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冒険者になったけど、荒くれじゃなくてもいいよね! 前編

 「ありがとうございました」


 俺の冒険者登録が終わって、ギルドを出る。


 「いえ、そういえば冒険者としての活動はどうされますか?」


 「というと?」


 「冒険者登録だけしておいて万が一に備えるという方と、日頃から冒険者としての活動を行い、街の住民の方々の手助けや魔物の討伐等の依頼を生業とする方々です。特に意味はないんですけど、また喧嘩が起こったら事務が停滞するかもしれないので事前に上司と相談しておきたくて……」


 俺としてもあまり目立ちたくないんだけどな。特に巻き込まれるタイプの……。


 「お時間を取らせるようで申し訳ないんですけど、稼ぎは必要なので明日も来ます」


 「い、いえ。とんでもないです! ありがとうございます。ではまた」


 と、建物に入って行く。



 「さて、何しようか」


 いろいろとやりたい事はあるけど、まずは街の見物かな。

 街の地図を強欲の書で見れるかどうかの検証だな目下の目的は。


 あまり見られたくはないので、適当な木陰に隠れる。今度から、宿屋で部屋を取ってそこでゆっくりと調べよう。 こんなに辺りを気にして緊張しながら読むものではないからな、本は。


 「『強欲の書』、この街の地図」


 なるほど、ギルドが中心に有って周りに家とか店とか、建物が並んでいる。


 そこから、安く、清潔で、接客も出来る宿屋を探す。今日の寝床探しだ。


 そんな店はないが、近くの路地に入った所に値段以外は揃っている宿屋を見つける。値段だが、銀貨四枚。ぼったくりではなく、あくまで『良心的』なレベルに収まっている。逆に言うと銀貨一枚でも上乗せされたらぼったくり認定されるであろう値段。

 日本とは売っているものも、物価も違うので比較のしようがないが、結構な値段だ。安さをメインに調べて見ると、最安値が銀貨一枚だったのだがもちろん却下。


 今持っているのが銀貨三枚なので、銀貨四枚が一週間分でも、稼げなければすぐに追い出されてしまうだろう。……よし、今日は野宿に決定! と言いたいところだが、流石に目立って警備員さんに起こされる未来が頭をよぎったので却下。

 

 「どうしたものかなぁ」


 と、ため息を吐く。すると、強欲の書に書かれている地図が変化し、範囲が広くなる。よく見ると、街の南東の森の中に少し空けた所に赤い丸のピンのようなもので指されていた。

 

 「ここって……」


 今日の寝床は決定した。そうと決まればすぐに行動を起こす。寝袋や干し芋等を露店で買い、向かう。



 そこに着く頃には空がオレンジ色に染まる。


 「やっぱり。戻ってきただけじゃないか……」



 そこは俺が魔方陣によって飛ばされた場所だった。


 結界が張ってあると踏んで、早速火を起こして寝袋を敷く。ここで俺の悪い癖に気づいた。


 「なんで、露店で買っちゃったんだろう? 少し歩いたら雑貨や食料を扱ってる店もいくらだってあるし、最悪ギルドでも買えた筈だ。露店より安く。その上、寝袋は選り好みで少し高めのやつに……ヤバい」


 更に、街に入るために銅貨も払わなくちゃいけない。プラマイで言うとプラスだけど……はぁ。


 干し芋をやけ食いして、日が沈みきる頃には寝袋で横になっていた。


 





 物音がして目が覚める。


 辺りはまだ薄暗い。朝五時といったところだろうか。


 背伸び等のリラックスタイムは省略して周囲を見渡す。


 うぅぅぅ、と唸り声が聞こえるが、動物や魔物の姿は木に隠れて見えない。


 「俺が出てくるのを待ってるって所か……。『強欲の書』この付近の地形と魔物の分布」

 

 ふむふむ、ここ以外には空けているところが近くになさそうだな。すぐ近くにある大きな岩は使えそうだ。

 近くにいる魔物はスライム、ハイドウルフ、珍しいのでオークも出るらしい。

 となると、スライムは鳴かないし、オークなら巨体ですぐに見つけられる筈だ。ならハイドウルフだな。とりあえず大岩に走るか……。

 

 脚に魔力操作で筋力と敏捷を一時的に上げる。流石にこうでもしないと追い付かれてしまう。


結界を飛び出し、走る。魔物の足音は聞こえなかった。

 だが足音、いや木の枝を踏む音はどんどん距離を縮めて来る。


慌てて目の前に出てきた大岩に飛ぶ。

振り返ってハイドウルフの姿を確認する。


まるでカメレオンのように姿を表したそれは……。


「なんてデカさだよ……」


俺の数倍はあろう大岩と同じ程の体格だった。

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