76.館探索1
特殊部隊はドアの下の隙間から特殊な器具を使用して部屋の中を確認する。
部屋の中にいるのはデウグルーブとイコルセンテの二名のみで二人は割れた窓から距離を取るように部屋の隅で丸くなっていた。
それを特殊部隊は確認すると部屋を外から物理的に施錠する。
二人が廊下に出てきて鉢合わせしないようにである。
外から施錠した音は二人には聞こえなかったようで相変わらず部屋の隅で丸まっていた。
その後特殊部隊は館の捜索を再開した。
数分後
特殊部隊は外から厳重に施錠された部屋を見つけた。
出動時にスヴェートから「シルの両親も捕らわれている可能性がある」と聞いていた。
その可能性を考えた特殊部隊はデウグルーブの部屋同様に特殊な器具を用いて部屋の中を確認する。
部屋の中には男女二人が真剣なまなざしで割れた窓の外を見ていた。
特殊部隊はシルの両親の姿を知っているわけではない。
彼らは部屋に閉じ込められている二人の様子や服装などからこの二人がシルの両親である可能性が高いと考えた特殊部隊は、部屋に突入することにした。
なるべく音をたてないように部屋の鍵を開けてゆく。
これが強襲であればドアを破壊するなどして即座に突撃するのだが今回は隠密任務なのでそういったことはできない。
数十秒で部屋の開錠を終えると部屋に入った。
「なにもんだテメェら!」
ガルは特殊部隊に気づいたようで声を上げる。
『驚かせてすみません。我々は国際独立軍の特殊部隊です。どうか落ち着いて聞いてください』
特殊部隊はサトウの声が流れている無線機を取り出した。
この無線機は情報作戦室につながっている。
特殊部隊の隊員はもとは使い魔なので喋ることが出来ない。
「ミー!」
人間が聞き取れるのはこの一語のみである。
一応紙に書くなどすれば意思疎通は出来るが作戦行動中にそんな余裕はない。
仲間同士ではコミュニケーションが取れるらしいが対人間となると現状意思疎通ができないのが難点だった。
そこでサトウは特殊部隊に無線機を渡していた。
カイラやシルの両親に出会った際に無線機をつかい情報作戦室から話しかければ話は出来るのである。
「何だこれは?」
ガルは不思議そうな顔をする。
『細かいことは緊急事態ですので省略させてください。私たちはカイラ達を助けるために極秘裏に行動しています』
「やっぱりシルに何かあったのか!!」
『落ち着いてください!いま助けますから』
「シルの容態は?」
『それも含め後々説明しますからとりあえずは話を聞いてください。ひとまずお二人には護衛を付けますから速やかにこの館を脱出してください。その後国際独立軍の本拠地に避難していただきます』
「わかった。だが後から説明をしてもらうぞ」
『はい。とりあえずは避難を』
サトウは二人を救出することを優先させた。
ここで長々と説明して衛兵が戻ってこられると面倒だからである。
その無線を聞いていた特殊部隊は即座に二人を屋敷から避難させる。
護衛兼先導役として二匹が付き添った。
とりあえず二人と二匹はヘリの着陸予定地へ向かった。




