『狼と七匹の子ヤギ』
本当は怖いグリム童話、狼と七匹の子ヤギをアレンジしてクール!狼が異世界に転生しちゃうお話。
むかし、むかし、あるところにお母さんヤギと仲良しの七匹の子ヤギが住んでいました。
ある日、お母さんヤギは買い物に出掛ける事になったので、子ヤギたちはお留守番する事になりました。
「お母さんが帰ってくるまでドアは開けないようにね。外には怖い狼がいますからね。もし、怖い狼が入ってきたら〇〇が〇〇されて、さらに〇〇を〇〇っぽく〇〇に〇〇を〇〇されてしまいますからね」
お母さんヤギは自主規制しなければならないほどに子ヤギたちを脅しました。
子ヤギたちは壊れた洗濯機のように震えだし、何があろうともお母さんとの約束を守ろうと心に誓いました。
お母さんヤギ出動。
お母さんヤギが出掛けたのを見た狼は、子ヤギたちを食べてしまおうと、炭をおこし、網をセットし、バーベキューの準備を十全に整えて子ヤギたちが留守番している家に向かいました。
体を白く塗りたくり、変声機を喉にセットし、角を生やして完成!
狼は見事にお母さんヤギに化けて子ヤギたちに話し掛けました。
「ただいま、可愛い私の子ヤギたち。お母さんが帰ってきましたよ」
「「「うるさい、帰れ!」」」
見事にハモった子ヤギたちの辛辣な声が響きます。
お母さんヤギと寸分違わぬ声でしたが、疑心暗鬼の権化となった子ヤギたちは、もう何も信じられません。
「うぬぅ・・・違う手でいくか」
狼は一旦退散。
バーベキューセットは準備万端ですが、出番はまだ先になりそうです。
狼は再度、難攻不落の城にアタックを仕掛けます。
「可愛い私の子ヤギたち。お母さんですよ」
「「「うるさい、帰れ!」」」
先ほどと全く同じハモり声が響きます。
しかし、狼はめげませんでした。
「みんなの大好きなモッツァレラチーズを買ってきましたよ?ここを開けて」
狼のリサーチ能力は伊達ではありません。
事前調査で子ヤギたちの好物がモッツァレラチーズだと調べ上げていました。
「「「モッツァレラの語源は『引き千切る』という意味のイタリア語だ!それにかけて、僕たちを引き千切る気だな!」」」
疑心暗鬼の権化たちは何でも拡大解釈。
もはや、自分たちの好物すら信じられません。
「うぬぅ・・・違う手でいくか」
狼は再度退散。
バーベキューセットは火を上げ始めました。
狼は三度、難攻不落の城にアタックを仕掛けます。
「可愛いわた、
「「「うるさい、帰れ!」」」
素早い子ヤギたちの切り返しに狼は若干寂しさを滲ませました。
しかし、そんな事ではご馳走は食べられません。
「みんなにお小遣いをあげましょう。ほら、一人20万ずつ用意しましたよ」
狼は現金を用意しました。
お小遣いにしては生々しくも、高額ですが、お金の魔力は万能です。
「「「わーい!ありがとう、お母さん」」」
疑心暗鬼の権化も、現金の魔力には懐柔されてしまいました。
勢いよくドアを開けて七匹の子ヤギが飛び出してきました。
「「「 ( ゜д゜)!? 」」」
子ヤギたちはびっくり仰天、目の前には現金を握りしめた狼が立っています。
「わはは、まんまと騙されたな!おまえら、食って・・・食っ、て・・・えっ!?」
狼もびっくり仰天、出てきた子ヤギたちは筋骨隆々、カバのようにどデカイ体躯と厳つい顔だったのです。
「・・・はわわわわ」
狼は七匹のどデカイ子ヤギたちに見下ろされながら、失禁してしまいます。
「なんだ、狼って小さいね」
「お母さんはウソつきだなぁ」
「これ・・・どうする?」
「どうしようねー」
子ヤギたちは散々怖がらせてくれた狼ににじり寄ります。
「あっちにバーベキューセットがあるね」
「火がボーボー燃えてる」
「・・・焼くか」
狼は一瞬にして青ざめました。
しかし、足は思うように動いてくれません。
「や、やめ
狼ファイアァァァァァアアアアア!!
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数年後、異世界に転生した狼は草食動物恐怖症となり、野菜や果物を食べながら森の中で細々と暮らしました。
おしまい
ふわっとホラー風味。狼さんまさかの返り討ち!
この作品は「モッツァレラの意味が引き千切る」を書きたかっただけです。
ごめんなさい。




