レベルアップ
──パンパカパーン!
「っ……!?」
「どうかされましたか?」
「いや、なんでもない。箱庭のレベルアップの音にびっくりしただけだ」
置いた元伯爵邸にびっくりする間もなくレベルアップの音にびっくりしてしまいセバスが何かあったのかとこちらを振り返った。
「立派なお屋敷ですね!僕もいつかここで立派に働けるように頑張ります!」
「ええ、立派な従僕になれるよう頑張りましょうね」
確かに凄く立派な屋敷で、ヨーロッパとかにはあるのかもしれないが日本ではまず見ない。
ここに3人で住むには広すぎるほどだな……
「いつかは使用人用の住居を用意してもらうとして今は無駄にポイントを使う必要もないでしょう。ご主人様には2階を使っていただき、私たちは1階の空いているお部屋をお借り出来ればと思います」
「え、ずっとここに住むのはだめなのか?」
「なりません。通常使用人は、屋敷の近くにある使用人専用の家からの通いでございます」
たくさんの可愛いメイドに囲まれて寝る夢が今ここで潰えようとしている。
そのうち使用人専用住居を建てるか、ガチャで引くしかないのか。
「先に元伯爵邸の中を見てみる?それとも畑作れるようになったから畑作りからする?」
「先に中から行きましょう。アルトが入りたそうにソワソワしていますので」
「す、すみません!」
いや、7歳児ならそんなもんだろう。大きい家を見たらそりゃあワクワクする、俺だってワクワクしてるからな。
「じゃあ中に入ろう。日本では家の中では靴を脱ぐんだ、慣れないかもしれないが脱いでくれ。室内で仕事をする時とか用には新しく室内用の靴を用意しよう」
「かしこまりました」
「わかりました!」
俺たちは玄関からリビング、書斎や部屋などあちこち見て回った。なるほど、建物自体は異世界式だが水まわりは日本の造りだ、普通に蛇口を捻れば水とお湯は出るし、シャワーなんかもある。トイレはもちろん水洗だった。
「これは、便利でございますね。私たちのいた世界では井戸や魔石を利用していたのですが、これを捻るだけで水やお湯が出てくるとは」
「これなら力のない僕でも簡単に使えそうです!」
どうやって水を引いてきているかなんて考えたら負けだ。きっと箱庭には水道管が通っているのだろう、そういうことにしておこう。
「畑仕事をすると暑いと思うからそういう時はこのエアコンで涼しくしておくと便利だよ。夏でも冬でも決まった温度に調整してくれる機械だ」
暑い中、畑仕事をしてアルトが熱中症にでもなったら大変だからな。
俺は畑を作るために外に出てスキル画面を開き、レベルアップした内容を確認していた。
▽箱庭レベル2
【エリア】 平原
【地形編集】※解放には100ポイント
【畑生成】※解放には100ポイント
アイちゃんこの地形編集ってなに?
『例えば道を作りたい時や川を作りたい時などに使用します。画面から作りたい場所を選択していただいて、山を作ったり崖を削ったり、作った畑を消したい場合などにもお使い頂けます』
工事現場の人たちが泣いて喜びそうな機能だな……でもこれは便利だ。
畑生成と合わせて200ポイント使うがレベルアップして1000ポイント増えたから今は2000ポイントもある。使っても問題ないし二つとも解放しよう。
「畑の場所今は家の裏でいいかな?その方が行き来がしやすいと思うし、アルトも楽だろう?昨日寝泊まりした木の小屋を隣に設置して収穫した作物や道具などをしまって置けるようにしよう」
立派な元伯爵邸の横にポツンと木の小屋があっても変だからね、裏ならばいいだろうということだ。
さて裏側にやってきたが、畑はこの辺だな。
最初は5メートル四方のサイズらしい、これもレベルアップしていくと広くなるってことか。
“畑生成”!
──ポンっ
「わ〜!あっという間に畑ができました!すごいですご主人様!」
「お見事ですね」
なんか褒められると照れるな、最近はずっと怒鳴られてばかりだったからか思わず顔がにやけてしまった。
「後は種まきに水やりだな、最初はそんな広くもないし二人でもすぐに終わると思うんだが、その間に俺は必要な家具や日用品を買って来ようと思う。種はじゃがいもと玉ねぎがあるからそれを植えておいてくれ、他の野菜の種や苗木もいいのがあれば買ってくるよ」
「かしこまりました」
「僕トマトがいいです!」
俺もトマトが好きだからトマトがあれば買ってこよう。
そういえばガチャから無限ジョウロが出てたが使えるのではないか?
「アルト、これガチャから出た無限ジョウロっていう道具だ。水を1度入れると無くならずずっと無限に出続けるらしい」
「すごいです!これで水やり頑張ります!」
「ああ、無理しない程度に頑張れよ。それじゃあ行ってくる」
「行ってらっしゃいませ」
そして俺は1度箱庭から出て自分の部屋に戻ったのだが大事なことに気が付いた。




