増えるメイド娘達
朝の目覚めはすこぶる良い。それもそのはず昨日のメイド娘たちのお勤めは実に気合の入った物だった。
リアたち新人メイドも初心者ながら一生懸命に奉仕する姿は心を揺さぶりこっちもつい張り切ってしまう程だ。
勿論それに負けじとフィアたちもお勤めを果たしてくれた。どちらも俺の愛する大事なメイド娘たちなのだ。
俺が起きたのを確認するとフィアが俺に朝の挨拶をする。新人メイドに見せつける様にだ。その為朝から濃厚な大人の口づけだ。勿論こちらも望むところ、俺がフィアに負ける筈がない。
フィアを打ち負かすとミィが敵討ちに来る。当然だが主人がメイドに負ける訳がない。ヒナ、アリス、シェリーを立て続けに打ち倒した所で新手の登場である。
「ご主人様」
頬を真っ赤に染めて消え入りそうな声を出すリア。昨日の積極性はどこに行ったのか。これは今一度指導する必要があるみたいだ。
「リア、来なさい」
「はぃ」
これは朝の挨拶だ。故にメイドからするのが礼儀だ。
俺が待っているとリアがやっと決心してうぶな口づけをしてくれた。
何事も始めが肝心だ。可愛いが俺は触れたリアの唇を、口内を蹂躙して征服する。
リアは目をとろんと蕩けさせ嬉しそうに為すがまま受け入れている。
昨日から思っていた事だがどうやらリアには犬属性があるようだ。ならこれからは調教した方が本人も悦ぶだろう。
そんなリアを見て新人メイド娘たちがこっちに挨拶に押し寄せて来た。
順番に朝の挨拶を交わす。
シャルロッテは正しく淑女。はしたない行為など出来ないと唇が触れるくらいの口づけをする。
だがそれには裏の意味がある。それを昨日のお勤めで理解している。それは。
私は淑女ですのでここまでです。ここからはご主人様が私を征服して下さい、と。
だからここからは俺のターンだ。
シャルロッテが望むように抱き締めて押し倒し乱暴に口内を蹂躙する。
シャルロッテが悦んでるのは顔を見れば明らかだ。生粋の気品を持つ彼女の蕩けた顔など拝める男は俺だけだろう。
お嬢様メイドは積極的だ。
サラは恥じらいながらも精一杯の挨拶をしてくれた。彼女が一番の乙女心を持ってるのではないだろうか。
セリーナとセレーナはいつも一緒だ。双子と見間違うほどに容姿が似ているが双子ではない。二人は仲良しでお勤めも二人一緒に果たした。そして挨拶も二人一緒だ。
セリーナとセレーナを両脇に抱えて、二人も俺にくっ付くように手を回して頬ですりすりと甘えながら順番に挨拶をする。二人も幸せそうだ。
ふむ。なぜだか気がつけばツゥアハートの言葉通りにハーレムが出来上がって来ていた。
始めはフィアとゆっくり過ごすつもりだった筈なんだがな。目を向けるとベッドの上にはメイド娘が11人、昨日もお勤めをつとめた姿で侍っている。
「ご主人様ぁ〜」
感慨に耽っていると泣きそうな顔でさっきからおろおろしているイヴの姿がある。
そう言えば彼女はまだ挨拶をしていなかったな。
手招きして優しく抱き締めてイヴと挨拶をかわす。
イヴも特殊な性癖の持ち主で自身を物扱いされる事に悦びを感じる変態だ。シャルロッテも見た目に反してドMというギャップの変態性を持ち合わせているが他の子は尖った変態性は見受けられない。敷いてあげるならサラはさっぱりしてる性格の割に乙女だし、セリーナとセレーナは一緒と言いながらも片方にお勤めを見せつけるように腰を動かすのは女の意地でもあるのだろうか。
「はひぃん!」
イヴとの挨拶を交わしたが今の格好はメイド娘たちもお勤めを果たしたまま眠ってしまっていたのでお互いに裸のままだ。昨日メイド娘たちからあれだけの奉仕を受けたとは言え俺の体は若い男の物である為反応するのは当然の事だろう。
「ごしゅじんしゃまぁ〜」
朝の挨拶も終わった事だ、今日はこれから新人メイド娘たちの教育を兼ねて可愛いがるのも悪くないだろう。何事も最初が肝心だからな。
「らいしゅきぃれすぅ〜」
