かれる少年の声に、ルミアは満面の笑顔を見せた。

 掴み返された手にぐっと力を入れて、子どもを立たせる。そして、安心させるように彼の赤い瞳を見つめ返した。


 ――明るい所で見る二人の瞳は、決して不吉な色なんかじゃなかった。もっと穏やかに輝きを放つ温かみを感じさせる。


 それはきっと、この太陽に照らされているから。


「大丈夫、君も暖炉の火になれるよ。一緒に行こう」

「……でも、俺に居場所なんて……」


 俯く少年の肩に、ルミアは手を置いた。

 そして、ちらりと後ろを振り返り――すぐに視線を外した。


「昔ね、魔女って言われて泣いていた女の子に、手を差し伸べてくれた男の子がいてね――」


 お日様は、いつも通りに暖かくて。あの日の光よりも穏やかだった。


 ――明るい道を、これからも歩いていく。

 そしてそれを望んでくれる人たちがいることを、もうルミアは知っていた。

 青年に手を振ってこの場に招く。


「じゃあ、みんなで朝ごはんを食べようか」


 

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

ルミアの物語は一度ここで区切りとなりますが、

彼女たちの日常はまだ続いていきます。

――キアンとルミア、セラやエレナの日常も書いていく予定です。まだまだお付き合いして下さると嬉しいです。

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