第九十八話 決勝
ついに今日は個人戦、団体戦の決勝戦が行われる日だ。
「王様が来られたぞ!」
今日のグリモワール学院内はその情報で持ちきりだった。
「モモコ、王様を見に行こうよ」
サラが誘ってきた。
「ごめん、私はちょっと用事がある」
「わかった。仕方ない」
サラは一人で教室を出ていった。
いよいよ決勝が始まった。決勝戦はやはり上級生同士の試合だった。
学校内は人がおらず、もぬけの殻となっていた。
私はこの機に乗じてホワイト先生の部屋を訪れた。
さすがにホワイト先生は部屋の中にはいなかった。
先生たちは今決勝戦を見にいっている。
例の壁に空いている穴を見つけ、その中に隠されていたものを採りだした。
それは古びた日記だった。
「名前は・・・クライ。私のお母さんのものだ!」
かなり年季が入っていて、埃まみれであった。
何が書いてあるのか気になった私は日記を適当にめくってみた。
偶然開いたページにはこう書かれていた。
『七月十一日、今日は実験を行った。これは誰にもまだ言っていない秘密の実験だ。もしこの実験が成功したなら親友のミルだけには打ち明けようと思っていたが、見事に失敗した。でも私の考えでは必ず成功するはず』
秘密の実験?お母さんはいったい何を調べようとしていたんだ。
私は続きが気になって次の日のも見た。
『七月十三日、昨日の実験失敗の影響が体に現れたのか、かなり疲れた。そんな日に限って、ジャンゴーラさんはデートに誘ってきた。さすがに断ったが、彼は少し寂しそうな顔をしていた。やっぱりデートした方がよかったかな』
この当時お父さんとお母さんは付き合っていたのか。
にしても自分の親の青春時代を知るのは、こちらまで恥ずかしくなる。
とその時部屋の扉が開かれた音がした。




