俺専用の箱庭
──パンパカパーン!
「うわ、今度は何だ!?」
『初めての箱庭生成によるログインボーナスとなります。初回に限り木の小屋と箱庭ポイント1000ポイントを贈呈します』
サポートAI……長いからアイちゃんがそう言うと目の前に一軒家よりは小さめの木の小屋が現れた。
「アイちゃんもう少し詳しく」
『以後、サポートAIはアイちゃんとして登録されます。まずは今入ってきた扉は念じることで閉じられます。人前で使うと驚かれるので、なるべくいない所で使うことをおすすめします』
なるほど、確かに急に人が目の前から消えたらびっくりするよな、気を付けよう。
『ここは春樹様専用の箱庭でございます。今は何もないですが、たくさんの人を集めて街を作るもよし、一人で寂しく過ごすもよしでございます』
「一人寂しくは嫌だけど、たくさんの人を集めるなんてどうやってするの?」
『そこでこのガチャの出番でございます。通常ラインナップは従者ガチャ、住民ガチャ、食料ガチャ、建築ガチャです。時々期間限定の激レアガチャや動物ガチャなど様々なアップデートが行われる予定です』
まんまゲームじゃん……え、ガチャから人が出てくるのってそれ大丈夫?攫ってきたりするわけじゃないんだよね?
『はい、大丈夫です。この箱庭ガチャというスキルは日本の神様と異世界の神様の共同で作られたので、出てくる住民や従者は日本人だったり異世界人だったりしますが既に何年も前に亡くなった人などが対象です』
え、異世界なんてあるの?いやダンジョンとかスキルとか未知なるものがあるからあっても不思議ではないけどさ。
『ですが神様からの忠告で、日本には獣人やエルフ、ドワーフなどはいないので箱庭の外に出して混乱を招くような事は控えてほしいとの事です。外に出る際は隠蔽や隠密などをご使用ください』
確かにコスプレと思われなくもないけど、バレたら家に記者がずっと張り付いていそうだから危ないことはやめよう。
「じゃあ次に箱庭ポイントってなに?」
『はい、箱庭ポイントとはガチャを引いたり今後の機能解放などに使ったりします。毎日ログインで朝6時に500ポイント貰えますが、100ポイントで11連が引けて10ポイントで単発が引けるのでご利用は計画的にどうぞ』
やばい、沼る未来しかみえない。この手のガチャはクソゲーあるあるだ。
最初ちょっといいのが出て期待させておいて後はずっとゴミなんてよくある話だ。
『箱庭が発展していくとレベルがあがり一つ上がる事に1000ポイント貰えます』
でも、このスキルじゃお金を稼ぐことは難しそうだ……仕事を辞めることは無理か。
『いえ、可能です。薬草などでポーションを作れば売れますし、エリア解放すると魔物が出る場所などもありますのでその素材を売って稼ぐもいいと思います。後はガチャから出た要らないものなどを売れば生活は可能です』
っ……!そうだ、覚醒者になったんだから魔石や素材をギルドに持ち込んで換金できるようになるのか。
え、でも危険な目にあってまで俺また働くの……?せっかくスローライフしようと思ってたのに?
ところでしれっと俺の考えてることに反応するってことは心の声読めるのね。
『はい、声に出さずとも聞こえています。従者ガチャや、住民ガチャで働く人を増やせば大丈夫です。春樹様はこの箱庭の領主なのですから』
神!ほんとにこのユニークスキル神!
でも、指示だけだして働かせるのはちょっと申し訳ないという気持ちになってしまうから、俺も疲れない程度に楽しみながら働こう。
「そうと決まれば、次の出勤時には退職届提出しよう!1ヶ月前に言うとかもはや知らない!怒られたらこれまでのこと全部証拠を持って労基に行くって言おう!」
急にバックれるより報告するだけ俺偉いってことにしておこう!もうずっと前から限界だったんだ。
「アイちゃん、まずは何したらいいかな?」
『そうですね、食料ガチャなどは今はあまり引かなくてもいいかと思います。現実世界の方で食料も買えますし、畑をするにしても種や苗木なども買えますからね。ですので、建築ガチャで家を狙うか、従者ガチャや住民ガチャで人を増やすのがいいかと思います』
そうか、でも住民ガチャを回して人が増えても住む家ないからみんな困るよな?それなら従者の方がいいか。当分狭くはなるがこの木の小屋に住んでもらって無理そうなら俺は現実の方の家で寝ればいい。
優先すべきは従者ガチャと建築ガチャだな!
『ガチャから排出される物はスキル画面にてストックが可能です。1度取り出したものでも大丈夫ですが、加工されていたりすると収納出来なくなるのでご注意ください。それと従者や住民も人なので収納はできません』
微妙な機能だな……いやちょっと劣化したインベントリが無料で付いてきたと思えばお得だ、そういうことにしておこう。
「じゃあ、ようやく運命のガチャタイムだ。どうせなら可愛いメイドがいい、俺の疲れた心を癒してくれるような可愛い従者が!」
従者も住民も可愛い女の子たちが増えて、みんなから“頼りになる領主様”とチヤホヤされてハーレムなんて夢見るのもいいかもしれない!
「行けー!俺の100ポイント!」




