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異世界転生したら実妹ルートに突入しました~ただし、ハーレムは強制のようです~  作者: 朝霧雪乃


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第88話・図書館デート


「ここが【東京中央魔導図書館】か……」


 ガラス張りのモダンな建物だった。

 四角いというか正方形というか。

 図書館というよりも美術館に近いようなデザインのもの。

 永遠《とわ》と一緒に建物の中に入る。

 偶に「リア充爆発しろ」と言わんばかりの視線を感じるがそれは永遠と腕を組んでいるからだろう。

 堂々と、永遠は俺のだということを見せつけておこう。


「前に来た時よりも変わってますね」

「ん? そうなの?」

「はい。前はここまできれいではありませんでした」

「へー」


 今日は土曜日で永遠とのデートの日。

 ミウにお留守番を頼んで出てきた。

 くるみとこむぎに関しては、今週はうちに来ないで母親と過ごすことになったから問題ない。


「それでまずはどこに行く?」

「はい。魔導書の方に……」

「わかった」


 それから、魔導書のコーナーでいくつか魔導書を借りて、開いていたカウンター席に永遠と並んで座る。

 俺も魔法に関するものをいくつか借りた。

 私語厳禁なのでお互いに無言で本を読むだけ。

 偶に横にいる永遠を見るも、集中して読んでいるような感じだった。

 正直、これがデートになるのか不安だけど。

 永遠が楽しめているのならいいかな?

 服装にも少し気を遣って、ミウとデートした際に着た清潔感のあるやつを選んだけど。

 永遠は普段とあまり変わらないというか。

 スリットが浅い紺色のタイトワンピース。

 普段は深めのスリットのものを使っているから少しは気を遣っているんだと思う。

 中学校の制服なのにスリットが深めというのは動き回ることがあるから仕方ないと思うけど。

 土下座して中学の制服姿でしたときは盛り上がったなぁ。

 あれは反則級だ。

 あとはチャイナ服とか、OL風のコスプレとかもね。

 永遠は美人だから何着せても似合うんだよね。

 ミウにも見せたら「永遠お姉ちゃんすごいきれい」って言って携帯《スマホ》で写真撮ってたし。


(ん?)


 ふと永遠と目が合った。

 軽く微笑むと、どこか永遠の頬が赤くなった気がした。

 ちょっと恥ずかしかったのかな?

 それからは特に何かあることはなかった。

 こういうときは、トイレに行った際に永遠が男に絡まれるかな?と思ったのだが、特にそういうこともない。

 まあ、そうならないように気を遣っていたというのもあるけど。

 不意に永遠が読んでいた魔導書を閉じる。


「どうした?」

「もう十分です。少し早いですが食事に行きましょう兄さん」

「OK」


 魔導書は途中までだったんだけど、気が乗らないということなのだろうか?

 まあいいや。

 図書館を出た後は、帰り道にあったとあるフランス料理店に入る。

 ビストロとも呼ばれる比較的カジュアルなところだ。

 コース料理しかやってないそうだけど。

 予約してなかったので入れるか不安だったが、永遠が少し早く切り上げたおかげですいていた時間に入ることができた。


「Santé(サンテ)」


 お互いのグラスに炭酸水が注がれた後、永遠の目と目を合わせながらグラスを軽く目の高さにあげて乾杯する。


「……乾杯」


 すると、永遠もそれを真似するようにしてきた。

 前菜はトマトとモッツァレラチーズのサラダに、メインディッシュはスライスされた鴨のコンフィ、デザートは三角形に切られたタルト・タタンだった。

 あとはカゴに入ったスライス済みのバゲットと呼ばれるフランスパン。

 さすがにあーんとかはできなかったのだが、どれもおいしかった。

 永遠に聞いたが、こういうお店は初めてだそう。

 食べ方がわからなくて戸惑うところもあったが、それぐらい。

 特に問題なく食事を終えるも、少し早かったから途中にあったホテルで《《休憩》》して家に戻った。



――



「兄さんはこのタイプのハンバーガーも作れるんですね……」

「まあな」


 夕食のハンバーガーを一口食べた永遠《とわ》から声をかけられた。

 今日は手作りのハンバーグに、スライスしたトマトとチーズとごま付きのバンズではさんだものだ。

 ピクルスやみじん切りのタマネギもアクセントに入れたけど、ソースはシンプルにケチャップとマスタードだけ。

 ハンバーグの方は数種類のスパイスと塩コショウでしっかりめに味をつけたから、お店に出せるレベルものだと思ってる。


「お兄ちゃん、この味ならハンバーガー屋さんでも開けるんじゃない?」

「いや、さすがにそこまではちょっと厳しいかな……」


 価格的な問題でたぶん失敗すると思うから無理。

 昔は自分のお店を持ちたいということも考えたが、残念ながらコストが見合わず、自分の店を持つことは諦めたのだ。

 俺自身がコミュ障というのもある。


「それで永遠お姉ちゃん。今日は永遠お姉ちゃんの大好きなハンバーガーとフライドポテトにチキンナゲットなんだけど、感想は?」

「……おいしいです」


 プイっと顔を横に向けた後に永遠がそう言う。 

 ちょっと恥ずかしかったのだろう。

 顔が赤い。


「永遠お姉ちゃんかわいい」

「あまりからかわないでください、ミウ」


 そんな彼女たちの様子を見ながらダイエットコーラを口に運ぶ。

 フライドポテトとチキンナゲットは業務用の冷凍食品を油で揚げたものだったりするけど。

 やっぱり、女の子同士が仲良くしているのはええなぁ。

 百合も嫌いじゃない。



――



「それで永遠《とわ》。今日のデートは楽しめた?」

「はい楽しめましたよ。兄さん」


 永遠のベッドの中で彼女を抱きながら話す。

 今日は永遠の日なので寝るときも一緒だ。


「そっか。ならいいや」

「それよりも兄さんは楽しめましたか? 私、魔導書ばかり読んでいたのですが……」

「俺は楽しめたよ。魔導書ばかり読んでたというのは俺も同じだし……」


 魔導書を読んだものの、成果らしい成果はあまりない。

 この世界の魔法は魔力とイメージがあればそれで発動できるものだ。

 魔法名という魔法につけられた名前も、魔法を発動する際に唱える詠唱も必要ない。

 でも、魔法名や詠唱がないと魔法の扱いが難しいということもあり、一般的には必要とされているのだ。

 特に詠唱なんかは小説の描写に例えられているけど。


「ならいいのです。私は、不器用ですし……」

「そうか? 俺としてはそんな風には感じないんだけど……」

「それは兄さんが私に甘いからですよ。今だってこうして抱きしめてくれますし」

「まあ、これは俺がやりたいことだからね……」


 お互いに息のかかる距離で見つめ合う。

 カチ、カチと時計の針が刻む音だけが部屋に響く。


「兄さん。ホテルでもしたのにまたしたいんですか?」

「うん。永遠となら何度でもね? きれいだよ永遠。好き。愛してる」


 おでこに吸い寄せられるようにそこに軽くキスする。


「に、兄さん。仕方ないですね。今日だけですよ。今日だけですからね?」


 そして、目を閉じる永遠。

 頬を赤くしてかわいい。

 遠慮なく永遠の唇を塞いだ。



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