教育
――魔王(ナベツーとは呼ばない)とカトゥー。こいつらには教育が必要だ。
何とか普通に生きていけるようにしてあげたいとは思う。
「カトゥー、お前、家事はできるのか?」
「い、一応できるけど……両手を使うのは難しいよ」
「魔王、お前は?」
「我輩は魔王故、家事などせんが……出来ない事はないぞ。魔王故な」
掃除を見る限りアレなんだが……まあやる事が大切なんだ。良しとしよう。
あ、たしか生活魔法ってのを『小説家やらないか』で見たな。
「生活魔法みたいなのはないのか?洗浄魔法みたいな便利なやつ」
「我輩、使えるぞ。ただ我輩のは威力が凄すぎてな」
「魔王様、私、覚えたいです。教えてください。きっとお役にたてると思うの」
「私にもお願いね、魔王さん」
嫁も覚えるつもり満々だ。この世界での力があがれば元の世界でも少しは使えるかもしれないからな。
しかし嫁よ、洗濯はドラム式で乾燥までしてくれて、風呂は自動お湯はり。料理はレンジ、時短レシピ。育児は……まあありがとう。
今でも中々に快適になっている様な気がするのだがまだ楽をする気か?
主婦の仕事は年収に換算して1000万とかいわれているが(俺は認めない)、洗浄魔法を覚えたらどれだけ楽になるのだろうな。
魔王とカトゥーは生活力がない。まあ魔法でカバーできるのならそれでいいと思う。
ただしばらくは家事も手作業になるからな、それが自然なんだが……講師は嫁さん。
「料理には目を瞑るとしてまずは掃除、洗濯ね。」
と、言いつつも、掃除機と洗濯機がない事に気付く嫁。あわあわしてる。
ほらな。専業主婦の年収換算1000万円はそういう便利な世の中でない時の話やぞ。
薪を使って釜でご飯を炊き、風呂を焚き、水は汲んでくるんや、俺より先に寝てはいけない、俺より後に起きてもいけないやぞ。
飯はうまくつくれ、いつもキレイでいろ、やぞ、おぉ、できんのか!?
心のマイクで捲し立てる俺であるが何故か殺気を感じ――(ボコー)
「何か言いたい事があれば言えば?」
と言いたい事を言う前にボコーする嫁に言われたのであった。
きっと「ブッ殺すッ」と心の中で思ったなら、その時既に行動は終わっているのだろう。
危険人物である。山下たろーくんの相方、辰巳を彷彿とさせる嫁である。
その暴力の対象となっているのは基本俺だけなのは信頼の証しか或いは――
「いや、何でもありません、いつもおうちの事をありがとうございます」
話をもどそう。
掃除は箒、塵取り、バケツ、雑巾があればよい。
洗濯は洗濯板で。手洗いはしたことはあるものの洗濯板は初めてな嫁。
だが嫁の胸も洗濯板……である。仲良くやってほしい。(ボコー)
……嫁は昔はそれなりにあった(ボコー)……のだが子供を産んでから縮んだというか萎んだ(ボコー)。
……豊乳は富であり力の象徴、……貧乳は人に非ず――(ボコー)
……という乳に関しては一貫して巨乳派……の俺であるが嫁の事は愛しているのだ。
……また話がそれた。
とにかく、嫁を講師とした家事教室が開催され、俺も指導される事になったのだった。
教育としても良い事なので舞も一緒だ。
「舞ちゃんもお母さんゴッコしようね」
『パゥ(うん、遊ぶ)!』




