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第一話 「目覚めれば、異世界で赤ちゃん」

思い付いたら、即書く…(やらかしている)

(あれ…ここは、いったい…)


 雨が降るなか、俺は動かない体の代わりに僅かに動く首で辺りを見回して分かったのは、俺が今いる場所は木が茂る森の中であるという事、そして、雨が降っているという事だった。


(雨…。そう言えば俺は…)


 雨によって思い出した最後の記憶。仕事先から帰る途中、それは雨が降りしきるなか起こった。


 赤信号になった事に気がつかずに横断歩道へと入った五歳ほどの子供にトラックが突っ込んで行くのを見て、咄嗟に助けようと子供の体を庇う様に抱き締めた直後、全身に体験した事の無い、まるで全身の骨という骨が砕ける感覚を感じ、それでも、手の中に幼い命を守ることが出来たのを感じたのを最後に、俺の記憶は途切れていた。


(それにしても…布越しに背中に感じるこの感触は、アスファルトじゃないな。ということは土の上か)


 布越しだが背中から伝わる感触から地面はアスファルトではなく、土の上だと予想できた。よもや子供の頃に地面に横になったりした経験がこんな所で役に立つとは予想外にもほどがあった。そして、そのお陰で新たに一つの発見があった。


(…体が縮んだ…いや、小さくなっている?)


 俺の身長は170前後で、体格は夜の筋トレとスポーツをしていたからやや筋肉質。体重は五十前半だった事と比べると、明らかに小さくなっていることが分かった。


(小さくなっているというか、赤ん坊になってるな)


 驚くことが起きると、人はその変化について冷静に考える事が出来るんだな、と何処か他人のように自分の今の状況をこと調べる。

 そんな時、雨の音に紛れて、草を踏み締め、木を揺らす音が聞こえてきた。


(馬にしては大きいな…角もあるし)


 あまり動かない頭を動かして、音の方を見ると、そこには真っ黒い毛皮の馬らしき生き物が立っていおり、その体の大きさは地球の馬と比べると倍ほど大きかった。そして、何より目を引くのは額に生えている赤黒い角だった。そして、そんな鹿の視線は、俺をしっかりと捉えていた。


(あれ、これってピンチじゃ?)


 今の俺は、恐らく無力な子供、と言うよりは赤ん坊で、逃げようにもまずうまく体を動かすことすら難しかった。故に逃走は困難。まあ、動けたとしても逃げ切れる可能性はゼロだろうが。


 そして何より、子供、と言うよりはまだ体が出来ておらず、脆い赤ちゃんの体でぶつかられれば、俺は簡単に命を落とすだろうということは、直ぐに理解した。


(うん。積んだな)


 抵抗すらできず、逃げる術もなく、ただ殺されるのを状態という、王手を打たれた状況で、死を待つだけだったその場に、一人の外套を身に付けた一人の人が姿を表した。その手には、一本の剣が握られていた。そして、その剣を見た瞬間に分かった。あれは生き物を殺す本当の剣だと。


「突然逃げたと思って追い掛けてみれば、赤ん坊…なるほど、その赤ん坊が『心装武装』を持っていると本能的に理解した、というわけか。」


「ブルルルッ!」


 幾つか、分からない言葉が聞こえたが、どうやら、馬の注意は俺からあの外套を纏う男へと移ったようで、俺は内心でほっと息を吐いた。

 状況が分からないとはいえ、流石に死ぬのは御免だったからな。


「さて、取り敢えず、決着をつけておかないとな?」


「ブルルッ! ヒヒィーン! 」


 馬のような鳴き声を上げると、馬は正面から、頭の角で男を刺し貫こうとするかのように正面から突進していく。そして、外套の男はそれを迎え撃つかのうように剣を構え、


「はっ!」


 声と共に一閃。その刃はまるで紙を切るかのように馬の首を中程から綺麗に両断し、頭を失った馬は、数歩ほど歩いた後、その体を濡れた地面へと横たえ、何度か体を動かした後、息耐えたようだった。


「……」


 そして、外套の男は、そんな馬に目もくれず、剣を納めて近付いてくると、屈むと、俺の抱き抱えた。


「あの魔物に睨まれていたのに、泣きもしないとは。強い子だな」


「あぅあぅあ?」


「ふふ、大丈夫ですよ」


 そう言いつつ、男は俺をあやす為なのだろう、何度か体を揺らすが、いえ、単純についていけてないだけです と思わず口をついて出ただけなのだが、代わりに口から出たのは幼い、赤ん坊の声で、言葉になっていなかった。


「それにしても、どうして赤ん坊がこんな所に…」


 抱き上げられたことで、視界も広くなり分かったのだが、どうやら俺が居たのはかなり深い森の中の少し辺りが開けた場所のようだった。


「仕方がない。取り敢えず、私の木屋で様子を見ることにしましょうか。もし親が見つからなくても、私の子供として育てるのも悪くはありませんし」


 少し悩んだ後、男は俺を自分の家へと連れて帰る事にし、こうして、俺は外套の剣士である男、シークに助けられ、その後、シークは息子として俺を引き取り、育ててくれ名前を付けてくれた。かつて魔神を滅ぼした英雄である『王』の名の一部であり、『シーク』自身の名前に似た響きの名、ジークと言う名を。

そして俺が六歳になった辺りから生きる術としてシークに師事しての、剣の地獄の特訓を受ける事になった。そして、更に時間が流れ、俺は十五才になった。


(この世界に転生してから、もう十五年か)


ふと思い出したそれは、この世界に転生する切っ掛けになった神様、いや女神と出会った十五年前の出来事だった。

次は、まあ、近々に投稿をしたいと思います。

楽しみにしていただけると幸いです。また他にも投稿をしてますので、読んでもらえると嬉しいです。

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