36.講和会議2
アルトパキア帝国とガジス王国が国連に賛同したことで国連の設置が決まった。
だが戦争の事後処理は一切決まってないのである。
「では国連の話は一旦置いておくとして戦争の事後処理を行いましょう」
俺は言った。
「ではまずガジス王国からどうぞ」
俺が司会なのでガジス王国側に発言を促す。
「ガジス王国が求めるのはこの戦い全般において損失した兵士や馬等含む兵器の金銭補償を要求します。また国境地域の割譲も要求します。以上です」
待ってましたと言わんばかりに俺が発言を促すと同時に作戦大臣が言い放った。
「ふざけるな!この戦いは確かに最初は帝国から仕掛けたが後半の帝都戦は明らかにそちら側の侵略戦争じゃないか!その補償などする気は一切ない!それに領土割譲などもってのほかである!」
帝国の軍部大臣が一蹴した。
「しかしそちらの侵略が無ければ我々も侵略戦争を行わなかった。切っ掛けを作ったのはあなた方なんですよ軍部大臣殿」
王国の作戦大臣が言うがさすがに無理がある要求である。
しかしここで文句を言っても進まないのでまずは帝国の要求を聞くことにした。
「続いてアルトパキア帝国どうぞ」
俺が言う。
「はい。アルトパキア帝国から提案する戦後処理としては帝国の軍備制限を提案します」
アルトパキアの軍部大臣が言った。
この制限はアルトパキア自身の首を絞めるようなものなのだが当然アルトパキア帝国にも打算はあった。
それは武器の質である。
この世界では鉄砲はまだ主流な武器ではない。つまり多くの国が主戦力で剣や弓を使っており攻撃力は鉄砲の足元にも及ばない。
魔法もあることにはあるがそれはサポート役という側面が強く対軍団の魔法となるとそれこそ龍種しか使えない物であった。
つまりアルトパキア帝国が一定の軍備制限を設けても軍事的優位はそこまで変わらなかった。
「ではどのレベルで制限するおつもりか」
ガジス王国の作戦大臣が言う。それに対して帝国の軍部大臣が答えた。
「アルトパキア帝国としては陸軍で鉄砲10,000丁。海軍の保有船数250隻でどうでしょうか」
「ガジス王国としては制限するのであれば鉄砲5,000丁が許容範囲ですな。海軍に関しては異議はありません」
「うーん。ではわかりました陸軍の鉄砲保有数5,000丁で手を打ちましょう」
「ではガジス王国としてはアルトパキア帝国の提案を認めることにします。ではガジス王国の提案も一考されたい」
「それに関してはアルトパキアは賛同できませんな」
「国際独立軍としてもその要求は不当と感じるな」
俺は言った。
「ですが、ガジス王国はその位の損失がありましたからなぁ」
「損失にとどめを刺したのは帝都戦でしょう?」
俺は作戦大臣に問うた。
「それは国際独立軍が援軍を差し向けられなかったせいであろう」
作戦大臣が反論してきたが俺ははっきりと言った。
「それは貴国が勝手に侵略戦争を始めたからでしょう?我が軍は一切責任を負いませんよ」
そういうと作戦大臣は黙ってしまった。一応そういう認識はあるらしい。
「では代替案として三年間王国から帝国への商品への関税を撤廃。それと金銭補償ではなく物資補償すればいいのでは?」
俺は提案する。
「そうですな。ガジス王国はその案に賛成します」
ガジス王国としてはこの提案は可か不可かと言えば可であった。
王国で現在不足しているのは物資である。
それの購入をするのに金銭補償を帝国に要求した。
しかし物資補償があればある程度国内産業は回復する。
さらに関税撤廃となれば回復した国内産業品が帝国に多数流入することになり国内産業の利益が伸びることになる。
悪い話ではなかった。
「わかりました。その程度であればアルトパキアも同意します。しかし国土割譲は認めませんぞ」
「わかりました。ですがそれであれば関税撤廃を五年に延ばしていただきたい」
「承知しました。では関税撤廃五年で物資補償を行いましょう」
話はまとまったようである
「では、この講和会議の決議を行います」
俺は宣言した。
一、アルトパキア帝国は軍備制限を設ける
二、アルトパキア帝国はガジス王国に対し物資補償を行う
三、アルトパキア帝国は五年間ガジス王国に対し関税を五年間撤廃する
「この三つで異議等ありませんか?」
俺は聞いた。
「「「「異議なし」」」」
これで講和会議は幕を閉じた。




