ヤバい奴との邂逅
ーーーラちゃん、レイラちゃん!
はっ。久しぶりに昔の事を思い出してしまいました。
改めまして、皆さんこんにちは。
レイラ=クリステートと申します。現在3歳。自分で言うのも何ですが、すっごい美少女です。
真っ黒の髪は星が散りばめられているように輝いているし、大きくて少し垂れ気味のお目目は紫と深い青が混ざり合った様な色合いで神秘的で凄く綺麗です。ただ、この髪の毛と瞳の色はお父様とお母様には似てないんですよねぇ。もしかして前世の影響でしょうか?ま、考えてもわからないんですけど。でもちょっと気になる事にお母様は僕と喋る時、終始笑顔なのですが、お父様は僕と喋る時ちょっと顔がひきつってるんですよ。まるで僕に怯えている様に。もしかして、黒色ってこの世界で忌避される色なのでしょうか?でもなーそんなこと言われてもなー自分じゃどうしようもできないじゃん。まぁお父様に嫌われてるわけではなさそうだから、まーいっか。
こほん、
ーーーえー、そろそろ、現実を見ましょうか。
お母様に呼ばれて客間にやって来た僕は婚約者を紹介されました。婚約者がさらさらの金髪と吸い込まれるかのような薄い青の目をした、天使と言われても違和感がない美少年という事も、その婚約者が我が国の第一王子でいずれかは国王になるような方であるという事も、少し、いやかなり驚きましたが、今はそんな事どうだっていいんです。いやどうでもよくはないけど。
では今何から現実逃避をしているかというとですねぇ
その婚約者である美少年から体を弄られてるんですよ。弄られてるっていっても大事な部分は死守してますから、後ろから抱きしめられて太ももとかお腹とか二の腕とかいやらしい手つきで撫でられております。え、こいつ5歳だよね?そして僕は3歳だよね?何も出てないし引っ込んでない年頃だよ?怖いんだけど。
もーやだ。何このクソガキ。引張叩きたいのに王族だから出来ない。
何故このような状況になっているかと言いますと
客間にやって来た僕を見た、婚約者様が無表情だった顔をみるみる笑顔に変えて情欲を秘めたあつーい視線を僕に降り注いで
『この子と二人になりたいです。』とうちのお母様お父様にお願いしてその場にいた執事やメイドを追い払いました。そして、お母様は出て行く時僕にウインクして出て行きました。いや、助けろよ。娘が襲われそうになってんだぞ!?
...そして今の状況が出来上がっております。
は?意味わかんねぇと思ったそこのあなた!
大丈夫、僕もわかんないから!
「...ねぇ、何考えてるの?僕のことちゃぁんと見なきゃダメでしょ?悪いことするいけない子はお部屋に閉じ込めちゃおうかなぁ。あ、それいいかも!食事も着替えもお風呂も僕と一緒で...大丈夫僕以外の人間には君と会わせないから。僕が君のお世話を全部してあげる。そして君が僕なしでは生きていけないようにしてあげるから......冗談だよ?あぁ怯えた顔も可愛いね!」
...ヤバい。こいつヤバい。目が本気だ。絶対冗談じゃないだろ。
...逃げなきゃ。こいつから逃げなきゃ。
じゃないと2度目の人生バッドエンドが目に見える
...計画たてよう。今から。