第二話 魔法使い
第二話は、魔法使いイーナと退魔師レナードとの出会いです。
イーナはボルバの街で競りに参加し、お目当てである「エルフの涙」と手に入れることでした。見事競り落とすイーナだが、街をでてすぐゴロツキに襲われることとなる。逃げる途中レナードと出会い、レナードに助けられていくという内容です。これから先は一体どうなるのであろうか!?
翌日、まだ日も登らない時間にレナードとココは街を出ていた。
「なにもこんな朝早くに出ていかなくても…」
ココは不満気に言う。
「朝から人混みの中を通って街出たくないんだよ…」
レナードは答えた。
ぐるるるぅぅ…。2人のお腹のなく音が響く。
「せめて朝ご飯だけでも食べたかったな〜。あの街意外と美味しい物がいっぱいあってまだ制覇してない店とかあったのに…」
またココは名残りおしそうに言い始める。
「お前と付き合うと街から出られなさそうだな」
呆れた口調で言うレナード。歩きながらレナードはココに尋ねる。
「木の実と魚、何食べる?」
尋ねると少し考えて、
「う〜ん…この時間だし、木の実にしようかな。それで昼は豪勢に―――」
ココは言い始めると、
「こんな状況でよく豪勢にって言えるなぁ、まだ朝も食べてないのに」
ココの話しを遮るように話すレナード。
「いいじゃない。街に入ると消耗が激しくなるんだから」
睨みながら喋るココ。
「…すまん」
レナードは痛い所を突かれて顔を歪ませる。
「ふふっ」
ココは笑う。
しばらく歩くと日がでてきて、辺りが見えやすくなったところにちょうどいい実がなってる木々を見つける。
「結構豊富だな」
レナードは嬉しそうに言う。
「やったーご飯だ〜」
ココも尻尾をふって喜びの表情を浮かべる。
―こういうときは可愛いんだけどなぁ
レナードはココの頭を撫でる。木に近づくと可愛い先客たちがいた。小鳥や小動物が木の実を食していた。これをみてレナードは
「では俺たちもいただきます」
先客たちに一言いって手のひらぐらい大きい木の実を二つとって座り込み、レナードとココも食事を始めた。レナードは食べながら先客たちの食べる姿をみて、にこやかな笑みを浮かべる。
それをみてココもつられて笑顔になる。
―レナードのこういう顔がやっぱり好きだな
ココはレナードを見ながら思う。食事が終わると、先客たちに
「木の実ごちそうさまでした」
一言いうと、小鳥たちが鳴き始めた。ココに尋ねてみると、
「『この先に綺麗な川がある』っていってるよ」
と訳す。それを聞いて、
「じゃあそこもお邪魔して、水の補給しよっか」
とレナードはココに案内されて歩き始める。
街道から少し外れた所に小さな小川が流れていた。レナードは両手で水を掬い、一口飲んでみて安全と確認してから、水筒に水を入れ始めた。ココも食事のあとだろうか水を飲み始める。
「当分は水には困らないな」
少し上機嫌になるレナード。
「朝ご飯もたべたしね」
とさっきまで不満ばっか言ってたココも機嫌をなおしてくれた。街道に戻りまた歩き出した。
一方ボルバの街では、オークションが始まっていた。何かの骨や角、はたまたキラキラと輝く宝石、剣士にはもってこいの大剣や兜など様々なものが並んでいた。参加している人も大半は金持ちの貴婦人や商売人がいる中、不釣り合いな人がそこにいた。
「今日の目玉、なんとしても手に入れないと調合が…」
と女の子がつぶやく。革靴に膝くらいまである派手なスカート、服が小さいのか膨らみのある胸、小柄な割には大きな杖、お尻までありそうな長い髪、普段はつぶらな瞳なのだろうがこの時の目は血走っている。
「10万」
「11万」
