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巻き込まれたんだけど、お呼びでない?  作者: ももがぶ
第七章 王都にて
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第7話 甘えすぎ!!!

「ただいま~」

「「「おかえり~」」」

「あら、ソルト。もういいの?」

「うん、うろちょろしていたのは片付けたからさ。後はゴルドさん達でどうにかなるでしょ」

「そう。それじゃゆっくり出来るの?」

「そうしたいところなんだけど、ちょっと皆と話せるかな」

「大事な話?」

「そうだね」

「そう、分かったわ。じゃあ、呼んで来るから自分の部屋で待ってて」

「うん、お願い」


 ソルトは出迎えてくれたエリスと子供達に頼むと久々に自分の部屋へと入る。


「はぁ~やっぱり、自分の部屋が一番……って、ナニコレ?」

「あ! 間に合わなかったかぁ」

「やっぱり、レイなんだね。もちろん、説明はしてもらえるんだよね?」

「えっと……いつの間にか、こうなりました」

「そうか。それじゃぁ、しょうがないよね」

「でしょ! ほらぁ、だからソルトなら分かってくれるって言ったじゃない! もう、エリスは心配性なんだから。ね、ソルト……ソルト? 何しているの?」

「何って、荷造りだよ」

「でも、荷造りってのは普通はさ、箱か何かに服とか詰めていくんじゃないの? なのになんで私を紐で縛っているのかな?」

「だって、俺の部屋に要らないモノだから、捨てないと」

「捨てる? え、ちょっと待って! ね、お願い! 私が悪かったのは十分に理解しました! だから、捨てるのは止めて!」

「ソルト、()()捨てるのなら、他の人に迷惑にならないように目や口を塞いどかないと」

「エリス?」

「それもそうだな」

「ソルト? ね、冗談でしょ? え? なんで、ソルトの目が笑ってない……」


 足下に散らかっているゴミか何か分からない物は、無限倉庫(インベントリ)に収納し仕分けはルーに任せることにしたソルトは、集まって来た皆に改めて声を掛ける。


「皆、集まってくれたみたいだね。じゃあ適当に座って」

「ソルト、その前に()()はいいのか?」

「シルヴァ、()()のことは気にしないでいいから」

「エリスの言う通りだ。しばらくは忘れてくれ」

「ソルトさんが言うなら……ちょっと羨ましくもありますが……」

「リリス?」

「な、なんでもありません」


 ソルトの部屋に集まったパーティーメンバ―を前にソルトは昨日の領主邸襲撃犯の撃退について改めて礼を言ってから、これからのことを話し始める。


「……ってことなんだけど、どうかな?」

「「「……」」」

「あれ? もしかして、反対とか?」

「ソルト、そうじゃないわよ。私はいいと思うわよ」

「え、じゃあ……」


 エリスはソルトの考えに反対している訳ではないと言うが、それならどうして皆の反応が薄いのかが気になるところだが、エリスは視線を()()に向けたまま「本気なの?」と聞いてくる。他の皆も思うところは一緒のようだ。


