家族で戻る。
いつもアクセスありがとうございます~。本日より、番外編で再開します(`・ω・´)ゞ
タイトルは中身の人が最近、強く切に願っている事ですwタイトルと内容は全く関係ありませんw
後で、本来のタイトルに戻します~w
では番外編、その後の『黒龍の里』編もよろしくお願いします<(_ _)>
俺達は、東鳳の正常化を祝って宴会を開いた。東鳳での大法要と青龍爺さんに会いに行く前に一度、俺は父さんの様子を見る為に地球の家に戻る事にした。
翌朝、宴会の影響で皆起きてくるのが遅い。
俺とフラム、ティーちゃんとシーちゃん、クレアとリーちゃん、セーナさんとお母さんのレーナさんで朝食を摂りつつ、一度地球に戻る話をした。
戻るにあたって奥さん役としてセーナさんにも一緒に来て貰える様にお願いした。
「…結婚してるって言っちゃったもんで…奥さん役をお願いしたいんですよ。突然なんですが…どうでしょう…?」
続けて父親の体調が思わしくなく、いつその日が来るのか分からない事を話した。俺はセーナさんに頼みつつ、レーナさんにもお伺いを立てる。
「両親には嘘を吐く事になるけど…安心させておきたいんですよ…」
「セーナが良ければわたしは何も言いませんよ?」
そう言いつつお母さんがセーナさんを見る。
「はい、わたしで良ければご一緒します!!」
そう言いながら笑うセーナさん。しかしその話にクレアが不満を表明した。
「主のお父様に会いに行くのであれば第一夫人のわらわも行かねばなりますまい…」
うん、そう言うと思ったw
と言う事で何故、クレアを連れて行かないのか、いや連れて行けないかを説明する。簡単な話、地球の魔力が少な過ぎるんだよねw
擬人化しているクレアを連れて戻った場合、擬人化を維持する為に大量の魔力が必要になる。逆に魔力が足らなければクレアは地球に到着した瞬間に黒龍に戻ってしまう。
「姉さま、地球と言う星は魔素や魔力が極端に少ないんじゃ」
ティーちゃんに続いて俺も補足説明をする。
「地球にも魔力溜まりはあるんだけど、それでも周辺から搔き集めてようやく隣町の実家にティーちゃんとシーちゃんを連れて行ける程度なんだよ」
俺達の説明を不満顔のまま聞いているクレア。
「魔力が少ないのに姉さまが行くと擬人化が解除されて近所の爺ちゃん婆ちゃんを家ごと踏み潰してしまうんでしゅ」
シーちゃんの言う通り、擬人化したクレアが黒龍に戻ってしまうと、近所の爺さん、婆さんを巻き込んで家屋をぶっ壊してしまう。
しかも現代の地球に龍が現れた日にゃ大騒ぎになるだろう。その点、フラムにもそうだがセーナさんは地球に来ても魔力を消費しない。
不満タラタラのクレアだったが、俺とティーちゃんとシーちゃんの説得でなんかとクレアに納得して貰った。
「もし、クレアも来たいなら魔力消費を抑える方法を考えるか、もしくは魔力を使わなくても擬人化を維持出来る方法を考えるか、だな~」
俺の言葉に食い付くクレア。
「主ッ!!それはどのような方法なのですかッ!?」
「まぁ、待てよ。俺も今、思い付きで言ってみただけだから地球から戻ってきたらエイムに相談してみるよ」
その言葉に不満そうだったクレアの機嫌が戻る。
「主、出来るだけ早くお願いしますぞ!!」
「…あぁ、解ってるよ…」
そう答えつつ、食事の後にお茶を飲みつつまったりとする。その後、セーナさんの休日に合せて地球に戻る予定を組んでいく。
俺が適当に作っていた奥さん設定も話しておいた。急場しのぎで適当に作った嫁さんは仕事で外国を飛び周っているというヤツだ。
設定などを覚えて貰った後、地球での衣服なども世界樹で準備して貰いつつ、地球と言う星の日本の国の文化、食事などについても話しておいた。
諸々の準備をした後、明日地球へと戻る事にした。
◇
翌日、リベルトはアマル達のサポートの為に東鳳へ再び転移した。エイムはエミル達の戦闘訓練の続きでブレーリンに戻る。
融真、キャサリン、クライ、ジョニー、キース、レイザ、ルドルフ、アマナは既に下の庭に出てフィーちゃんと共に戦闘訓練をしていた。
クレアとレーナさんに留守を頼んだ後、俺達は館の玄関ホールから地球へ向けて出発する。
