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第57話: 世界システムの再起動

ゼウスの消滅と同時に、神聖領域オリュンポスのすべての神殿が、激しい地鳴りとともにサラサラと砂のように崩れ落ち始めた。


世界の『物理』 『熱量』 『生命』を管理していた神々が全員消去されたことで、世界システム全体が重大なエラーを起こし、完全な強制終了へと向かいつつあるのだ。


上空には、無数の赤いエラーウインドウが秒単位で増殖し、人間界の空からも、徐々に光と引力が失われ、暗黒の虚無が広がりつつあった。


「レイ! 世界が本当に崩壊し始めてるぞ! このままじゃ、人間界もろとも全員消滅しちまう!」


トールが崩れゆく床を踏み締めながら、焦りの声を上げた。


「慌てなくても大丈夫、トール。全部想定の範囲内だから」


レイは崩壊する王座の間の中心に立ち、手にした【虚空の修正剣】を地面へと深く突き立てた。


彼の金色の瞳――【神眼の支配者】の輝きは、ゼウスの権限を取り込んだことで、もはや世界のすべての光を上回るほどの、大きな輝きを放っていた。


「アルテ、世界システムの全データを、僕の頭の中に一時的にロードして。神様の存在に依存してた古いコードを、全部『自立自動復旧型コード』へ、リアルタイムで書き換えるよ」


「了解しました、マスター。・・・・・・データ転送を開始します。・・・・・・処理負荷が限界値を突破しています。マスターの精神データが崩壊する危険性がありますよ」


アルテが警告する。


「大丈夫。僕の【神眼】を信じて」


レイの脳内に、世界の何億年分もの全歴史、全物理法則、全生命のデータが、濁流のような光の文字となって直接流れ込んできた。


常人であれば一瞬で精神が焼き切れ、塵と化すほどのデータ負荷である。


しかし、レイは表情一つ変えず、その膨大なコードの中から、神々が仕込んでいた「加護による格差」や「不要な神格依存プログラム」を、丁寧かつ迅速な手際で次々と削除していった。


複雑な世界の土台となる新しい自律型プログラムを、一瞬で完璧に書き上げ、システムへと再注入したのだ。


「システム再起動――コードネーム 『新しい世界』」

レイが静かに、穏やかな声で宣言した。


ピキィィィン !!!


次の瞬間、崩壊しかけていた世界全体の動きが、完全に静止した。


赤いエラーウインドウが一斉に消え去り、代わりに、まばゆい黄金の新緑の光が、神聖領域、それから下界の人間界へと向けて、波紋のように一瞬で広がっていった。


空からは暗黒の虚無が消え去り、太陽の光が、これまで以上に暖かく、均等に世界中のすべての人々を照らし始めた。


神の加護に依存しない、誰もが自らの力で生きていける、完全に平穩で自立した新しい世界の基本構造が、ここに再構築された瞬間であった。

【新作のお知らせ】


いつも本作をお読みいただき、本当にありがとうございます!


この度、新しい連載作品をスタートいたしました。


タイトル:『森羅家の生活魔法は戦闘不能? 〜カフェの雑用と馬鹿にされた三姉弟、Fランクから最強へ駆け上がる〜』

あらすじ:「カフェの雑用魔法」と蔑まれた三姉弟が、知恵と工夫で地味な日常魔法を昇華させ、Fランクから最強へと駆け上がる成長ファンタジー!


本作とはまた違った魅力の詰まったお話になっています。

少しでも気になった方は、ぜひ以下のリンクから覗いていただけると嬉しいです!


▼新作はこちらからお読みいただけます

https://ncode.syosetu.com/n6822mn/


※アプリをご利用の方は検索画面で Nコード『 n6822mn 』と検索していただくか、作者マイページの「活動報告」から直接お越しいただけます!


引き続き、応援よろしくお願いいたします!


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