57.MQ-1Cの初仕事
「詳細は」
俺は急いで着替え、作戦情報室に向かう途中で情報作戦室の使い魔に聞く。
「はっ。現在判明しているのはリーウェンで何らかの暴動が発生していること、暴動の中心地はギルドリーウェン支部であるということのみです。その他情報は一切不明となっております」
どうやらあまり詳細なことは判明していないらしい。
俺が作戦情報室に到着するとすでにスヴェートがいた。
「スヴェート!何か新しい情報は入ったか?」
俺はスヴェートに確認する。
軍事の世界では最新の情報は刻一刻と変化していく。10分前の情報が役に立たなくなっていたりというのは当然のようにある。過去の情報はあくまでも過去の情報。つまり俺が今知っている情報は俺を起こしに来た使い魔が作戦情報室を出た時点での最新情報である。
俺が起きたり着替えたりしている時間を含めると15分ほど前の情報だった。
「あ、サトウ様!おはようございます。いま衛星の画像を情報分析室に回して分析しています。そのうち最新の情報が入ってくると思いますよ」
スヴェートは言った。
俺はスヴェートの方を見てうなずいた後指令基地の使い魔に言った。
「MQ-1C、1機を至急リーウェンに偵察に行かせろ!」
一応偵察衛星から画像が送られてくるので大まかな町の動きは把握できるのだが細かな人の動きなどは偵察衛星では把握できない。いっぽうでMQ-1Cは高性能なカメラを搭載していて地上にいる一人ひとりの顔まで判別できるほどの映像が基地で見れる。それに万が一の場合攻撃することも可能だった。唯一の欠点はプロペラ機なのでそこまで速度が出ないことである。時速は250キロでMQ-1Cよりイージス護衛艦に搭載しているSH-60Jヘリコプターの方が速い。
リーウェンまでは離陸時間含めて45分後くらいにつくので1時間後くらいにはもうちょっと詳細な情報が手に入るだろう。
俺はそう考えていたのだが事態は急変してゆく。