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人と希望を伝えて転生したのに竜人という最強種族だったんですが?〜世界はもう救われてるので美少女たちとのんびり旅をします〜  作者: 犬型大


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父の出した条件2

 リュードたちの少し前に並んでいる奴らの会話が聞こえてきた。

 これまでも物珍しそうに見てくる視線は感じていたけれど露骨にいじってくる輩は初めてだった。


 リュードに聞こえているならルフォンにも聞こえている。

 尻尾に振りが弱くなっていき、ルフォンの機嫌が悪くなる。


「ルフォン、気にするな」


「だって……」


「これからもこういうことは山ほどある。いちいち目くじら立ててたら身が持たないぞ」


「むう……リューちゃんは気にならないの?」


 気にならないというとウソになる。

 あんな風に聞こえる音量で人のことをやいのやいの行ってくる連中なんて一人一人ぶん殴ってやりたいぐらいだ。


 しかし角を隠してでもしない限りは容姿を揶揄してくるやつは絶対に出てくる。

 そんな奴らを一々相手にしていては時間がもったいない。


 それに真人族の領域で問題を起こせば魔人族のリュードにとっては良い結果になることはない。

 殴りかかれば悪いのはリュードたちになる。


 仮に向こうのほうから殴りかかられても真人族の領域では魔人族に公平な判断なんて望めず、リュードが悪いことにされてしまうのは火を見るより明らかだ。

 ムカついてもいらぬ波風は立てないのがいい。


 長い旅の中でムカつくやつをぶっ飛ばしていったら死体の山になるかもしれない。


「気にならないわけじゃないがわざわざ弱い奴らに突っかかっていくこともないだろ」


 声を潜めて冗談めかして言う。

 聞こえると因縁をつけられるかもしれないし、この方が冗談っぽく聞こえる。

 

 ルフォンがクスリと笑う。


「そうだね、あんなのリューちゃんには敵わないしね」


「ああ、だから気にするな」


 その後バカたちの興味は他に移ったのかリュードたちのことは忘れられた。

 結局ルフォンに声をかける勇気もない連中なのだ、相手にしなくて正解だった。

 

 検問の列も進んでいきリュードたちの番になる。


「通行の目的は?」


 きっちりと鎧を装備した衛兵がリュードたちに訪問の目的を尋ねる。


「冒険者学校に入学しに来ました」


 そう言って推薦状を衛兵に渡す。

 軽く内容を読んで確認する。


「よし、通れ」


 推薦状をリュードに返し、中に入れと顎をしゃくる。

 検問といっても全員が全員身分を証明できるものを持っているわけではない世界だ。

 

 よほど怪しくない限りはそのまま通してしまうのが基本である。

 今回は推薦状もあるし特に怪しいところもないのですんなり通してくれた。


「ありがとうございます」


 このような検査をするところには袖の下、いわゆる賄賂を要求してくるところもある。

 その点だけ考えればここはちゃんとしているほうかもしれない。


「わあ~」


 最初に寄った町なんかはまだ牧歌的な緩やかさもあったけれどツミノブはしっかりと騒がしさがあって都会的な感じがあった。

 門の中すぐということもあってか人が多く、ごった返している。


「まずは冒険者学校に行かないとな」


 冒険者学校への入学はいつでも可能だが授業の開始タイミングがある。

 この世界では四季にも近い感じで1年を4つの節というものに分けている。


 そして二節ごとに学校が始まるのだ。

 旅程が事情により遅れることはままあるので多少遅れてしまい、始まったときにいなくても構わないが授業の進度には遅れることになる。


 なので緩めに考えても大丈夫なのであるが成績優秀で卒業するためには始業の時からちゃんと通っておきたい。

 だからできるだけ早めに入学手続きを済ませてしまった方が良い。

 

 緩いと言っても機嫌はある。

 もし入学のタイミングを過ぎていてしまったら次を待たねばいけなくなる。

 

 二節、つまりは半年という期間待つのはリュードとしても避けたい。


「ねえリューちゃんあれ食べたい!」


 そんなことを考えているリュードに対してルフォンはのんきなものだった。

 というものの親の目はなくお金に余裕がある。


 少しぐらい贅沢しても怒る人はいないのだ。

 お昼として食べ歩きなんかしながら冒険者学校を探す。


 食べ歩きながら道中何人かに聞きながら冒険者学校を探す。

 ツミノブにおいて冒険者学校は有名なところである。


 新人冒険者は町にとっても賑わいとなるので冒険者学校に行こうとする新人冒険者にはみんな優しく、みんな快く道を教えてくれた。

 ある程度近くまで来ると大きな建物が見えてきて、それが冒険者学校だとすぐにわかった。


「すいませーん」


 学校と行ってもリュードが転生前に通っていた学校とは違っていて、イメージ的には大きな塾ぐらいの物である。

 大きな教室がいくつかと体を動かせるトレーニングルームや武器の扱いも許可されている訓練場、生徒専用の食堂なんかがある。


 寮のようなものもありお金がない人はそこで泊まることもできる。

 お金があるなら近くの宿に泊まることももちろんできる。


「はい、どういったご用件でしょうでしょうか?」


「入学しに来ました」


 リュードは推薦状を受付の女性に渡す。

 しっかりと一読して受付の女性がちらりとリュードとルフォンを見た。


 内容を読むとゴールド+クラスの冒険者からの推薦状だった。

 仮に偽物でもお金を払って入学するのなら基本的には問題もない。


「推薦状に問題はありません。ではこちらにお名前を書いていただき、入学金をお納めください。ご希望でしたら代筆も承っております」


 授業によっては怪我をする可能性もある。

 この冒険者学校では他の国からも人が集まり、身分は関係ないので一人一人に細かな配慮をすることは不可能。


 苦情が出てしまっては困るので入学届とともに免責書にもサインする。

 代筆も出来ると言われたがリュードとルフォンは自分で名前を書く。


 リュードたちの村ではみんな一様に教育を受ける。

 簡単な計算なんかも出来るし、もちろん文字も習う。

 

 なのでリュードもルフォンも普通に文字が書けるのだ。

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