21 スーパーノヴァ
「お手伝いいたしましょうか?」
透き通るようなバリトンボイスで声をかけられた。
見ると流れるようなウェーブの長い金髪は
肩より少し下の位置で緩く束ねられ、
キリリとした細い眉
震えるような長いまつ毛が印象的な二重の垂れ気味な青い瞳
筋の通った高い鼻にちょっと薄い唇
どれをとってもかなりの美男子としか言いようがない作り。
背も高く手足も長く
何より無駄な筋肉など存在しないと言わんばかりの
分厚すぎない筋肉美、いわゆる逆三角形体型。
そのあまりの優美さに言葉も出なかった。
そりゃそうだこの世界に来てかなり長い時間をひとり引きこもり、
ただただ作業をこなす日々。
初めて会った人間はむさ苦しい暑苦しいちょっと臭い男たちだった。
当然『美』に飢えていたのだ。
まるで天使にでも会ったかのような気分だ。
心のオアシスだ潤いだもう少し堪能したいそう思っていた。
「お邪魔でしたか?」
一向に返事をしない私に痺れを切らしたのかまたも声をかけてきた。
「ああ、いえ、スキルのレベル上げをしていただけなので譲りますよ」
そう言ってモンスターハウスの入り口から出て脇に避けた。
「スキルのレベル上げですか?」
怪訝そうにそう言うと何やら私をじっと見つめてきた。
美男子に見つめられるのはちょっと照れるなぁなどと思いながら、
思わずにやけそうになる顔の筋肉を必死で引き締めていると
「料理がご趣味なのですか?」
意外な言葉が降ってきた。
一瞬何を言っているのか分からなかった。
お見合いでもないのに趣味を聞いてくるなんてどういう意味だ。
まさか私に気があるなんてことは無いだろうしと思い悩んでいると
「変わった武器ですね。」
そう言われああコレかと納得した。
そうおたまとフライパンだ。
「まぁ、そんなところです。」
曖昧に答え、どうぞと手でモンスターハウスの入り口を指すと
麗しの美男子はゆっくりとモンスターハウスへと入っていった。
その戦いぶりに興味が沸いて邪魔にならないように見学してみる。
炎を纏ったちょっと長めの短剣のような武器を両手に持ち
踊るようにスライムを切り裂いていく。
流れるような仕草、良くしなる体躯
本当に優美に踊っているようだった。
暫くの間見惚れていたが、
やっぱりスライムを全滅させることが出来ずにいる。
ここは手伝った方が良いのだろうか?
それとも美男子から要請があるまで待った方が良いのか?
初めての体験にどうするのが正解か分からずにいた。
そうして迷っていると、
美男子の息が少しだけ乱れ始めたような気がした。
見れば額に一筋の汗が流れている。
「どうするよどうする、どうしたらいいのよぉ~~~」
心の中で叫んでいると美男子から声がかかった。
「よろしければ手伝っていただけませんか。」
待ってましたとばかりに私はモンスターハウスに入り、
美男子の傍により結界を張ると
銃なしで使ってみたかったその魔法を唱える。
「スーパーノヴァ」
超高熱爆発はそれはすごい勢いだった。
視界も聴覚もおかしくなりそうなほどの閃光と衝撃が部屋中に起こった。
そしてその後の痛いほどの静けさ
モンスターハウスの中のスライムは殲滅されていた。
初めて使った私もびっくりだったが
美男子の方はさらに驚いたようでポカンとしていた。
そんな様子の美男子も麗しい。
「大丈夫ですか?」
私はそう美男子に声をかけながらドロップアイテムを拾い始めていた。
しばらくの間1日何度かUPさせて頂きます。




