爆死は爆発ではない
朝起きると8時前だった。いつもよりはたくさん寝たが、せっかくの休みに早起きしてしまうとは。
セバスチャン……長いからセバスと呼ぼう。セバスとアルトも起きてるだろうか?
時計なんかもないから困っているだろうし、朝食もついでに持って行くか。
ガチャから出たパンの消費のために簡単にレタスとベーコンとスクランブルエッグを挟んだものにする。
よし、“開け箱庭”!
「おはよう二人とも。狭いところだがよく眠れたか?」
俺は箱庭に入り2人が寝泊まりした小屋に入った。
「おはようございますご主人様。とてもよく眠れましたし、今はアルトと簡単に話をしていました」
「おはようございます!ご主人様!」
小屋の中はすでに布団も畳まれて二人で床に座りながら話していたらしい。テーブルもイスもなくてすまない……
俺は行儀が悪いけど床に作ってきたサンドイッチの皿を置いた。
「お腹空いただろう?簡単にだけどサンドイッチ食べながら今日やる事を話そう」
いただきます!と誰よりも早くアルトが食べ始めた。
やっぱり癒し枠はアルトなのかもしれない…
「まず今日やりたいことは住むところを充実させることと、今後住民が増えてもいいように畑なんかも作りたいな」
「そうですね、先程アルトとも話したのですが従僕見習いといってもまだすることはほとんどございません。なので畑の種まきや水やりをアルトにさせてみてはどうかと」
「僕頑張ります!」
7歳の子に働かせるのは申し訳ないが本人はとてもやる気だ。
楽しみながら働いてもらい、そのうち勉強とか教えられたらいいかもな。
「1つ気になったんだがこちらの世界の文字は読めるのか?」
俺はセバスに携帯で文字を見せた。
「そうですね、こちらに呼ばれる際に言語理解のスキルが増えています」
「僕も簡単なものは読めるようになっています!」
それは随分便利なことで…俺も欲しいよ言語理解。
「それよりその手に持っている四角いのはなんでございましょう?」
「ああこれは携帯と言って、離れててもお互いがこれを持っていると連絡ができるんだよ。手紙とかじゃなくすぐにリアルタイムでメッセージを送れるし、声で話すこともできる」
そういえばこの箱庭の中でも電波が届いているが今後住民が増えたらスマホを持って連絡手段が欲しいよな。セバスには渡してもいいとして、俺が全員分契約して料金払うとかさすがに無理があるぞ?
「このスマホはそのうち用意しよう。俺が外にいる時でも連絡できる人が一人はいた方がいいからな」
そういえばアイちゃん、畑を作るにはどうしたらいいの?
『畑を作るには箱庭レベルを2にすることをおすすめします。今の状態でもご自分で耕すことは可能ですが、レベル2になると畑の作成という機能が追加になり、範囲を選択すると自動で耕してくれます』
うん、それは絶対レベル2にしてからのほうがいいね。自分で耕した後にボタン一つで畑が出来たら俺は多分泣く。
それでレベル2になるにはどうしたらいいの?
『おすすめは家のアップグレードです。他にも住民を10人まで増やすことでも可能ですが住むところがないと皆さん野宿になります』
それはだめだ、木の小屋でも申し訳ないというのに野宿でテントなしはもう可哀想すぎる。
俺はセバスたちにサポートAIの説明とそのアイちゃんから家のアップグレードを勧められたことを伝えガチャでとりあえず家を出そうということになった。
「そのガチャというのは必ず欲しいものが当たるというわけではないのですね?」
「そ、そうだね。確率というか運というか、爆死はしないと思う…」
「爆発するのですか!?」
アルトが驚いて少し後ろに後退りした。
いや、本当に爆発するわけじゃなくて、爆発するほど失敗したとかそういう意味だった気がする。だからアルトは心配しないで安心して欲しい、俺は安心できないが。
昨日の残りポイント800に今日のログインボーナス追加で全部で1300ポイントある。
スキル画面は俺にしか見えないため二人は俺が空中で指を動かしてる変なやつに見えているだろうが、気にしないで建築ガチャを引いていく。
「まだ、まだ大丈夫だ…まだ22連しかしていないから」
「爆死したのですね?」
「ここまでは予定通りというやつだ」
そう、まだ焦る時じゃない。パンや木材が増えただけでポイントはまだある。
──ガラガラガラガラポンっ
(N)木材
(R)平屋一軒家
(N)木材
(N)パン10個
(N)金貨10枚
(N)木材
(N)パン10個
(SR)元伯爵邸
(R)飼育小屋
(N)畑用栄養剤
(N)木材
「……セバス。二階建てぐらいの家を想像していたのだが、どうやら思っていたのとは違うものが出た」
「どのような建物でしょうか?」
「元伯爵邸って書いてある」
「それなら二階建てだと思いますので違いはございません。まだ人は少ないですがご主人様はここの領主となられるのですから元伯爵邸でも問題はないでしょう」
そういうものかと思い俺は元伯爵邸を設置したのだった。




