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4ヶ月後: 大丈夫
ひとまず、何があったのかは置いておくことにした。あそこまでかなめが「言いたくない」ことなんだから、恐らく聞いても教えてくれないし、今はその時ではないのかも知れない。かなめを困らせることもしたくない。
―はやとは自分をそう納得させて、いつも通りにかなめと昼食を取っていた。
かなめは時おり何かを言いたげに口をひらいたりしたが、基本的にはいつも通りのニュートラルな表情で弁当を食べている。いや、表情がやや強ばっているだろうか。
大丈夫、俺は待てる。かなめが話したくなった時に話してくれればいい。安心してほしくて、笑顔を向けると、かなめは少し表情を緩めて俯いた。
「算数ドリルはどうだ?みてやろうか?」
「あと少し。おうちでみてくれる?」
「いいよ。他、何か学校で困ったことはないか?」
他愛もない話をして昼休みを過ごした。
大丈夫。俺達は上手くやれている。
大丈夫…
これは絵なし