と参加者が声を荒らげるなか、彼女はじっと何かを待っていた。
「はいっ25万で48番の方落札となります」
と司会者が大きな声でしゃべる。
「続きましては今回の目玉、『エルフの涙』となります」
「きた!」
ぎゅっと拳を握る彼女。
「貴重な商品となりますのでまず100万から始めさせていただきます」
と競りが始まるとぞくぞくと競りの掛け合いがヒートアップする。
「200万」
といいだしたころ、彼女も動き出した。
「230万」
と声をだすと、参加者たちは一斉に彼女をみる。
「おぉ〜」
仰天の声をだす人たちまででた。
「232万」
先程競りで200万をあげた人が挑む。
「233万」
彼女も負けまいと声を荒らげる。
「240万」
「250万」
彼女は差を広げる、
「くっ…に…252万」
苦しげな表情で叫んだが、
「260万!」
と彼女はあげた瞬間、勝負した相手は力なく肩と頭を下げる。
「はいっ260万で23番の方落札となります」
司会者が言う。
「やったやったー!」
無邪気に喜ぶ彼女。
「これにて閉会します。落札された方は私の元に来てください、商品をお渡しします」
閉会の言葉を言い終わるのと同時に参加していた人たちは帰っていく。彼女は急いで司会者に駆け寄り、
「はいっ260万。はやく『エルフの涙』ちょうだい」
上機嫌で司会者に駆け寄る。司会者もやや困惑した顔で、
「はは、ありがとうお嬢さん、では金額を確かめさせてくださいますよ」
司会者が言うと、彼女は大きな袋を司会者の前に突き出し、
「はいっ! 300万あるから数えてみて」
とにこやかな顔をして渡す。司会者も受け取り、奥にいる人に目配せすると、奥から数人きて、彼女の袋を持ち奥へとまた行った。
「ただいま確認しますので、お待ちください。終わりましたらお呼びしますので」
司会者が言うと、
「なるべくはやく済ませてね」
彼女は喜びを隠せない状態で司会者に言うと、その辺りをブラブラした。数分すると、
「23番の方」
と司会者が言うと、彼女はダッシュして駆け寄る。
「はいはいはいはい」
と返事をする。
「おまたせしました。どうぞ『エルフの涙』と残りのお金です」
先程の袋と小瓶にはいった液体を取る。
「くぅ〜〜〜やっと手に入れた『エルフの涙』」
元気よく会場をでて、宿に戻り荷物をもって街をでていきました。
「ふふ〜ふふ〜ん」
鼻歌を歌いながら歩きだす。
「どこか一息つけるところないかなぁ」
と歩きながら辺りを見渡す。
「ないなぁ…地図みてみよっと」
スカートのポケットから折りたたまれた地図をとりだす。しばらくじっと見ていたが、
「はぁ〜ひらけた場所も休憩できそうな小屋とかもないな…どうしよう」
と落胆する彼女。
すると背後からドドドドと馬が走る音が聞こえた。ひかれないように道の端に寄る彼女。すると数頭の馬と数人の騎手が彼女に問いかける。
「女、『エルフの涙』もってるだろう」
睨みをきかせながら彼女を問い詰める。
「もってるけど、誰にも渡さないよ」
睨み返す。
「金も用意した。落札した金の倍を払う。だからよこせ」
口調を変えずに彼女に詰める。
「だから絶対渡しません!」
否定すると問い詰めてた男が、
「仕方ない。力づくで取らせてもらう」
腰にさしてた剣を抜いて、襲い始めた。
「わっ!?」
間一髪で避けた。それをみた残りの騎手も剣や槍を構え、襲い始めた。「ちょっと…女の子に5人って卑怯だわ! しかも馬付きで」
避けながら叫ぶが問答無用で剣と槍の猛攻が迫る。
―こんなのとまともに戦ったら絶対勝てない
そう思った彼女は
「『ヒュイ』」
と唱えると馬よりもはやく街道を走り去った。
