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教えに比喩を使うが、性格が出るらしい!

前回と同様に説明回だったりします。

「魔力操作?」


 アリスはそう言ってコテッと首を傾げる。

 俺はミニチュアの山を片付け、元の状態に戻す。


「そ。魔力操作。言葉通り魔力を操る事だな。これを使えば水の流れを変える事が出来る。が、使えるとは言うものの、それが上手いかどうかは別だな。俺は回復魔法が使えるが、全然効果に期待が持てない。ま、それを補う為にポーションとかを作っている訳だ」


 実はめちゃくちゃ魔力を込めれば普通に回復するが、めんどくさいのでポーションで済ませていたりする。悲しい。


「なるほど……魔力操作が出来れば私にも他の魔法が使えるって事だね!」


「ああ。そしてここでアリスに頼みが……」


「頼み?」


「くれぐれも魔力操作の事は秘密にな。これ、企業秘密だから」


 アリスは一瞬キョトンと呆けるが、理解したようで、親指を立てる。


「了解だよレト君!」


「あれだぞ、知らない人とかに言っちゃ駄目だぞ」


「うん、絶対言わない!」


「絶対?」


「絶対!」


「絶対に絶対?」


「ぜった――」


「待った!」


 あ、危ねぇ……絶対を三回繰り返す所だった……大丈夫……だよな?


「え、ええっと……うん。それで、ここまで言っておいてあれだが俺から教えられる事はあまり無い。意識の問題だからだ。先ずは魔力を意識するところからなんだが、ここからは本当に個人の感覚次第だからな。自覚しているのかしていないのか、俺には分からん」


「うん……つまりは?」


「自習!」


 俺の授業は終わったのであった――。














「そろそろか……?」


 俺はアリスの自習を止めて、一緒に昼食を食べ、別れて自室で昼寝した後、この学園の周りに位置する街の地図を見て暇を潰し、午後四時を過ぎたので、そろそろ動こうかと立ち上がり、背伸びをする。


 Aクラスに向かうのだ。気は一部向かないが、向かうのだ。

 のだのだ言っているとキューテを思い出すが、しっかりクラス棟の外周を走っていて、先程から数分に一度窓から見かける。


 気が向かないと言うのは、まぁエルルルト王子と御対面するのもあるが、普通に遠いからだ。クラス棟とクラス棟は下手すると一キロ程はある。今は一応だが協力関係なのでこうして面倒に思えるが、どうだろう? 実際に敵の本拠地とするなら近くは無いだろうか? 他学年が何倍も離れている事からも、クラス戦争は同学年で行うが、他学年に攻めるには、逆に同学年を纏める必要がありそうだ。

 

 閑話休題。


 俺はいつものエア・プロテクトからのバーストで飛ぶ。また少し話は逸れるが、他人の前ではあまり切り札は見せないのが常識だ。理由はわざわざ出さないが、誰でも察せるだろう。切り札故にだ。

 俺もあまり人前では使わない様にしているが、別に見られても困りはしない。いや、対策を立てられるのは困るが、それだけだ。

 良く、見て覚える、見て技を盗む等言うが、俺の魔法に関しては殆どが『魔力操作』ありきなので、見ても盗めない魔法ばかりだ。現象だけを見て魔法を発動させようとしても失敗するか、大半のMPを削られるかが落ちだ。

 

 アリスには、山と川の比喩を用いて説明したが、俺の場合はダムと水路だ。同じく比喩で、付け足しになるが、山の頂から湖の先までがその魔法の熟練度だと俺は思っている。つまり、湖が遠ければ遠い程、その魔法の強さが上がると言った感じだろうか。

 そして、俺は大量の水を保有するダムから、水路を繋ぎ、どこまでも遠くへ水を運べる。地面ではなく水路なので流れる途中に水が地に染み込む心配も無い。この辺りが使用魔力軽減の所以だ。

 まぁ、それでも回復魔法とか、苦手な部類に入るのだが、使えない事はない分、やはり影響しているのだろう。


 要するに、()()()()俺にしか使えないから大丈夫と言うことだ。


 もう一度、閑話休題。


 俺は一分もしない内にAのクラス棟前に着く。

 そこには既に準備を終えた状態のトリン君と凜がいた。今気づいたが、名前が似ている。


「授業お疲れ様。早速で悪いけど行こうか」


「はい! 自分、エルルト王子が言ってたのを聞いたんですけど、自分のポーションを採点してくれてたみたいで、結構辛口っぽかったですけど、嬉しかったです!」


 と、トリン君が言う。結構前向きに捉えてくれて良かった。


「ああ、調合は出来ていたが、材料の区別と作り終えた後の効果を想定しきれていなかった様だし、取り合えず薬草の細かい種類と効果について教えていくつもりだ。そっちも大丈夫?」


「何時でもオッケーです!」


 と、凜。凜とは一応同じクラスだったが、あまり喋った事はない。一応聞いていた限りだと、静かで優しい感じだとか。結構はしゃいでる感じを否めない気もするが、そんなものだろう。


 俺は二人を連れて歩いてクラス棟まで帰る事にした。 



 

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