平和を破壊するもの
俺と嫁は久し振りに異世界へやってきた。舞と芋虎はお留守番だ。クローゼットをDIYして内鍵をつけた。
俺たちが異世界にいってない間の時間経過が気になっていたのだが、日数分経過していた模様。
嫁との会議(俺に決定権はない)により暫く村で訓練とこの世界を学んだ後、違う町や村に移動する事にする。
ハカタンより東の方角にヒロシンという村があり、その更に先には旧王都がありそのあたりにナニワンという町があるらしい。
まだ聞いていないが、多分ヒロシンは鯉人族がいてイメージカラーは赤、ナニワンは虎人族がいてキーヨの様な言葉遣いなのだろう(偏見)
俺が王都はエドンで兎人族なのかなと考えているとムーニンがやってきた。
俺の訓練を買ってでてくれたらしい。こいつは相変わらず良いやつだ。いずれは村の勇者となるような存在だろうな。
ただ嫁からボコーされている時に「やめるんだ」と言ってくれなかった事は忘れていない。
相手の強さによって出したり引っ込めたりするのは本当の勇気ではないって大魔導士の弟弟子も言ってた。
今のこいつではアンの印が光ることはあるまい。精進してほしいものだ。
嫁の方には兎人族の魔法使いクーワがついた。ただし、クーワも<瞬間移動>が使えるわけではないので魔力のコントロールとパワーアップに取り組むらしい。
さて、俺の訓練であるが身体能力強化の魔法と体術の鍛練という地味なものであった。
ただ空手と柔道の組手のような鍛練はなかなか気持ちいいものでボロボロになったが清々しい汗をかいた。
剣の修行もやってみたいのだが舞がイタズラしそうで危ないから暫くお預けだ。
昼食をとり、午後は休憩がてら村の見学とこの世界の情報収集。
今まで気がつかなかったのだが、この世界には『お金』が存在していなかった。
んじゃあ、どうやって世の中が回っているのかというと『善意』だ。
食物をつくるものはできたものを村の保管庫や必要なものへ運び、使いたいものがつかう。
兵士は訓練と街の何でも屋さん。パンを焼く工場みたいなものもあったし、炊き出しやらもあった。
各人が善意をもって自分のできる事をし、周りに還元していく――多分、究極の共産主義社会がここにある。
知識チートで錬金ウハウハなどと下衆な考えは捨てるべきであろう。
「マヨネーズで食を制覇だ!」
……聞いてるか嫁よ。




