第31話・やっぱり妹が好き
「それでお兄ちゃん。お兄ちゃんはミウのこと好き好き言うけど、ミウのどこが好きなの?」
「ん? それはなぁ――」
いつものようにミウを抱っこしていると、彼女がそんなことを聞いてきた。
この手の質問にはちゃんと答えないといけないらしい。
ネットで何度か見たことがあるので覚えている。
「こうして素直に甘えてくるところかな? あとかわいいところ」
素直に答えておく。
「そ、そうかな? ほかには?」
自分で質問しておいてちょっと顔を赤くしていた。
こういうところを面倒臭いと思っては駄目なのだろう。
前世では本気で面倒だと思っていたので恋愛自体を切り捨てていたけど。
今となってはそこまで面倒とは思わない。
何よりもミウがかわいい。
「そうだね。ほかには黒くて綺麗な髪だからかな?」
そう言いながら軽くミウの髪を撫でる。
「そ、そう?」
「あとはね。表情がコロコロと変わって見てて楽しいところかな?」
「ふーん。それ前言わなかった?」
「うん。確かに前にも言ったね」
「でしょ?」
ミウがまんざらでもないような顔で言葉を返してくるも、どうやら正解を引いたようだ。
せっかく異世界転生して、ラノベやゲームに出てきそうなブラコンな妹ができたのだ。
だから嫌われるのだけは避けたいと思う。
もしも仮に、俺以外の人で本当に好きな男が出来たって言うのなら、俺もミウのことをすっぱりと忘れて再スタートしないといけない。
でも、今はこのままでいいと思う。
ミウの頭に頬を寄せる。
汗の匂いに交じって何とも言えない女性特有のいい匂いがする。
ああ、落ち着く。
離したくない。
「お、お兄ちゃんっ。もう、急にどうしたの?」
「んー。そうしたい気分だから?」
「そうなの? ふふ、ならいいよ。ただし、変なことは駄目だからね?」
「んー。わかってる」
セクハラを禁止されたのでミウを抱っこするぐらいだけど。
家族水入らずの時間を過ごした。
――
夜。
今日はそういう気分ではないそうなのでミウとは別々に寝ることになった。
ベッドの中で改めて妹のことを考える。
最初にミウを見た時は、ただ純粋にかわいい女の子という印象だった。
その後、お医者さんから妹と紹介されてびっくりしたけど。
その当時は本当に年上のお兄ちゃんとして振る舞っていたと思う。
でも、ミウが倒れたところでちょっとおかしくなったと言えばいいか。
一時的に歩けなくなって、ミウをパジャマに着替えさせるために制服のスカートを脱がせた時。
不可抗力で見えてしまった白いパンツが妙に目に焼き付いてしまい、そこではっきりと妹だが異性であるということを意識してしまった。
トイレの問題もあった。
排せつ自体はできていたのだが、足の感覚が無くて長時間座るのが難しそうだったため、拭くことを含めてずっと手伝うことになったのだ。
なるべく意識しないようにしてたけど、思わずアレが反応してげんなりしたし。
極めつけはお風呂。
「お風呂に入りたい」と言われた時は思わず耳を疑ったが、ミウのその気持ちも理解できたし。
何よりも合法的にミウの裸を見たり体に触れたりすることができるという下心に負けて、お風呂に入れた。
さすがに押し倒すのはまずいと思ったので、なけなしの理性をフル稼働させて乗り切ったけど。
そう、一度は乗り切ったのだ。
だからこそ油断してしまった。
後片付けに戻った脱衣所でミウの使用済みの下着を見つけてしまい、そこからあとはもう駄目だった。
そこからずるずると沼にハマって今だ。
(やっぱり妹のことが好きなんだよね……)
今さらだけど。
元々は庇護欲をかきたてる美少女キャラが好きというところから、妹ものが好きになったんだと思う。
最初から主人公に好意を持っているというのもあるし。
だから幼馴染キャラとかも結構好きだよ?
義理の妹もね。
まあ、義理の妹になると、血がつながってないから俺の中では幼馴染キャラに分類されるし、妹がいるとどうしてもそれに負けちゃうけどね。
やっぱりブラコンな実妹に勝るものはない。




