16.スヴェートと特殊部隊
ここ最近スヴェートは特殊部隊の特訓につきっきりだった。
スキルで購入した武器は燃料や弾薬が減ることがない。そのことを利用して実弾射撃訓練など訓練をしまくっていた。
「そこ!もっと走れ!周りを見ろ!」
スヴェートが叫ぶ。
「ミ、ミー!」
使い魔は訓練に必死に付いて行っていた。
一か月もするとC−2から落下傘を使った強襲訓練などを行っていた。スヴェートに特殊部隊の事を教えたのは俺だが一体何を目指しているのだろうか。
2か月後。
特殊部隊に配属された50匹は、地球の特殊部隊に負けないような精強さに育っていた。
訓練も過酷を極め、夜間にC−2から落下傘を使い降下したのち敵兵役の使い魔を制圧。その後隊員回収のために飛んできたCH−47に乗り込み現場を離脱という訓練を行っていたり、重い装備を付けたまま10キロの遠泳を行っていたり。もはやこの世界では敵無しなのではないだろうか。
そもそもこの世界に銃火器はあることにはあるが、魔法があるからかそこまで発達はしていなかった。
日本の戦国時代の銃火器類のような物ばかりだ。
スヴェートはそんな特殊部隊隊員の姿を見ると「及第点ですかね」とつぶやいている。「いやマジで何処目指してんだろうこいつ」と思ったことは秘密である。俺はスヴェートの頑張りを認め彼を特殊部隊の部隊長に任命した。
スヴェートは「ありがとうございます」と言っていたが俺の付き人はやめる気がないらしい。まぁ付き人というか、もはや執事であるが。
俺の執事もとい付き人をやっているスヴェートはひたすら特殊部隊の訓練を行っているわけではなかった。
ギルドの依頼を終えて3日後。
俺らはギルドの解体窓口に来ていた。
倒して持って帰って来たモンスターの査定が終わる日だからである。
解体窓口にはヴァルトさんがいた。
「おー来たか。解体と査定は終わっているぞ。素材とかはすべて買い取りでいいんだろ?」
「はい。すべて買い取りでお願いします」
「じゃあこれが買い取り代金だ」
ヴァルトさんからルシエ紙幣を受けとる。
「全部で150万ルシエだ。
内訳としてはゴブリン30体が50万ルシエ。オルトロスとキマイラが各1体で40万ルシエ。オークが一体20万ルシエだ」
「確かに150万ルシエあります」
俺は貰った紙幣を確認すると、ギルドのロビーに戻ってきた。そこで依頼ボードを見てみる。
「あんまり良い依頼ないな」
「そうですね」
スヴェートも同意見のようだった。
「あれ?サトウとスヴェートじゃないの」
依頼ボードを見ていると後ろから聞き慣れた声が聞こえてきた。
「カイラじゃないか。どうしたんだ?」
「どうしたも無いでしょう?ギルドメンバーなんだから依頼ボードを見るのは当然じゃないの」
カイラはそう言うと依頼ボードを見る。
「良い依頼は無いわね」
カイラも同じ意見なようでロビーにいたムルさんやシルに「良い依頼は無かったわ」と言いに行っていた。
「あんたたちは今から何か予定あるの?」
カイラが聞いてくる。
「いや、依頼も良いのが無かったんで帰るつもりだけど」
「じゃあ基地でも行く?」
カイラはシルとムルさんに聞いている。
「いや、俺らの意見は?」と聞いてみたが「どうせ暇なんだから良いじゃないの」と押しきられた。暇だけどさぁ…
俺とスヴェートとカイラたち3人組はテレポートで基地に帰って来た。
一応俺かスヴェートに触れている状態ならテレポートできるらしい。
「片道2時間は地味にしんどかったのよねー」
カイラはそう言っていたがシルは「お船乗れなかった」としょげていた。
ムルさんはスヴェートに「あれは魔法なの?」と聞いていた。どうやら人間には馴染みの無い魔法らしい。そこら辺の魔法談義は理解できないので二人だけにしておいた。
ムルさんとスヴェートが魔法談義を繰り広げているあいだ俺とシルとカイラの3人は基地を散策していた。
「前来たときよりも基地が大きくなってるわね」
カイラが言う。
「使い魔も増えたしね。飛行機も増えたよ」
「飛行機って前にスヴェート倒してたやつ?」
「そうそう。その飛行機が5機増えたよ」
「1機で龍種倒せるのにあんたは一体何を倒すつもりなのよ?」
「特に何も倒す予定は無いけど…」
俺は答えた。特に目的はないが戦闘機が編隊組んで飛行する姿が見てみたい。俺の本音は心の中でつぶやかれただけだった。
「まぁいいわ。私たち何かあったらここに逃げてくることにするわ。ここが世界で一番安全でしょうしね」
カイラが言った。
「ここはいつ来ても飽きないねー!」
シルが言う。
そうして散策しているとスヴェートがやってきた。
「そろそろご飯にしませんか?ちょうどお昼時ですし」
「じゃあお言葉に甘えさせてもらおうかしら」
カイラがそう言うと「ごはん?ヤッター」とシルがはしゃいでいた。
「龍種って料理もうまいのね!」
カイラがスヴェートを見ながら言う。
「龍種がどうかは知りませんが我は一通りできますよ」
スヴェートが答えた。
ムルさんはにこやかに食事しているしシルは「おいしーね!」と言っているので高評価と捉えて問題ないだろう。
食事が終わるとカイラ達はテレポートを使ってスヴェートとリーウェンの街に帰っていった。
どうも近衛瑞です。
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