既に呂律の回らないイヴも精一杯のお勤めを果たそうと懸命に頑張っている。それを見て周りのメイド娘たちも思い思いに自分たちのお勤めを果たそうと頬を染めながらも決して目を逸らさずにイヴのお勤め姿を目に焼き付けている。
ふむ。
この様子なら新人のお嬢様メイド娘たちとも上手くやっていけそうだ。
「そうだなイヴ」
「はひぃっ!」
よだれを垂らしながらも恍惚の表情で真摯にお勤めを果たそうとするイヴの返事はメイド娘の鏡だ。その中に主人に尽くそうとする思いが感じられるのだから。
うむ、可愛いメイド娘じゃないか。
メイド娘に身分や貴賎はない。例え貴族の伯爵家令嬢でもお勤めは果たさなければならないのだ。
彼女たちはそれを良く分かっているようだ。
その日はメイド娘たちの教育で一日が潰れたが十分な成果は得られた。新人メイド娘たちにはご褒美にチョーカーをプレゼントして俺が自ら首に嵌めてやる。
女神の加護「祝福」がメイド娘たち全員に与えられたのを確認してその日は眠った。失神したメイド娘たちは実にやり遂げた顔をしていた。
「ご主人様ぁ〜、イヴのまけですぅ、こわれましゅうぅ〜」
翌る日。メイド娘たちを指導して一週間が経っていた。いや、一週間の指導が経っていた、なのか。
まぁ一週間の集中指導によりメイド娘たちはメイドとしてのイロハをしっかりと学んだようだ。フィア達メイド姉妹と新人メイド娘たちも一緒にお勤めをつとめたお陰か随分と仲良くなっているようだ。
「ご主人様、お待たせ致しました。本日の朝食になります」
メイド娘が俺に一番に声をかけるのは今更だろう。屋敷の主人であるアリスも一緒の席に座っているのだが彼女の格好はメイド服である。彼女はお嬢様でありながらも俺のメイドとして甲斐甲斐しく尽くしてくれているのだ。
そういえば、と、周りを見渡すがいつもいる筈である執事、ミスマルの姿が・・・いない。
彼はリアの事を気にかけていたようなのでちゃんと新しいご主人様が見つかったぞと安心させた筈なのだがな。その時に覚悟を決めた男の顔をしていたからちゃんと伝わったと思うのだが。
マップを検索すると、どうやらラインくん達赤龍騎士団とダンジョン攻略に出かけているようだ。仕事は良いのか?
それはともかく給仕を勤めるメイド娘に声を返す。
「ああ、ありがとう」
今日はサラが給仕担当のようだ。蒼い髪の頭をなでなでして労う。
サラは新しいメイド服に身を包んでいる。サラが着ているメイド服はアリスに与えたのと同じ可愛らしいふりふりのメイド服だ。可愛さと強度も最高ランクの逸品だと自負している。
勿論リア達にも同様にメイド服をふりふりさせている。
うむ、素晴らしい。
やはりメイドはこの世の宝だな。いや、うちのメイド娘が宝なのか。
メイド娘たちに癒されながら慈愛の目で鑑賞する。
まさしく癒しそのものだろう。
と、食事に手を付けながら癒されているとフィアから声がかかった。
「旦那様、リア達はこれからどのように教育するのでしょうか」
リア達はお勤めの指導に一週間も掛かった為、まだ職業を与えていない。その為フィアは彼女達をチートメイドにするのか?と言うのを聞きたいのだろう。
答えは、当然イエスだ。
メイド娘を指導するのに自重など必要ないのだ。
「当然今迄通りアリスと同じ様に育てるぞ。まぁ経験値を与えるだけなら直ぐ出来るが、力に振り回されるだけじゃ仕方ないからな。能力を使いこなせるように指導しなくてはな」
実際アリスとシェリーのレベルも一瞬で3桁を超えた。経験値スキルはSランククラス製造機みたいな物である。とは言え能力を使いこなせなければ、と言った所だ。職業も全てメイド関連になる為職業補正はメイド技能ばかりだが万能メイドなんかは万能故にそれなりの効果があるのでは?と思っている。
なら職業を変えたら、と思うかも知れないがメイド以外の職業にするなどメイド娘への冒涜なので変更などあり得ないのだ。
「畏まりました。それでは彼女達もダンジョンを周るのですね。それではアリスとシェリー共々一緒に面倒を見ましょう」
「ご主人様、任せて下さい」
