70 超高級牛丼
目が覚めてゲルから出ると
ひらひらと雪が舞っているのが見えた。
初雪だ!!(私がこの世界に来て初めて見る雪)
何だか綺麗、そう思った。
昨夜はお風呂に入る気力もなく寝てしまった。
雪の降る中露天風呂に入ったら気持ち良いだろうな
そう思い、銀牙の居る洞窟から出て
お風呂を設置できる場所を探した。
対岸のダムデムが沖に見える絶景ポイントを見つけ
露天風呂を設置してお湯に浸かった。
凪いだ穏やかな海も好きだが、ちょっと荒れた海も悪くない。
しかし気温のせいかお湯がすぐに冷めて来る。
仕方なく源泉かけ流しの様に少し熱めのお湯を注ぎ続け
しばらく楽しんだ後、チャリオットにも声を掛けた。
チャリオットは外でお風呂に入るなんて考えた事もなかったと
興味津々で露天風呂に入り
私は少し離れた場所から源泉かけ流しを提供していた。
チャリオットは露天風呂がとても気に入ったようで
これは是非普及させるべきだと興奮気味に言っていたが
さっさと食事を済ませダムデムの都市に戻ることにした。
銀牙に挨拶して
そうだ聞いていない事があったと思い出し聞いてみる。
「召喚紋に魔力がまったく無かったんだけど銀牙は何か知ってる?
もしかしてもう召喚された後だったのかな。」
「そうではない、あれに携わっていた者が転移に使った。」
「あの召喚紋で転移も出来るの?」
「ダンジョンが作られる時の混乱の中で焦ったのだろう
転移出来たかどうかは定かでは無い。
もしかしたらお主の居た世界へ行ったか
時空の狭間を漂っているか
この世界の何処かに転移出来たか我には確認のしようがない」
「そっかぁ、じゃぁ私にもどうしようもないね。
でもこれであの召喚紋が誤って使われる心配は無いんだね
取り合えず私の旅の目的の一つは達成出来たって事だ。」
肩の荷が少しだけ下りた気がした。
次は戦争が終わらない様ならイフリート様を探して
あの国境付近を噴火させてくれる様にお願いするんだったっけ
何にしても様子見と情報収集だ。
チャリオットと一緒に王都へと転移して冒険者ギルドへ向かった。
そして今はダンジョンを踏破した報告と素材の買取などを
ギルド長の執務室でしている所だ。
チャリオットはダンジョンの情報と生存者無の報告を
私は採取された食材、主にお米の取り扱い方を説明した。
危惧していた通り面倒くさそうな様子を見せるので
醤油を貰って霜降り肉を使った超高級牛丼を作って振舞ったら
ギルド長もチャリオットもとっても感激していた。
そりゃそうだよ、私だって食べた事無かったけど
絶対に美味しいに決まっている牛丼だよその反応当然だよ。
そのお陰でお米の存在意義はとっても高い物になった。
良かった良かった。
その後それとなく戦争についてギルド長に聞いてみたら
多分止まることは無いだろうと言っていた。
お互いに簡単には引っ込みが付かないだろうし
停戦するにしても、
着地所を探せる様な気量はこの国に無いらしい
「だからいつまでもあんな所で睨み合っているんだろう、
実際ドモバスには相手にもされて無いって事だ。」
ギルド長は笑いながら教えてくれていた。
この国の人達はあまり深く考えてもいないのか
でも実際犠牲になっている人達も居るはずなのに
そんなものなのか。
私が考え過ぎているだけなんだろうか?
元の世界の平和主義が影響して
大げさに受け止めているだけなんだろうか?
でもやっぱり戦争なんて無い方が良いに決まってる。
なるようにしかならないだろうけれど
私は私に出来る事で頑張ってみるよ。
読んでくださりありがとうございます。




