28.ガジス・アルトパキア戦争1
「帝国が戦争を仕掛けてくる。できれば援軍を派遣してほしい」
ガジス王国から連絡があった次の日。アルトパキア帝国の軍港からおよそ100隻のガレオン船が国際独立軍本拠地に向けて出港したのをレーダーで捕捉した。
「司令官。軍港からこの島まで約1日弱かかります。その間に先制攻撃を仕掛けますか?」
指令基地の使い魔から提案があったが俺は却下した。
「これで先制攻撃して大義を語られては少々めんどくさい。領海を侵犯した瞬間にF-35Bで叩き潰せ」
俺は命令を下す。
帝国はガジス王国側にも戦争を仕掛けるつもりらしい。
スヴェートに聞いたところによるとこの世界には宣戦布告という概念は無いっぽい。
つまり国境線はどの国も騎士や軍が駐留して防衛しているとのこと他国兵士がその国境を超えると戦争になるらしい。
ここで俺は前回の帝国海軍が来た時の事を思い出していた。
俺は相手側に何も報復などの行動をすることもなく見逃したのである。
これを帝国側が俺等の事を気弱であると考えた可能性があった。
「せめて威嚇射撃くらいすべきだったか」
などと考えていると指令基地の使い魔から続報が入ってくる。
「ガジス王国から援軍派遣要請です。どうしますか?」
「同盟を締結した以上無視するわけにもいかないからなぁ。B-52を誘導爆弾積んで空爆させろ。民間には被害を出すなよ」
「了解」
ちなみにB-52には誘導爆弾が45発搭載できるので援軍の戦力としては十分すぎるだろう。
「援軍派遣をガジス王国側に伝えました」
使い魔から報告を受けると俺はレーダー画面を見つめたのだった。
~ガジス王国 帝国との国境地帯~
ガジス王国は戦争の準備が万全ではないということもあり、帝国が戦争の準備を開始した情報を入手したとたんに王宮は上に下にと混乱を極めた。
ガジス王国には常備軍と言えば王立騎士団が5つと王の守護者と呼ばれる近衛騎士団のみでありその人数はおよそ6,000人ほど。貴族の私兵も含めて18,000人。一方で帝国は常備軍として鉄砲で武装した帝国陸軍が15,000人。人数だけで見ればガジス王国は有利であったが貴族の私兵は練度にばらつきがあり尚且つ連携も取れず、と戦力になるかは微妙であった。そのため戦いが始まれば貴族の私兵部隊は総崩れするだろうとガジス王は予想していた。しかし鉄砲なんぞ近衛騎士相手に戦力にならんと考えていたガジス王は貴族の私兵が逃げ惑うことで相手を翻弄させその隙をつけば勝てると考えていた。
「戦力にはならんだろうが国際独立軍にも援軍を要請しておけ」
ガジス王は配下に命じる。ガジス王は長きにわたり国を治めてきた為政者であった。
つまりこの考えには裏があった。
それは国際独立軍にも帝国は戦争を仕掛けている。そうなれば国際独立軍にはこちらに援軍を出している余裕はないだろう。そこでガジス王国が援軍要請を送ることにより援軍を送らなかった国際独立軍相手にその責任を追及しあわよくば船の造船技術などを頂戴しようなどと考えていた。
ここでのガジス王の間違いは帝国陸軍に勝てると考えていたことであった。