「追えー! 絶対に逃がすな」
騎手たちも全速力で追いかける。
しばらく走り続けて、呪文の効果が消えた瞬間彼女は体全体つかって呼吸
を整える。後ろを振り返りだいぶ離れたことを確認する。
―でも油断できない。あいつら絶対追いかけてくる
と思い辺りを見渡すと、道端に昼寝している男を見つける。急いでかけより慌てて起こす。
「ちょっとおきて!」
体を揺さぶり始めた彼女。
「…んん…」
レナードは不機嫌そうに目をあける。ココもその声を聞いて起きる。
「助けて! 追われてるの」
と懇願する彼女。
「…」
レナードは彼女の身なりと瞳をじっとみた。すると突然レナードの目がカッと開く。それをみたココはすぐにレナードに飛び乗り、首に尻尾を巻きつけた
「お前…なにしたんだ?」
レナードは尋ねると
「私なにもしてない」
彼女はそう答える。遠くのほうでドドドとまた鳴り響いた。
「きたっ!」
彼女の顔がだんだんと不安の表情になる。するとレナードと彼女の周りを取り囲むように騎手たちが阻む。その中の一人がレナードに向かって問い詰める
「若造、この女の連れか?」
「俺も昼寝の邪魔されて迷惑なんだ。とっとと連れてってくれ」
レナードは不機嫌そうに言うと彼女は絶望した顔で、
「えっ!?」
驚きを隠せなかった。彼女は必死な顔になりレナードに頼みこむ。
「お願い、助けて! 助けたらなんでも言うこと聞きますから」
懇願する彼女に
「俺は別に―――」
レナードが言い終わる前にココが
「キャンキャン」
と鳴き始める。それを聞いたレナードは
「えっ…でも」
泣き叫ぶココに声をかける。続けてココはまた鳴く
「キャン」
泣き終わると、レナードは彼女に
「事情が変わった、助けてやる。だがその言葉忘れるなよ?」
と言うと彼女の前に立ち、問い詰めていた男に
「事情がかわった…命までは取らないからここから立ち去れ」
強く言い放つ。男は不敵な笑みを浮かべ
「ふふっ、たった一人でこの5人と相手するというのか? バカかお前」
小馬鹿にする。周りにいる騎手たちも一緒になって笑い出す。レナードは動じず
「もう一度いう!? 殺したくないんだ。大人しく退いてくれ!」
若干弱々しく言い放つ。その様子をみて男は
「何を言ってる。もういい殺れ!」
と号令をかけると一斉にレナードめがけて剣と槍を突き出す。その瞬間、「うわあ!」
「あぁー!」
何人かの悲鳴を上げる。
その光景は悲惨だった。槍と剣は折られ、騎手たちもあらゆる方向から体を真っ二つに切り刻まれていた。レナードは問い詰めた男の死体の傍で佇んでいた。剣の刃は光り輝いてたが血に染まっていた。光り輝く刃はだんだんと光を失くし、死体から青白い影牢を上がっているが、その影牢は全て鞘の中に吸い込まれていった。
レナードは光が失くなった剣を鞘に収め、頭にしがみついたココを優しく撫でた。「ありがとうココ。助かった」
一言お礼を言う。レナードは彼女に振り向き歩み寄る。
彼女は怯えながらレナードを見る。
「あ…あり…あり…」
「すまない怯えさせてしまって。でもココがいてくれたからこの程度で済んだんだ」
怯えた彼女をみて、悲しい瞳で頭を下げる。ココは場所にあわず
「きゃーん」
と声高らかにあげた。それを聞いてレナードは
「いやだからあいつの気が強かったんだよ。そっちこそ調整してくれよ」
と弁解する。
「きゃんきゃん」
「お前の頼みだからやったんだぞ。さっさと注文いえよ」
「きゃん…」
言い争いが終わるとレナードが彼女に言葉をかける。
「で、なにができるんだ?」
ちょっと不満そうに尋ねる。
「えっと…私魔法が使えて…」
というと一人と一匹は表情を少し緩む。