俺とフラム、セーナさんは俺の長距離潜行転移スキル『ハイディングゲート』で地球へ。そしてティーちゃんとシーちゃんはリーちゃんの超長距離高位次元転移魔法で地球へと転移した。
俺の超長距離転移も使う度にどんどん所要時間が短くなり、今ではあっという間に到着出来る。時間差もほぼない。一瞬にして俺とフラム、セーナさんは家の土間に降り立った。
「…ここが…ホワイトさんの家ですか?」
「えぇ、向こうの世界の館に比べてかなり狭いですがこの国の家屋としては古いですけど一般的な方なんですよ」
説明しつつフラムを下ろしてやる。早速、セーナさんを連れて家の中の案内を始めた。
「あぅぁ~、おぉ、うぅうぅ~(ここで、くつ、ぬぐ~) 」
「ここで靴を脱いで上がるの?」
「うぅ(うん)」
靴を脱いで上に上がると家の中を順番に案内していく。
そうこうしているとティーちゃん達も到着した。この後は取り敢えず食料と子供達のおやつを買い込む為に出掛ける予定だ。
家の中の案内を終えたフラムをお疲れさまと言って抱っこする。
「フラム、これから皆でお買い物行くぞ?」
「おあいぉ~いぅ~(おかいもの、いく~) 」
俺はフラムを抱っこしてセーナさんと共に玄関から出る。セーナさんは空と周辺の田舎道と家屋を見て驚いていた。
「ここは山の上なんですよ。これから車を出してくるのでここで皆と待ってて下さい」
そう言って俺はガーレージの鍵を開けてシャッターを上げる。エンジンを掛けてから庭のスロープの前に車を止めた。
車輪の付いた金属の動く箱を見たセーナさんは驚きで目を真ん丸にしていた。
「…これは…!?」
「これは自動車というものなんですよ。燃料を使って動く発動機みたいなものです。詳しくは俺も解ってないんですけどw」
「そ、そうですか…これに乗ってお買い物に行くのですか?」
「はい。お店は山を下りないとないので…」
そう言いつつ後部座席を開ける。助手席には既にティーちゃんが乗り込んでいた。後部座席にチャイルドシート2つ付けてシーちゃんとフラムを乗せる。セーナさんにはその隣に座って貰った。
俺達は車の中で話しつつ、山を下りてスーパーに向かった。
◇
スーパーに到着。退職はしたが色々売っていて便利なので以前働いていたお店に来た。
「…大きい建物ですね…。この中で食料品などを売っているのですか?」
「そうです。1階が食料品と雑貨、薬局とフードコート、あとパン屋さんとか食事出来る店があります」
「…お店の中に…お店、ですか…」
「二階は衣料品コーナーで三階と四階、屋上が駐車場です」
俺の説明に駐車場いっぱいに並んだ車を見て戸惑うセーナさん。安全通路を通り、お店の正面から入る。
既に何度か来ている子供達はセーナさんを連れてお店の中の案内を始めた。
食料を買い込み、お酒、子供のドリンクも纏めて買い込む。その後は子供達待望のお菓子コーナーとスイーツ、アイスコーナーだ。
三人はセーナさんを連れてどんどんカートの中の買い物かごに商品を放り込んでいく。今回もそれぞれお菓子、スイーツ、アイスの好きなモノを五個づつまでと伝えておいた。
セーナさんは戸惑いっぱなしだったが、無事買い物を終えて山に上の家に戻った。皆でおやつのプリンを食べた後、夕食の準備を始めた。
今夜は魚の日だ。塩銀鮭を焼いてお皿に乗せる。他に海鮮ミックスを使って野菜炒めを作った。
皆で夕食を摂りつつ、セーナさんと話をする。
「…お疲れさまでした。向こうの世界と随分違うから驚かれたでしょうw?」
「…えぇ、随分、便利な世界なんですね。移動に使う自動車、纏めて食材を売るスーパー、お料理に使うIHコンロ…ですか?」
セーナさんは話しつつ、フラムに鮭を小切れにして食べさせている。
「えぇ、そうですね。魔法が使えない分、科学が発展したと考えて貰うと理解しやすいかもしれません」
「わたしらもこの世界に来た当初は随分驚いたがのぅ」
「そーでしゅ。でもすぐになれるでしゅ!!この辺りのじーちゃんとばーちゃんはいい人ばっかりでしゅからね」
ティーちゃんとシーちゃんの話にセーナさんはにこにこしながらうんうんと頷いていた。フラムには俺が魚を小切れにして海鮮野菜炒めも食べやすい所をチョイスして皿に盛って上げる。
