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0.00_⬛︎⬛︎i⬛︎i⬛︎⬛︎⬛︎i⬛︎⬛︎.N.

 ピッ、ピッ、ピッ……


 独りきりの部屋に、無機質な機械音だけが響いている。


 目の前には、幾つもの巨大なモニター。


 画面一面を埋め尽くした文字列が、まるで浜に押し寄せる波のように、絶え間なく蠢いていた。


 寄せては返し、寄せては返し。決して止まることのない、データの海。


 上着の内ポケットから、一枚の写真を取り出す。


 ⬛︎⬛︎の写真。研究所の側の海岸で撮った、何気ない一枚だ。潮風に髪を押さえながら、こちらを振り返って笑っている。


 眩しいなあ。


 ──まあ、もうこの世にはいないのだけれど。


 何もかも、失った。


 地位も、名声も、金も、信頼も。


 そして、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎さえも。


 全ては、⬛︎⬛︎のせいだ。


『みんなが⬛︎⬛︎⬛︎なれば、この世界も⬛︎⬛︎⬛︎なるのにね』


 耳の奥で、今も声がする。


 そんなのは綺麗事だ。理想論でしかない。


 ⬛︎⬛︎が、自然と消えて無くなることなんて、有り得ない。


 でも、もし。


 人為的に、⬛︎⬛︎を取り除くことが出来たら?


 世界は、⬛︎⬛︎⬛︎なるだろうか?


 これは、人生で一番壮大で、一番重要な実験だ。


 全ては、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎の為に。


 写真を胸ポケットに戻す。震える指を、Enterキーの上に置いた。


「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎、実行」


 *


 ──ようこそ、国家認定AI〈Ernex〉が管理する“超最適社会”へ。

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