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「私の世界では……燃え尽きた灰は、畑の土に混ぜて肥料にしてたり、湿気を取ったり、消臭剤にもなってたと思う」



グレイさんが寝返りをうって私の方を見た。

困惑したような、迷子みたいな顔のグレイさんに、私はなるべく優しい顔で微笑む。



「火は便利だけど、燃やした後の灰だって再利用できるんだよ。だから……死灰は役に立たないわけじゃないよ」



グレイさんは、そんな存在じゃないよって言いたかったけど、グレイさんは素直に受け取らないと思う。

でも、私の世界の知識と合わせて伝えたら、グレイさんの傷がちょっとは和らぐかな。

そんな私の気持ちが届いたのか、グレイさんは灰色の瞳を大きく見開いて、それで少しだけ口をもごもごさせるとぐるりと寝返りを打って私に背を向けた。



「明日からまた移動が続くから早く寝ろ」


「うん………おやすみ、グレイさん」



灰色の髪の隙間から少しだけ見えたグレイさんの耳が赤くなっている気がした。




翌朝、グレイさんと共に街を出る。

あの嫌な騎士たちは見当たらなかったのがよかった。

もう会いたくないなって思う。他の街の騎士もグレイさんのことを嫌ってるのかな。



「ほら集中しろ」


「はい!」



グレイさんに聖魔法の制御方法……といってもグレイさんは聖魔法を使えないから一般的な魔法のコントロール方法を試しながら草原を歩く。

グレイさんはやっぱりスパルタだ。

でも前より私のペースを見て判断してくれてるように思える。

今も腕がプルプルしてる私に「そろそろ休憩するか」と木陰で休ませてくれる。



「あんた、器用なんだな」


「そうかな、えへへ」


「気抜くんじゃねぇ」


「痛っ!」



ぺしっと額を小突かれる。

でもこの戯れも、グレイさんがちょっと心を開いてくれたからなのかな。


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