屋敷にて
ラインくんとの決闘を終えた後メイド娘たちにアリスとシェリーを紹介した。
「これからご主人様のメイドとなるアリスティアです、アリスとお呼びくださいお姉様方」
「私はシェリー、ご主人様のメイドであり騎士だ、宜しくたの・・・む・・・みます」
メイド姉妹は上下関係が厳しいのだ。早速シェリーの言葉遣いにメイド姉妹の殺気が飛ぶ。
「私はフィアです。良いですか、貴女達がこれから旦那様のメイドになるなら決して粗相の無いようにしなさい」
「ミィです。ご主人様は品のある女の子が好きなんです。だから所構わず発情したらいけません」
「・・・ヒナです、宜しくお願いします」
フィアとミィはシェリーに向けて言った言葉かもしれないがヒナにはクリーンヒットだったようだ。泣いてるじゃないか。
フィア達にもこれからの事を話してリュードにあるアリスの別荘を目指す事にした。
そしてその後は何事も無く無事リュードまでたどり着いた。門に並ぶ列をそれて貴族専用の門を潜る。
街の中は流石の広さだ。王国第2位の街なだけはあり活気に溢れていた。人の数もかなり多いだろう。
ラインくんとはここでお別れになる。本当はアリスの別荘まで護衛していく筈だったのだが今回は俺がいる為お役ご免になったのだ。別荘は貴族街にあるがラインくん達が住むことになる兵舎は、ダンジョンの近くにあるらしく結構距離が離れるのだ。真面目が服着たラインくんはそれでも同行すると言ったが、アリスから来なくて良いと正面切って言われてしまった為、仕方なく引き下がった。
そして目の前には立派な屋敷が建っていた。
これが別荘か、金持ちは凄いな。これは何十人住めるんだ?
見事な屋敷だが維持するのも大変だろうな、庭も広いし、門の中から屋敷までが遠い。それにしては綺麗だと感心してしまう。
「ご主人様、私の自慢のお屋敷ですの。もうご主人様の物ですから自由に扱って構いませんわ」
「うむ、まぁ住む場所があれば俺は良いんだが。それとここではご主人様はダメだぞ、特にシェリー」
「と、当然だ。私が・・・はい、気を付けます」
メイド姉妹の殺気にまたしてもやられるシェリーである。
「シェリーは何度言えば分かるのですか、いい加減にしないと怒りますよ」
「ご主人様が許してるから勘違いしているんですか、言葉遣いは品の表れですよ」
「ひぅ〜」
涙目になるシェリー、こいつ騎士じゃ無かったか、最早威厳がないな。いや、元からないか。
散々な言われようである。
どうやらシェリーは俺からの躾けでなければ快感を感じないらしくガチで震えていた。
ヒナも少し縮こまってた。ヒナには優しくしてやろう。お前は賢い犬だから安心していいぞ。
屋敷の中に入ると若い執事の男とメイド達が6人並んで待っていた。
「「「「お帰りなさいませ、お嬢様」」」」
「ただいま帰りましたわ、また宜しくお願いしますね」
頭を下げる使用人達に応えるアリス。
「此方は私の大切なお客様よ、粗相の無いようにね。リョウ様、こちらが家の屋敷で執事をしているミスマルです」
「ミスマルと申します。リョウ様、どうぞ宜しくお願い致します」
挨拶をしてミスマルが頭を下げる。別荘とは言え侯爵家で執事をしているんだ、27才だし優秀なんだろうな。そしてなによりイケメンだ。
「そしてこっちがメイド長のリアです。リア、彼女達を紹介してあげて」
「はいお嬢様。私はこの屋敷でメイド長を務めているリアと申します。リョウ様、何卒宜しくお願い致します。そしてこちらがこの屋敷で働く使用人になります。順にシャルロッテ、セリーナ、セレーナ、サラ、イヴになります。どうぞ宜しくお願い致します」
リアに呼ばれた順に頭を下げる屋敷のメイド娘たち。リアは出来るお姉さんと言った感じで自分に自信があるのが見て取れる。プライドが高そうだ。見た目は身長165、翠色の長髪でスレンダー美人さんだ。だが何処と無くシェリーと同じ匂いがするのだがきっと気のせいだろう。メイド長を任されてる者がダメ犬な訳がないからな。
そしてここからが問題なんだがメイド娘のこの子達、実は全員貴族の子女達だ。まさかである。道理で立ち姿に品があると思ったのだ。
特にシャルロッテはお嬢様感が半端ない。メイド娘なのにアリスの横に並んでも違和感ないぞ。
シャルロッテは正しくお嬢様、いやお姫様みたいな美少女だ。腰まで届く薄茶色の長髪で身長も167と女の子にしては高い。柔らかでありながら薄く微笑むその顔はお姫様の佇まいを感じさせる。
セリーナとセレーナは見た目で双子かと思ったがステータスを見ると17才と15才で年が違った。だが見た目は髪の色が違うだけにしか見えない。(セリーナはピンク色でセレーナが青色、同じショートカットで長さも同じだ。これは狙ってるとしか思えない)2人とも小柄でとても可愛いらしい。
サラとイヴは同じ14才でミィと同い年だ。サラは腰まで伸ばした蒼い色の髪がとても綺麗だ。可愛い顔なのに目が少し鋭い、それが可愛いのに凛とした印象を与えるのだ。
イヴは肩まで伸ばした銀髪で赤い瞳が印象の女の子だ。この中で一番茶目っ気がありそうな感じで笑顔が可愛いメイド娘だ。
つまり彼女達はお嬢様メイドなのだ。しかも超美少女だ!
