18 冒険者錯乱
魔王誕生の知らせは各国そしてその国の冒険者ギルドへと届いたが、
誰もそれを深刻に考える者はいなかった。
何故なら魔王の脅威もその被害も聞こえては来なかったからだ。
「やっぱり眉唾だったんじゃないか」
日を追うごとにそういう風潮になっていた。
しかし何処にでも軽率で自分の力量を図れない者もいて、
魔王なんて実はたいした相手じゃないと判断し、
魔王の存在を確かめようあわよくば討伐して名声を得ようと
未開の森へと足を運ぶ冒険者も多かった。
だが未開の森には魔王の存在どころか魔物もたいして存在しておらず、
ただ広大な森林の中を彷徨うだけだった。
しかしそんなある日それは見つかった。
新たなダンジョンだ。
新たなダンジョンの発見その情報は国から多大なる褒賞金が出る。
新しいダンジョンは大抵の場合レベルも低く攻略も難しくはなく、
ダンジョンを攻略して帰れば名声も手に入る。
そう考えた冒険者は意気揚々とダンジョンに足を踏み入れた。
思った通りこのダンジョンはまだ若い、
魔物もスライムばかりだ、これは攻略は簡単そうだ。
そう考えてダンジョン内を進むが、
通路がクモの巣のように張り巡らされ
方向を見失うと同じところをグルグルと回ることになり
結局地図を作るためにかなりの時間をかけなければならなかった。
そうしてようやく次の階へと進んだ先はやっぱり洞窟だった。
この階も同じように地図を作りながら慎重に進んだがスライムが強かった。
物理攻撃があまり効かず下手をすると分裂され本当に厄介だった。
中には酸や毒で攻撃してくるスライムもいて、
毒消しやポーションも必要とされた。
相手がスライムだと軽く考えていた冒険者たちは徐々に消耗していた。
そしてようやく次の階へと進むとそこも洞窟だった。
冒険者は悩んだ。
一度ダンジョンを出るかこのままもう少し攻略するか。
そして出した答えがこのまま進むだった。
何故なら若いダンジョンはそう深くないという実例から、
攻略は間近だと判断したのだ。
しかしスライムがとても強かった。
物理攻撃どころか魔法攻撃もあまり有効でなかったり、
中にはとてもすばしっこいスライムもいて
こちらから下手に手出しをしたら
その反撃で大ダメージを受けるため
見かけたら急いで避けるようになっていた。
逃げるように洞窟内を移動していた冒険者はいよいよその場へと到達した。
突然だった。
空間が歪むような魔力の塊が目の前にあった。
その圧倒的な圧力に冷や汗が出た、足がすくんだ、
そして腰が抜けそうになった時
冒険者の中の一人がその魔力の塊目掛けて魔法を放っていた。
あまりの恐怖からの錯乱した一撃だった。
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