レベルアップ
それから3日後、俺は頼んでいた通販の商品を受け取ったり食材の買い物に行ったりしながらのんびり部屋で過ごしていたのだが、急に頭の中にレベルアップの音がした。
「ん?なんで急にレベルアップしたんだ?」
『建築物の数が10個を超えたためレベルアップしました』
いや、こないだ7軒だったから世界樹を入れて8軒なはずだ。俺は外に確認しに向かった。
「ガンナー……早すぎないか?」
工房近くまで行くと横に多分ガンナーの家らしきものがすでに完成していた。ついでに俺はもう1軒もガンナーに聞こう、作ったのは多分ガンナーだからな。
「おーいガンナー」
「どうしたのじゃ?」
「いや建築物が増えて箱庭がレベルアップしたんだが1つはガンナーの家ってわかったんだが、もう1つは何作ったんだ?」
「ああ、森林エリアの近くに解体小屋を作ったんだ。今はヴァルグしかいないからいいけど人が増えたら毎回屋敷の裏に行くのも大変だからな」
「それにしても作るの早過ぎないか?」
「わし1人だからむしろ遅い方じゃ。ドワーフ数人入ればこんなの1日もあれば終わる」
ドワーフ恐るべし。俺が思ってたよりドワーフというのは凄いらしい。
「礼は酒でいいか?」
「坊主わかってるじゃないか!こないだのウイスキーというやつが欲しいぞ!」
「もっと強いのもあるけどどうする?」
「くっ……!そっちも気になるのぅ。追加で2軒建てるから両方くれんか?」
「よし、契約成立だ。ウイスキー2本と他にも強い酒を追加で2本持ってこよう」
「うむ。作るのは何がいいんじゃ?家はまだ2軒あるから人が増えた時に集まるように集会所とかか?」
「そうだな、今はこの人数だから屋敷で集まってご飯を食えてたがこれより増えたら集まる場所が必要だよな、1軒は集会所にしよう」
新しく冷蔵庫が届いたからヴァルグ一家は自分の家に戻り家族でご飯を食べるようになった。ガンナーの家にもあるのだが、ガンナーは食事を作るのが面倒なのかこだわりがないのかはわからないが、ただ肉を焼いたステーキか干し肉にして食べるらしく冷蔵庫が必要なのかはよくわからない。
「もう1軒はそうだな……蔵とか作れるか?ヴァルグがアイテムリングのおかげで毎日たくさんの肉を狩ってきてくれるからな、そろそろ保存場所が欲しい」
「うむ、それでいこう。今から準備するから1週間程で出来るはずじゃ」
「ありがとう、俺はガンナー用に買ってある酒を一旦屋敷から取ってくるよ」
それからちょうど1週間後、ガンナーから集会所と蔵が完成したと報告を受けた。
「さすがだなガンナー、想像以上だ。」
段々街らしくなりつつある箱庭を見て俺は少し嬉しくなった。
しかしここ数日はガチャを引いていないからログインボーナスでどんどんポイントが増え8700ポイントになっていた。
これはそろそろガチャを回して住民でも増やすべきだろうか?
いや、先に建築ガチャを…そうだな、111連ぐらいしてもいいんじゃないか?
そうと決まれば、1000ポイント使って建築物を増やそう!
・研究所
・魔導図書館
・温泉
・アパート
・ホテル
・温室
・マンション
・スーパー
1000ポイント使って出た建築物がこれなんだが、悪くないよな?
今は使わない物が多いけどどれも役に立ちそうな物ばかりだ。
それにしてもスーパーが出たんだが商品の補充なんかはどうやってされるんだろう。
アイちゃん教えて。
『スーパーの商品補充は1日1回0時に自動で補充されます。しかし購入には硬貨か紙幣でのお支払いが必要となります』
なるほどタダというほど上手くは出来ていないみたいだけど硬貨ならガチャで出てくるから実質タダみたいなもんだよね?
困ることといえば今のところ俺しか硬貨持ってないから他のみんなが買えないことぐらいか。だけどわざわざ外に出てスーパー行く必要が無くなったのはありがたいな。
よし、全部設置してこよう。
「終わったー!」
俺は箱庭内を歩き回り、魔導図書館や温泉を設置していった。
温室はまだ育てるものがないから設置せず、人が増えてもいいようにマンションを設置したからアパートはやめておいた。
セバスが言っていた使用人用の住宅にしてもいいかと思ってな。
屋敷にずっと居てもらってもいいから敢えて言わないでおくが催促されたらアパートを設置しよう。
それにしてもこの魔導図書館は凄いな。普通の図書館じゃなく魔導って付いている意味はわからないがなぜか最初から本が何万冊とあるのだ。
…それなら屋敷にも最初から家具があってもよくないか?と思ったが、自分で家具を選べるっていう親切設計なのかもしれないと思うことにした。
「またこれはでかい建物だな」
「ああ、ヴァルグか。今日も狩りお疲れ様」
すでに解体まで終わらせたのだろう、ヴァルグが魔導図書館の前に立ってた俺に話しかけてきた。
「チビたちはどちらかというと本を静かに読むより公園で遊ぶタイプだがそれでもこの広さの図書館は元いた世界でも中々ないな」
魔導というぐらいなのだから魔導書なんかがあるのだろうか?もしかしたら俺でも魔法を覚えることができるかもしれない、今度試してみよう。
「それより温泉が出来たんだ、シルヴィアと子供たちも連れて入りに行くか?」
「お、いいね。じゃあ一旦家に寄っていいか?」
そして俺たちはヴァルグ家に帰りみんなで温泉に向かった。
「うわー!でっけえ!春樹兄ちゃん、これ家のお風呂よりでかいよ!」
初めてだという温泉にフィンは興奮して走り回っている。フィアはシルヴィアと一緒に女湯だ。
「おいこら、走ったら転ぶぞ!」
ヴァルグに捕まったフィンを連れて俺たちは先に頭と身体を洗った。温泉にはシャンプーやボディーソープが設置されていて補充と清掃は1日1回勝手にしてくれるらしい。ありがたいけどもはや便利過ぎて怖くなってきた。
「あぁぁああ、気持ちいい」
みんなしておっさんみたいな声を出しながら湯に浸かっていた。
ここは他にもぶくぶくしている湯や、寝転がって入れるところ、露天風呂なんかもあるみたいで、毎日入りに来てもいいな。
「あっ、おいフィンそこは…」
「っ…!つめた!春樹兄ちゃんこれ冷たすぎるよ!」
「ああ、それは水風呂だからな。サウナで汗をかいたあとに整うためにあるんだよ」
水風呂に勢いよく浸かって冷えたのだろう、俺たちのところに急いで戻ってきたフィンにサウナの説明をしてやる。
「のぼせたら困るから勝手に1人では入るなよ」
そして温まった俺たちは温泉からあがりそれぞれの家に帰宅した。




