なつまつり
君のいた夏はもう遠い記憶の中、
永遠に儚く消えていく打ち上げ花火・・・・
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夏と言えば祭り、祭りと言えば花火だろう。
昔、そう昔、それも前世の記憶・・・・
17歳の夏、溝口君と足がないから電車で(バイク無免許だしね)港市の花火大会に行き、浮かれついでにナンパをし、何故か見事成功。
しかし、当時は携帯がない時代。夜に開いている筆記用具のあるコンビニも近くになく、電話番号聞いても覚えられず、結局そのままお別れしてしまった苦くも甘酸っぱい思い出・・・・
ついでに言えば終電にも乗り遅れ、チャリをかっはらって深夜に汗かいて帰った苦い思い出でもある。
(なーんか、中学生みたいな行動だなあ・・・・と、ふと思った。)
あー、あの頃車あったらなー・・・あの二人マジ可愛かったな・・・・
てな訳で現世でリベンジをする。
溝口家にハイクを飛ばす。秋雄ちゃんの部屋は離れで広く、秋雄ちゃんはゲームしていた。
「秋雄ちゃん!ナンパ行くぞナンパ!」「いきなりむっちゃん、どうしたんだよ、」
「今日港市で花火だべ、行くぞ。」「ん、電車で?」「いや、俺免許取ったからバイク使える。バイクはデパートの駐車場に停めるからそこから歩き。」「おー、じゃあ行くよ。」
話は速攻決まった。バイクがあるので最終列車に乗り遅れでチャリ盗むのも回避。
チャリを盗まれた人の運命変わるねー(盗難ダメ!絶対。)
確か一応放置っぽいの使った記憶はあるけどね・・・
秋雄ちゃんはちなみに黒髪を降ろしたりたまにに上げたりで耳にピアス、
でもヤンキーではない。ルックスはそんな感じ。
午後になり、二人で港市に向かう。
祭りに向かう足取りだけに軽快だ。
心なしかCBXの音も調子が良いように感じる。
港祭りは昼前から神輿の行列も出ててとても賑やかで、駅の方から町中の祭りの会場である商店街へ向かう人の波が凄い。
俺の記憶では夕方辺りにナンパしたとは思うけど、本当に遠い昔の話・・・朧気でしか覚えていない。
ところで、モテるモテないの差って何だと思う?顔、性格?
多分皆様お分かりかと思うがそれは「出会いの数の多い人がモテる」のです。
出会いと言う分母がでかくなればでかくなる程「この人と付き合っても良いかな、」って相手に当たりますし、経験値が上がります。
人生において色々な事の経験をする事ってのは侮れない。
喧嘩、恋愛、仕事、人は成功じゃなくって失敗(負け)した時により成長する。
成功からは教訓がなかなか得られないけど失敗をしてその失敗から教訓を学んだ人間は確実に次に同じ失敗の事例が起きた場合対処が出来るし出来なくてもダメージを低くすることが出来る。
・・という事で失敗を恐れず取り敢えず片っ端からそれっぽい相手に声を掛けるとにしたw
これなら声を掛けた相手が目的の相手じゃないとしても前世での目的であった「ナンパ」が成功する可能性もある。
そして秋雄ちゃんも満足するだろう。
「秋雄ちゃん、感じ清楚系で年下。一人は浴衣で1人はややミニの2人組を狙うぜ!」「随分具体的だな・・・・」
失敗は教訓になる・・とは言えナンパで無視や冷たくされる事、空振りが多いとなかなかメンタルが潰れて行く・・・・
俺は大人時に会得した「最初の会話のマニュアル化」と緊張しない為の冷静さを保ちながら野望へ向かい進む事にする。秋雄は何気に俺の会話に合わせられるのでその辺はおまかせする事に。
話掛ける事4組目・・・・記憶の子ではなかろうか?って相手への青臭いナンパか成功しました。ちなみに性交じゃないからね?
初めて出会う女の子との祭りは、野郎二人のむさい祭りと違いとても楽しく、見た目にも花がある。
彼女達は隣のB県の波打町から来た子達で一つ下。「俺らは泉美高の二年。」「泉美かあ遠いね、私らは波打高だよー」
「ペアで二人とも可愛いって珍しいよね、」「港良く来るの?」「波打何もないからねー、近いから波打からも港からも学区またげるから友達いるから良くくるよ」
「じゃあ○○とか知ってるっしょ。」「あー、私らの先輩ー!」ヤンキーあるあるで地元の知り合い話は会話に使えるのです。
4人でテンション高めに祭りで賑わう町をぶらぶらし、折角なので一緒にご飯も食べる事に。
港市は観光地なのでお洒落な店が結構ある。
行ったのはちょっと15歳と16歳には背伸びな感じがする様なちょっとおしゃれ系な洋食の店だけど、
秋雄にも言って格好つけて背伸びせず「普通の自分達」で過ごした。
ええ、洋食を4人とも箸で食べ、「うわっ!似合わねーって」言いながら皆で笑いながら食べましたよ。
こんな感じ・・・
「ご注文は以上で宜しいでしょうか?」
「おう、おねえちゃん、俺に箸ちょうだい♪」「やっぱこういう店は箸だよなー、箸」「あははは」皆笑ってました。「じゃあ俺も」「私も」「私も」・・・って感じ。
ある意味嫌な客です(笑
ご飯は楽しく食べなくっちゃ。
格好つけても、それがそう思われるかは違う物だし、いざ格好付けても実際の姿に失望されるならいつもの自分でいるべき。
そう思ったからね。
夜になり花火大会が始まった。
4人で花火を見る。打ち上げられた花火は夜空に大輪の花を咲かせる。赤や青、紫や緑の大輪が俺たちの前の空に続々と打ち上げられる。
「うわー、綺麗!」「でも燃えカスが頭から降って来るのはひどいねw」「この煙がまた・・すげえなw」
4人で見る花火とても楽しかった。いつも見る花火の10倍は綺麗に見えた気がする。
その花火も最後のスターマインで終わった・・・
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祭りの終わりってのはいつも寂しい。
終バスがあるので帰らないといけない二人・・・一緒にはまだいたいんだけど・・まだ15歳だからね・不良って感じじゃないし・・地元じゃないから「泊まる場所」もなければ足もない。
駅のバス停で、
「じゃあね、」寂し気に手を振って来る。
「じゃあ、また。」俺らもちっちゃく手を振る。
彼女達を乗せたバスが遠くなって行く・・・
俺たちもまた、バイクの停めたデパートに帰って行く。
俺のズボンのポケットには書いてもらった連絡先の電話番号の紙があった・・・・
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「なあなあ、むっちゃん、どっちがいい?」「俺、あのミニっぽいの着た子なんか好きなんだよねー。」「俺浴衣。」「2人とも趣味違くて良かったねー」
途中でこんな会話が二人であったのは言うまでもない・・・・・・