「私は案内するだけだし、危険なこともないから賛成よ」

「よかった! ブランカに断られたら、どうしようかと思っていたよ」

「ふふふ、任せなさい。アイツらの場所や顔を知っているのは私だけだものね」

「ソルト、本当に大丈夫なんだろうな」

「シルヴァ、大丈夫。俺が絶対に守るから」

「やっぱり俺も「あなたは、()()の護衛としてやることがあるでしょ」……だけど」

「もう、心配性ね。でも、ありがと」


 ブランカのことが心配なシルヴァになんとか納得してもらい、ソルトとブランカのすることは決定となった。


 後は()()に決まったことを話して護衛と一緒に動いて貰うことになるんだけど大丈夫だろうかとソルトは不安になるが、エリスが大丈夫だからと言うので少しだけ安堵する。


「反省した?」

「グスッ……ごめんなさい。もうしないから!」


 目隠しと猿轡を外し、レイを拘束していたロープを解いたソルトがレイに確認すればレイは涙目でソルトに謝罪する。


「でも、なんで俺の部屋なんだ? レイも自分の部屋があるだろ。あ! まさか……」

「ち、違うよ! 私の部屋はこんなに散らかしてなんかないから!」

()()()()って……一応、散らかしていた自覚はあったんだな」

「ごめんなさい!」

「だから、なんで俺の部屋だったんだ?」

「だって……」

「ん?」

「ソルト、もうその辺にしてあげて」

「エリス……でも……」

「いいから、後は私からもちゃんと言って聞かせるから」

「……分かったよ」

「エリス、ありがと」

「ふふふ、いいのよ。私もたまにしてたしね」

「エリス?」

「ほら、ソルトはまだ他の人達にちゃんと説明しないとダメでしょ。特にワーグやティア達にはちゃんと説明しておかないと後で大変よ」

「分かったよ。じゃあ、ここは頼むな」

「任せて」


 ソルトはさっきパーティーメンバーに話したことをワーグ達に説明しに下へと向かう。


 部屋に残されたレイやエリス達は改めて、今後のことについて話し合う。


「レイ、縛られた状態とはいえ、話は聞こえていたでしょうから、あなたがすることは分かるわよね」

「うん」

「それで出来るの?」

「……多分」

「多分じゃダメよ。分かってるの? ソルトはあなたがどうせ我慢出来ないのなら、好きな様にやらせてみようって言ってるのよ。それなのにあなたは多分って言うの?」

「だって……」

「だから、あなた一人が全部をやる必要はないの。王都から一緒に来た子に手伝ってもらうってソルトも言っていたでしょ。ちゃんと理解しているの?」

「それは分かるの。でも……」

「でも?」

「でもね、私に会えたことでやっとあそこから出ることが出来たんでしょ。なのに、もう一度あそこに行かせるのは違うと思うの!」

「ハァ~」


 エリスはレイが気にしていることを聞かされ思わず嘆息してしまう。


「レイさん、凄い勘違いしています」

「リリス、勘違いってどういうこと?」

「だから、ソルトさんはあの子達を追い出すなんて一言も言ってないですよ」

「でも、王都に行かせるってことは出て行けってことなんでしょ?」

「ソコです!」

「え? なにが?」

「だから、レイさんが勘違いしているのはソコなんです」

「え? 意味が分からない」

「「「ハァ~」」」


 今度はエリスだけでなくリリスにブランカ、サクラ達まで揃って嘆息しレイを可哀想な子を見るような目付きになる。


「え? なに? どういうことなの?」

「レイ、ちゃんと話を聞いてないでしょ」

「え? 聞いてたわよ」

「なら、どうして、そんな風に勘違いするのかしら」

「え?」

「あのね、ソルトが言ったのはね……」


 ソルトがレイに任せてみようと言ったのは王都にいる孤児やスラム街で動けずに困っている人達の救済だった。


 前に王都で保護した子供達以外にもまだまだ、大勢残されていることはレイだけでなくソルト達も分かっている。


 レイが暴走してやらかす前にソルト達が協力して動くことでレイの不安を少しでも解消する方向へと動いているのだ。


 その手順としては、先ず王都に拠点となる屋敷を借りるなり購入するなりで用意する。そして、ここに来てもらった元王都の孤児達に事情を話し、レイを手伝ってもらう。


 レイの手伝いをしてくれる子達には簡単な護身術とリングを装備させ念話と自然治癒、聖魔法を使えるように訓練してもらう。


 そこまで準備した後は、子供達とコスモやショコラを護衛にして出来るだけ孤児を集めて拠点まで連れて来る。


 拠点まで連れて来れば、後はこの屋敷へと招き入れ、必要最低限の生活が出来る様に手配する。屋敷に入れない場合は、敷地内に新たに建てるなり、どこかに用意するなり、出来得る限りは用意することを基本とする。


 生活に慣れてきた後は、個々人のやりたいことをサポートし生活基盤をしっかりさせるところまで見守るとソルトは説明したのだが、レイは「王都に行ってもらう」というところだけを抜粋してしまい、ソルトが本当にやりたいことを理解していなかった。


「本当に? 本当にソルトがそう言ったの?」

「ハァ~全く……ソルトはあなたに対し優しすぎると思うんだけど、ちょっと考え直す様に注意しないとダメね」

「そうですね。ソルトさんがレイさんに対して甘すぎます。私だって甘えたいのに……レイさんばかりズルいです!」

「レイさん、あなたもあなたです! ソルトさんもどうして……」

「ごめんなさい……でもね、あの子達をそのままにはしておけないの。だから、ソルトもそれを分かって私を手伝ってくれているだけだと思うの。それには本当に感謝しているわよ」

「「「……」」」


 エリスだけでなくリリスにシーナからも強く言われたことでさすがにレイも少しは反省した様子を見せるが、ちゃんとは理解していないようで、ソルトがレイに対し色々と世話をやいている理由もよく分かっていない。


 そんな風にレイはここにいるほぼ全ての者からソルトに対し甘えすぎだとダメ出しをされるが、エリス達はなんとなくソルトが甘やかしてしまう理由を知っているので、今まではあまり強くは言えないでいた。


 だが、今回はまだ王都を歩いて回るのは危険だと言われていたのに、一人で歩いて回り領主邸に孤児を集めたのだ。さすがにソルトも呆れてレイを叱るだろうと思っていたが、それほど強くは言わないまま軽く注意することに終わった。


「ハァ~」と何度目かの嘆息をしながらも「しょうがないか」とエリスは、改めて皆と一緒に今後の計画を立てるのだった。



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