新たなる影、覚醒
その頃・・・
いつもの廃工場のもう少し奥側で異変が起きていた。
何か物体が横たわっているそこに、なんと骸が吸収されていっている!
「・・ゥゥ・・」
どこからか何となくうなり声がきこえる・・・
「あの、俺呼ばれたような気がしたのでここにきたんですが」
オクトの元に真面目そうな青年がやってきた。
「呼んだの。蘭の代わりにね」
「メディ、相変わらず容赦ないですねw」
青年は苦笑い。
「あなた、心臓以外もすきだよねぇ・・・?サク」
「・・・まあそうなんですけどねw」
サクと呼ばれた青年はまた苦笑い。
「メディ、そこまでにしてやれ。じゃ、行ってこいよ」
「じゃ、行ってきますか」
サクは立ち去った。
それを見送ったオクトはつぶやいた。
「サク・・・お前も捨て駒だ」
(行ってこいとか行ってましたが、あの調子だと俺も蘭のような役回りっぽいですね・・・)
勘の鋭いサクはオクトたちの考えを読めていた。
(それでも俺は負けない・・・)
そして、翌日
ちさとのクラスにあみがきた。
「あみちゃん!なんで昨日休んだのーーー!」
「ご、ごめんね。用事あったから・・・。」
「それならしょうがないよね。」
などと話している間にあみはちさとのクラスの異様な気配をひしひしと感じ取っていた。
(・・・ちさとが危険すぎる。)
「・・・私が守るから。じゃ!」
そう言うとあみはクラスを出て行った。
「え・ちょ、ちょっと!」
そして、さりげなくレイネはあみを追う。
「何?」
あみは前を向いたまま後ろからきたレイネに話しかける。
「・・・お前も感じたようだな、気配の濃さを」
「・・・ていうか、貴様、ちさとに手出しなんかしないよね・・・?」
「・・・わ、わかってますぅぅぅぅ・・・」
そして、二人は別れた。
そして異変の起きていたあの場所で、骸を吸収していた物体が怪しく光った。
「ォォォォォォ・・・」
低く不気味な声でうめきながらゆっくり起き上がる。
それは骸骨のような不気味な怪人だった。
そして、体から肌色の体液を吹き出し包まれると中学生くらいの少年へ姿が変わった。
大きくあくびをしながら
「ふああ・・・、よく寝た」
と言った。
「さて、みんなのとこにいきますか」
そういうと、オクトたちのいる方へ歩いていった。
その姿はどうみてもただの子供だった・・・。