「はい、立派な戦闘メイドに仕上げて見せます」
ミィとヒナもやる気十分なようだ。まぁ自衛出来るレベルまで育てば問題は無いんだがな。
「所でアリスはミスマルが何をしてるか聞いてるか」
ミスマルがラインくんに混じって訓練しているのをアリスに何と言っているのか聞いてみたが。
「はい、どうやらミスマルには倒さなければならない相手がいるそうで自分はもっと強くならなければ、と言って自分を鍛え直すようです。今頃騎士団に混じってダンジョンにでもいると思いますわ」
うむ、扱いが軽いな。
「正直ご主人様に対する態度が鬱陶しかったので、倒せるようになるまで帰って来なくてもいい、と許可も出しました」
「お、おう。そうか」
それにはフィア含めたメイド娘たちが頷いている。
俺は気にしないのだがミスマルの態度はメイド娘にとって非難の嵐だ。少しは彼の力になってやっても良いかも知れない。
ミスマルの現在地はまだダンジョンの低階層だ。低階層ではどれだけ魔物を倒そうが対して経験値は貰えないからな。
ミスマルにエールと共に少しだけ協力してやることにした。
現在地点はダンジョンの35層、ゴーレムエリアだ。
動きが早くないここは初心者用の訓練やレベル上げに最適なのだ。
そしてそこに並ぶのはうちのメイド娘たち総勢11人だ。
俺を含めて12人、6人づつの2チームでパーティーを組みレベル上げとメイド娘に合った戦闘能力の訓練する事にした。
とは言え突然ダンジョンに連れて来られてきた事にパニックを起こすメイド娘たち。
「ちょっとちょっとサラ、さっきまでお屋敷に居たよね私達!?」
「え、ええ。一瞬で景色が変わったわね」
「旦那様が空間転移の魔法によって運んだのだと理解しなさい」
「「「っ!?」」」
フィアの言葉に驚愕の表情を浮かべるメイド娘たち。
「ちなみに此処はダンジョンの35階層、ゴーレムエリアです。こんな初心者の階層で無様を晒すメイドなど居ないでしょうが問題ありませんね?」
「「「っ!?(ぶんぶんぶん)」」」
ミィから知らされた事実と厳しい言葉に驚愕の表情と共に問題あります、と頭を横にぶんぶん振るメイド娘たち。
「大丈夫ですよ、ゴーレムなんて柔らかいだけのデカ物ですから簡単に斬れますよ、ね?」
愛用の長剣を取り出したヒナがメイド娘を安心させるようににっこりと笑いかける。
(ふるふるふる)
メイド娘たちはそれはあんただけだろうと震えながら顔を横に振る。
とそこで一体のミスリルゴーレムがやってくる。頑丈でありながら魔法耐性まで併せ持つミスリルの光沢が輝く巨体にメイド娘たちも「ひゃぁ!」とか「ひぃ!」と情けない声を上げてしまう。
その様子をお嬢様であるアリスが叱咤するのだ。
「貴女達!ご主人様のメイドでありながらその程度の魔物に怯むなんて恥を知りなさい!」
つい二週間前に同じ様な態度を取って居た人とは思えない発言である。それ程慣れとは恐ろしい。
アリスは主人に確認を取ると魔法を唱える。それは火属性の初級魔法。無論無詠唱で発動出来るのだが見た目は大事である。
「見ていなさい、ファイアボール」
だが、初級魔法と言えど威力は上級魔法に匹敵する。
その蒼い炎の一撃はミスリルゴーレムの硬い防御を物ともせずに一瞬で焼き尽くしてアイテムに変換する。
「「「っ!」」」
驚くのはアリスが魔法を使える事。そして彼女達からすれば強大な魔物が一撃で倒された事にだ。
「「「っ!、ご主人様!」」」
一体どういう事ですか!?、と彼女達の視線が集まる。
「言っただろう、お前達にもアリスと同じ様に教育すると。魔法だって使えるようにしてやる」
俺の言葉で目を輝かせるメイド娘たち。自分もアリスの様になるのだと息巻いている。
ふむ。この調子なら問題ないだろう。メイド娘たちの強くなった姿が目に浮かぶ様である。
そして傍らにはアリスがミスリルゴーレムに先制攻撃を仕掛けた為、出番がなく取り出した剣片手に悲しそうな顔を浮かべるシェリーの姿があった。