「セーナさんも食べて下さい。フラムはある程度小さくして上げると自分で食べるんですよ」
そう言いつつ食べるのをフラムに任せる。
「ええっ、そうなんですか!?」
フラムはまだまだ小さいが小分けにして食べやすくして上げると自分でもしゃもしゃ元気よく食べるのだ。それを見たセーナさんがフラムを褒める。
「こんなに小さいのに、もう自分でちゃんと食べられるなんてフラムちゃんは凄いのね」
褒められて嬉しそうににこにこ笑いかけるフラム。夕食の後、お茶と饅頭を食べながらまったりとした。
◇
翌日、俺はセーナさんとフラム、ティーちゃんとシーちゃんを連れて車で実家へ向かった。しかし、実家に到着するとバタバタとしている母さんを見た。
「…父さん、また入院したんよ。これから病院に行くから…」
そう言いつつセーナさんを見た母さんがハッとして一瞬、その動きを止めた。
「…もしかして…前、話に出てた奥さん…?」
「えぇ、わたしがセーナです。中々挨拶に来れなくてスミマセンでした」
そう言いつつ頭を下げるセーナさん。俺は慌てて頭を上げさせる。
「…いやいや、俺の勝手で連れて来なかっただけだから…」
「そうじゃな、あき。アンタがずっと黙っとったから…」
母さんのきつい言葉をかわす為に、慌ててティーちゃんとシーちゃん、フラムに挨拶をさせる。
「久しぶりじゃの、ばぁちゃん」
「ばぁちゃん、ひさしぶりでしゅ」
「あぅぁ~、いぁいうぃ~(ばーちゃん、ひさしぶり~) 」
三人の子供を見た母さんの顔がほころぶ。
「はい、三人とも久しぶりだねぇ。元気だったかい?これからじーちゃんに会いに一緒に行くかい?」
「うん、じーちゃんに会い行くぞ」
「いくでしゅ!!」
「いぅ~(いく~) 」
母さんは上機嫌で三人をチャイルドシートに乗せる。セーナさんは俺の車で一緒に病院へ向かった。
◇
「…おぅ、あき。やっと来たか…」
ベッドに横になっている父さんの身体にはあちこちに管が付いている。呼吸が浅くかなりきつそうだ。
「…父さん、この人がうちの奥さんでセーナさんね…」
「お父様、初めまして。セーナ・クラウディアと申します。ご挨拶が遅くなって申し訳ありませんでした…」
そう言いつつ頭を下げるセーナさん。セーナさんを見た父さんの表情が穏やかな笑みを見せる。
「…俺の勝手で連れて来なくて悪かったよ。今日は子ども達も来てるからな…」
中々会いに来れなかった事を俺が謝りつつ、俺はフラムを抱っこして見せる。ティーちゃんとシーちゃんはセーナさんが抱っこして父さんに見せた。
「…子ども達、久しぶりだな…嫁さんにも会えて…子ども達にも会えたから、良かったよ…」
「父さん、無理しないでくれ。少し休んでて…」
かなり呼吸が苦しそうだ。無理をさせず、すぐ休ませた。目を閉じた父さんの手に子供達の手を握らせてから病室から出た。
担当のドクターから話があるという事でセーナさんと子供達には待合室で待って貰い、俺は母さんと二人でドクターから父さんの病状について説明を聞いた…。
その後、皆で山の上の家に戻るとトメ婆が来ていた。セーナさんを嫁だと紹介する。ちょうど昼時だったのでトメ婆も一緒にお昼を食べた。
「あき、あんたしばらく家におった方がええ。あんたの父さんの病状は母さんから聞いとるで。親の死に目に会わんのは親不孝じゃからの…」
「…あぁ、解ってる。しばらくは仕事(鉱石と宝石しか売ってないが)を休んで家にいるよ」
「出来れば子ども達もおったほうがええじゃろう。悲しいじゃろうが祖父の見送りはさせてやった方がええ…」
そう言われて俺は頷いた。昼食の後、お茶を飲みつつまったりとした後、トメ婆を送った。
休みを二日取ってこっちに来てくれているセーナさんを連れて俺は一度、館に戻る。みんなに事情を話してしばらく帰ってこれないと説明した。
更に東鳳に飛んでリベルトにもしばらく戻ってこれないと事情を話した。東鳳での大供養はもう少し先らしいのでそれまでには帰ってくると伝えて地球に戻った。
その日の夜、午後十時過ぎにスマホが鳴る。震える手で電話に出た俺はすぐに着替えて出掛ける準備を始めた。