うん、可愛いな。メイド姉妹と一緒にメイド服を沢山着せ替えしてあげたい。
だが一言いいだろうか。何が気に食わないかと言うと彼女達のメイド服は地味なのだ。フリフリも無いし色も暗い。これではメイド娘の良さが埋もれてしまう。
メイド服は外出用や室内用がまだまだ沢山あるのだ(夜専用だけと思ったらいけません)。
彼女達にもちゃんとしたメイド服を着せてやりたいが、俺がいきなり着ろなんて言ってメイド服を差し出したら只の危ない人だしな。
はぁ〜、俺のメイドになってくれたらな。
「「「「「「っ!」」」」」」
びくんっ!
「「「?」」」
「ありがとうリア。それではリョウ様、屋敷を案内致しますわ。リア、付いて来なさい」
「ああ、頼む」
「は、はい、お嬢様」
アリスに促され、何故か悶えてるリアと共に屋敷の中を見て歩く事に。広いからな。まぁ俺にはメイド姉妹がいるからな。今夜はこの鬱憤をメイド姉妹を着せ替えメイドにして晴らす事にしよう。(いつもの事です)
うむ、それが良い。そして新しいメイド服を開発するのだ。(ついでにメイド姉妹も開発される)
一通り見て回ってこれから泊まる部屋に案内された。気を使ってくれたのかその部屋にはキングサイズのベッドが1つあるだけだった。分かるがその気の使い方はどうなのだろう。勿論構わないが。
歩き回って疲れたので(アリスが)テラスでティータイムと洒落込むことに。紅茶はリアが淹れてくれた。
「どうぞ」
「ああ」
味は。うむ、普通だ。いや、美味いぞ、美味いんだがメイド姉妹と比べるとな。
最早メイド姉妹は何をしても普通では無い。それは家事であっても料理でもそしてお茶汲みでもだ。恐らく今飲んでる紅茶の茶葉もかなり高級な物だろう。だが品質がこれより落ちてもメイド姉妹ならこれより美味しく淹れてしまうのだ。
つまりそれだけ今迄贅沢をしてたのか。フィア達に感謝しないとな。
俺はフィアとミィを撫でて感謝を伝えた。
「旦那様!?」
「ご主人様!?」
突然のなでなでに驚くメイド姉妹だが調教スキルがカンストしているなでなでにすぐさま撃沈して気持ち良さそうに頬を緩ませる。
「「「む〜」」」
他のメイド姉妹たちから抗議が上がるが労うことも大切なのだ。俺は気にしない。
「お嬢様? シェリーさんも?」
頭にクエスチョンマークを浮かべるリアだがこちらも気にしない。
「どうですかリョウ様、丁寧に管理されてると思うのですが」
確かにアリスの言う通り綺麗な屋敷だ。よく手が行き届いているのだろう。
「ああ、いい屋敷だな。フィア達はどう思う」
「はい旦那様。ある程度は手間行き届いているようですし十分許容範囲内ですが」
「そうですねフィア姉様。見えない所の汚れや傷がありますしまだ改善出来る箇所は多いですね」
「流石フィア姉様とミィ姉様です。私はまだそこまで分かりません。ただ大きくて綺麗な屋敷だと」
ああヒナ、それが正解だ。俺にもわからん。だがヒナも万能メイドになる身だ。俺は厳しく躾けなければいけないのだ。
「そうだなフィア、ミィ。ヒナもフィアやミィを見習って勉強しなさい」
「はいご主人様」
ここはわからなくても知ったふりで尊大に通すのだ。ヒナも素直に頷いてくれるし、フィアとミィは俺によく出来たと褒められて喜んでいる。
「流石フィアさんとミィさんですね。お二人が指摘して下さればお屋敷ももっと素敵になりますわ」
「そうだな、暫くはやっかいになるんだから気付いた点があれば教えてやれ」
なんて迂闊な発言をしてしまったのが原因か。
「それでは旦那様少々お時間を頂いて宜しいでしょうか」
「ご主人様のメイドとして恥じぬ様全力を尽くさせて頂きます」
そう言ってフィアとミィは俺とアリスに許可を貰い1日で屋敷の改修を終わらせた。
次の日の朝、廊下を歩くだけで気づくのだ
「これ別の屋敷じゃね?」
フィアとミィは嬉しそうに微笑んでいる。力になれなかったヒナは悲しい表情をしていた。
そして屋敷の執事ミスマル、メイド長のリアを含めた使用人達が尊敬の眼差しを向けていたのは言うまでもない。