「ほう〜。例えばどういうのかな?」
と尋ねる。
「いろいろです。空を飛んだり、火を出したり…でも私の得意なことは魔法薬をつくる調合です」
少し元気がでたのか、声にはりが戻ってきた。それを聞いたレナードは「じゃあココと話しができるものって作れるか?」
と尋ねる。
「そもそも助けたのはココに頼まれたからだから礼を言うならココに言ってくれよ」
付け加えてしゃべる。
「へぇ〜この可愛い狐ちゃんが?」
彼女も触ろうとするが彼女の背ではココに届かなかった。
それをみてレナードは彼女の前にひざまついた。彼女は優しくココの頭を撫でると、
「温かい、それでいて毛がサラサラしてフカフカ」
ココの毛並みの感想を述べた。
「きゃんきゃん」
ココは嬉しそうに尻尾をふる。
「『ほめてくれてありがとう』ってさ」
レナードは立ち上がる。
「私もココとおしゃべりしたいなぁ」
というとレナードは少し呆れて
「そのための薬は作れないかと頼んでるのだが」
「あっごめんなさい」
とペコリと頭を下げる。
話しが決まったところで、
「さてこんなところじゃ落ち着いて調合もできないだろう」
とレナードは言うと、彼女は周りの惨劇をみて
「……」
と無言になり、顔を青ざめてその場で気を失った。
「ふぅ…荷物がまた増えた」
ぼやくレナード。ココは降りて、レナードは彼女をおんぶして、自分の荷物と彼女の荷物を手で掴んで歩き出していった。
しばらくすると彼女は目を覚まし
「…うん…ここは?」
と言うとレナードは歩きながら
「さぁ? 街道をまっすぐ歩いてるだけだからここがどこかと聞かれても困る」
レナードは答える。少しひらけたところで休憩をすることにしたレナード達。
「あ〜肩痛てぇ、お前こんな重いのもって旅してるのか?」
荷物を降ろし、肩を揉みながら尋ねる。彼女の荷物は重さ20キロ前後ありそうな重さと大きなカバンだ。彼女はそれをみて
「あなたどれだけの距離歩いたのよ!」
と日を見るともう日が沈みかけていた。相当な距離を歩いたと直感した。「起きたことだし、俺はここで夜をこそう」
レナードは座り込んだ。
「じゃあ私も調合始めるわ」
杖を手に取り、気合を入れ始める。
「おい…こんななにもないところでどうやって調合するんだよ?」
と呼吸が荒くなっていた声で聞く。
「ふふっ、見ててね」
と言うと杖をひと振りすると、大きな釜がでてきた。
「なっ!」
驚くとぞくぞくといろいろなものがでてきた。驚くレナードとココをよそに調合を始めた。
「えっと会話できる薬は…」
魔法でだした棚から小さい実を取る。
「あと媒体 にするものを…」
別の棚に手をかけて漁り、ひとつの液体のはいった瓶を取る。すると今度はレナードに振り向き歩みよる
「あの…お願いがあるんだけど。」
近づきながら尋ねる。
「な…なんだよ」
顔を近づける彼女から逃げるように後ろに下がるレナード。
「ココちゃんの毛を何本かもらっていい?」
と尋ねる。
「こ…ココ?」
と聞きなおす。彼女はなおも近づきながら、
「あとは会話する対象の毛をいれて混ぜ合わせれば完成するの」
「それをココに飲ませるのか? だったらダメだ! ココは俺の大事な相棒なんだ。ココに何かあったら―――」
「それを私が飲むの!」
と必死なレナードの言葉を遮るように答える彼女。
「きゃんきゃん」
ココが鳴くとレナードは
「ココいいのか? 俺はちょっと信用できない」
困惑するレナード。
「きゃん」
「…わかった」
レナードは意を決して彼女に振り向くと、顔が思いの他近づいていた。
「うわ!」
レナードと彼女の差に驚いて、思いっきり下がると後頭部に思いっきりぶつける
