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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 低殺傷兵器  作者: 橋本 直
第三十八章 ようやく見つかった目撃者
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第163話 些細に過ぎるきっかけ

「まだかよ。もう定時だぞ。警邏の薄ノロ共に付き合う必要なんかねえんだよ」 


 定時まで30分。かなめは大きく伸びをした。誠は呆れてつい目をかなめに向ける。そのかなめが声をかけたカウラは警邏隊から送られてくるアストラルゲージの波だけが映る画面から目を放そうとしない。彼女も一応は小隊の隊長である。無駄かもしれなくても仕事の真似事くらいはかなめの前ではしなければならない。


「聞いてるのか?どうせ何も起きねえんだ。とっとと帰ろうぜ」


「まだ30分前だ。それまでは勤務の義務がある」


 かなめのしつこさに耐えかねたというようにカウラが吐き捨てるようにつぶやいた。 


「それじゃねえよ。ちゃんと水島を引っ張れる証拠は見つかったのかって言うことだよ。県警の連中自分達でパクるつもりでアタシ等に黙ってるんじゃねえのか?」 


 そう言うと答えを期待していないというようにかなめは大きく身をそらして伸びをする。アメリアもラーナもいつものこのかなめの気まぐれな言動にため息を漏らした。


「かなめちゃん。そう簡単に証拠が挙がるなら誰も苦労はしないわよ。それに県警が法術師に対抗できないのは自覚してるんじゃないの?結果が出たらすぐに送ってよこすわよ」 


「そりゃあそうだけどさあ」 


 今度はかなめは左肩に手を当ててぐるぐると回す。要するに退屈なのだ。誠は思わず単純で分かりやすいかなめの行動を微笑みながら眺めることにした。


「サイボーグが準備運動か?ご苦労なことだ」


 重量のある義体の重さに耐えかねてぎしぎし言う椅子の音が気になったカウラの一言。かなめもその音を無駄に出しているという自覚はあるらしく回していた腕を止めて机に突っ伏せた。 


「うるせえなあ……別にいいだろ!する事ねえんだから」 


 しばらくそのままで時が流れた。だがかなめの退屈がどうにかなるわけではない。


「とりあえずタバコ吸ってくるわ」 


 退屈に耐えかねたかなめはそう言って席を立つた。


「はいはい!行ってらっしゃい!二度と帰ってこなくていいわよ」 


 投げやりなアメリアの言葉にかなめはそのまま席を立とうとした。ここまではいつもの光景だった。


 だがその時突然ラーナが立ち上がった。



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