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ピッ、ピッ、ピッ……
独りきりの部屋に、無機質な機械音だけが響いている。
目の前には、幾つもの巨大なモニター。
画面一面を埋め尽くした文字列が、まるで浜に押し寄せる波のように、絶え間なく蠢いていた。
寄せては返し、寄せては返し。決して止まることのない、データの海。
上着の内ポケットから、一枚の写真を取り出す。
⬛︎⬛︎の写真。研究所の側の海岸で撮った、何気ない一枚だ。潮風に髪を押さえながら、こちらを振り返って笑っている。
眩しいなあ。
──まあ、もうこの世にはいないのだけれど。
何もかも、失った。
地位も、名声も、金も、信頼も。
そして、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎さえも。
全ては、⬛︎⬛︎のせいだ。
『みんなが⬛︎⬛︎⬛︎なれば、この世界も⬛︎⬛︎⬛︎なるのにね』
耳の奥で、今も声がする。
そんなのは綺麗事だ。理想論でしかない。
⬛︎⬛︎が、自然と消えて無くなることなんて、有り得ない。
でも、もし。
人為的に、⬛︎⬛︎を取り除くことが出来たら?
世界は、⬛︎⬛︎⬛︎なるだろうか?
これは、人生で一番壮大で、一番重要な実験だ。
全ては、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎の為に。
写真を胸ポケットに戻す。震える指を、Enterキーの上に置いた。
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎、実行」
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──ようこそ、国家認定AI〈Ernex〉が管理する“超最適社会”へ。




