シエル・グランブルーヴォラティル
―中央国・スパルティア―
他国とは違い、国民の皆が安心して暮らせる国。
この国に住むとある少女は言った。
―「鳥に、なりたい」、と―
少女のそんな戯言を、皆は嘲笑った。
鳥になりたがる少女の名は、シエル・グランブルーヴォラティル
―8年後、中央国―
どの国もとある他国の王が戦を巻き起こし、酷く醜い状況に陥っていた。
各国の兵たちは、自らの国のために死に物狂いで戦い、死んでいった。
少女…シエルは鳥に近くなるべく、若くして国の飛行戦隊・クロウレイヴンへと入隊した。
クロウレイヴン隊の戦闘機はすべて真っ黒で、鴉の印が彫られている。
しかし、シエルの戦闘機は違った。青色だったのだ。
「…?あれ…青い…?」
どういうことなのか、隊長であるヴァッサ・ブリュイヤールに聞いてみた。
「お前の機体はな、少し特別製なんだ」
「特別…?」
「ああ、お前の名前の意味、言ってみろ」
シエルは一瞬驚き、戸惑った
「え?…えっと…空、ですけど」
「違う、名字まで全部言え…」
「え?ええ…シエルが空、グランブルーヴォラティルは分けて雄大な青と鳥です」
「そう、それだ、お前の名は正にこの飛行戦隊に合っているのだ、その名にちなんで青くした」
ヴァッサは微笑んでいた。まるで空を飛ぶ鳥を見たかのように。
「ああ…そういえばお前の相棒とは会ったか?」
「あ…いえ、まだです」
「ふむ、早く会いに行ったらどうだ?」
「はい」
飛行戦隊の一人一人にはある理由で相棒がいる。
何故なのかは、誰に聞いてもわからないらしい。
「相棒…どんな人だろ…あ」
「あ…お前が俺の相棒か?」
紅い瞳の少年はそう言った後、にっと笑った。




