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公爵家に産まれましたが令嬢でも平民でも無いけど可愛い弟と魔法があるので今日も楽しいです  作者: 水那


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姉、見定められる?


「久しぶりだね、エスメさん」


そう声をかけられルイ共に視線を

向けると、


「ボーイック」


ルイのこぼした名前に、改めて

視線を向けるとボーイックの

隣に立つ人物に気づいつつも


「久しぶりね、ボーイック」


名前を呼んだボーイックのみに

返事を返す。


礼儀として声を掛けられるまでは

視線を向ける事も、自分から声を

掛ける事もせず、


ルイも同様の姿勢を貫き、


「変わらず元気そうで良かったよ」


ボーイックの言葉に、


「お気遣いありがとう。私もルイも

変わらず過ごしているわ」


淑女の微笑みと姿勢を崩さぬ様に

気を配りお礼を伝え、別れる方向へ

話を切り出そうと口を開き掛けるも


「あぁ! そうだ。彼の紹介がまだ

だったね」


流れを切らんとばかりに、わざとらしく

出た話題に、淑女の微笑みを保ち

ボーイックに続きを促がせば、


「隣国から留学に来た、リュカ様。

クラスは貴族クラスだけどね、

エスメさんとルイの話をしたら

挨拶をしたいとの事でお連れしたんだ」


人良さそうに笑い告げられた人物に

視線を向けると、


銀色の髪に驚きの感情が出そうになったが

喉の奥で耐え、


「リュカと言う。ボーイックとは街で

知り合って仲良くしてもらっているんだ」


紳士の姿勢に柔らかく穏やかな声は、

その国の上位貴族だと表しており、


貴族籍は無く平民である自分の

挨拶に一瞬迷ったものの、

両手を臍の辺りで揃え

腰を折るとルイも同時に腰を折り、


「エスメと申します。ボーイックとは

入学時から仲良くさせていただいて

おります」


頭を下げたまま挨拶をし


「隣にいるのはルイと言い同郷の縁で

一緒に過ごしております」


ルイの紹介を終えると、


「顔を上げてくれ」


リュカからの言葉に従い、

ルイと共に姿勢を正し、視線を合わせ

内容にリュカに向き合うと、


「エスメの領の生産品は僕の国でも

有名でね、特に紙刺繍が淑女達の間で

話題になっていてね、帰る時に土産を

頼まれる程だ。

とても興味があるんだ」


故郷の褒めと普通の会話の中に

感じるモノに気づかない振りをし


「ありがとうございます。

街の商会で購入もできると聞いて

おりますので、ぜひ」


リュカへと礼を返しつつチラリと視線

ボーイックに向けると、


「我が商会でご用意をさせて

いただきます」


求めていた答えを告げてくれた

ボーイックに心の中で安堵の息を

こぼしつつ、未だ揺れている心情を

表に出さない様に顔に力を入れ、

頭の先から指と足の先まで神経を

尖らせる。


次はなんと言われるのか?


様々な言葉とその裏の意味を

瞬時に判断できる様に、

自分の小さな所作の動きで

相手を優位に立たせない様に

揺れ動く心情を奥に押し込め

微笑みを崩さぬ様にすれば、


「そうだったね。ボーイックの家は

王家御用達の大商会だったね。

お願いするよ」


正しい方向で上手く纏まった様で

体の中で息を吐き出し、次を待つと


「引き留めて申し訳なかったね」


申し訳なさそうに眉を下げ告げられた

言葉に、


「いえ、お気遣いいただい

ありがとうございます」


あたらめてルイと共に腰を折り礼を

すると、


「学園では地位は関係無しであると

聞いているよ。これからボーイックと

同様に仲良くして欲しい」


聞こえてきた言葉に瞬間反応が

遅れたが


「勿体無いお言葉」


いいえとも、はいとも取れない

曖昧な言葉で返すと、


手厳しいなぁ


独り言のように小さな声でこぼされた

言葉に反応しそうになり、お腹に

力を入れ体が動かな様に耐え、

足音が遠のき聞こえなくなったのを


「ルイ」


確認するために小声で呼び掛ければ、


「大丈夫だぞ」


同じ声量で返してくれたルイの

言葉に即座に頭を上げると、

少し遅れてルイも頭を上げ、


お互い言いたい事はあるが、


視線を合わせた後、無言で

フレディの待つ馬車と、

歩き出した。



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