第六十九話 入学
入学式の校長先生の話は長かった。
「――――すでに魔法を使える者も使えない者も、この学校で学び、そして立派な魔法使いとなって卒業することを望みます」
こうしておじいちゃん校長先生の話は終わった。
その後、クラス分けが発表された。クラスは全部で四つ、それぞれ赤組、青組、緑組、白組となっている。
運動会みたい。
この色はそのクラスが専攻する魔法の種類だ。
私は赤魔法と白魔法を使えるが、受験票には赤魔法しか記入しなかったので赤組に配属されていた。
ラニーの名前を探すと、彼女は緑組にいた。緑組を希望したのだろう。
教室に入る。私の席は窓側の一番後ろ。
一番目立たない席で嬉しかった。
教室を見渡すとやはり役人の子供が多いようだ。いわゆるぼっちゃまたちだ。
雰囲気でわかる。それに役人の子供たちは幼いころからお互いに知り合いのようで、会話を弾ませていた。
この人たちと絡むとろくなことはないだろう。気を付けておく。
逆に私みたいに席に座ってじっとしている人も何人かいた。雰囲気でわかる。たぶん農民や商人の子供だろう。
教室の扉が開いて、先生が入ってきた。三十代の短髪の男だった。
先生が入ってくると、それまで騒いでいたぼっちゃまたちも席に座った。
「えー、俺がこのクラスの担任のジャックだ。よろしく」
先生の挨拶が済むと、今度は生徒の私たちが挨拶をすることになった。
席順から私は最後に挨拶をすることになった。
「私はモモコといいます。よろしくお願いします」
当たり障りのない、平凡な挨拶をする。
なぜなら、ぼっちゃまたちに目をつけられたら面倒だからだ。
そしてその日はグリモワール学院の校舎内を見学しただけだった。
「授業は明日からだ。教科書を読んで予習してくるように。それじゃ解散」
ジャック先生の言葉でその日は解散となった。