「痛てぇ…」
頭を抑えるレナードに彼女は
「大丈夫ですか?」
と近づくと
「来るな!」
と怒鳴る。それを聞いて彼女は止まり、
「ココの許可がでた。だけど優しくしろよ」
と念押しする。
「うん! 私のココちゃんだもん。痛いことはしないよ」
勝手に自分のものみたいに言い出す。
「お前じゃなくて俺の―――」、
「イーナ」
レナードが訂正の言葉をかけると彼女は自分の名前を告げる。
「イーナ・アラン…私の名前だよ」
言いながらココの毛を取り、釜に近づいて調合を始める。彼女から寂しげな声を聞くと、レナードは立ち上がり、イーナに少しづつ歩みよる。
「俺はレナー―――」
「できたー!」
と身を仰け反るイーナをみて、びっくりしてレナードは尻餅をつく。
「よしっ飲むぞ」
と勢いよく出来立ての薬飲むと、イーナはむせ始めた。
「あつっ…げほっげほっ…あちぃ〜」
と舌をだして、手で仰ぐ。
「釜で調合してるんだから熱いんだし、逃げないんだからゆっくり飲めばいいじゃん」
と誰かがしゃべる。
「つい勢いだけでやっちゃっていつもドジッちゃうんだよね」
と可愛く答える。
―こんな調子で大丈夫かこいつ
と少し困った表情で思うレナード。
「ありがとう…えっと」
とレナードにお礼そするがまだ自己紹介してなかったので名前がわからなず困惑するイーナ
「俺はレナード・ボルク」
と名乗ると勢いよくココがレナードの頭にしがみつく、
「そして私がココだよ〜」
と尻尾をふりながら自己紹介をすると。イーナは固まりしばらくすると
「…わ〜! 話せれる。やったー!」
と驚愕と感動の入り混じった声を上げながら喜ぶイーナ。ココは勢いよく降りると
「私のおかげであのゴロツキ共を蹴散らしたんだから感謝しな―――」
「きゃー可愛い! フカフカして気持ちいい〜」
と気高い口調で説明するココをよそにおもむろにイーナはココを抱きしめる。
「ん〜苦しい…」
イーナの胸に埋められるココ。レナードはちょっと顔を赤らめて、
「おいっ…ココが嫌がってるぞ」
止めに入ると、
「あっごめんねココちゃん」
喜びを隠せない表情で謝るイーナ。
「苦しかった〜」
ココは身震いする。改めてレナードがしゃべりだす。
「じゃあ次はイーナだな」
と振り向くと、イーナは何のことわからず首をかしげる。
「え? なに?」
と言うと今度はココがしゃべりだす
「私は忘れてないわよ〜『なんでも言うこと聞く』って言葉〜」
といたずらをする顔になる。それを思い出したイーナは顔を青ざめて、
「わ…私にもできることとできないことがあって…はっ! もしかして私を食べるつもり?」
とココを避ける。ココは牙をむき出しにしながらイーナに近づく。
「観念しなさい。イーナ・アラン」
と近づく。イーナも観念したのかその場で座り込んでしまう。
「ふふふ」
とココはイーナに近づくと勢いよく走り寄る。
―もうだめ…
イーナは覚悟を決めると。
「晩ご飯豪勢につくって〜!」
と尻尾をふりながら嬉しそうな声でイーナの足に顔をすりすりし始めた。「…へ!?」
絶望してたイーナの顔がだんだんと緩んできた。レナードが説明するように
「ココは食い意地がはってね。『なんでもする』って言葉を聞いたときからずっと『今晩のご飯は豪勢にしてもらうんだ〜』って耳にタコができるくらい言ってたんだ」
と呆れた口調でしゃべりだす。安堵のため息をしながらイーナは立ち上がると、
「よかった〜食べられなくて」
ココに近づき、
「何か食べたいものとかある?」
ココに尋ねると、
「なんでも食べるよ」
言いながら尻尾をふる。
「じゃあ今夜は肉料理にしましょ」
と言うとココは飛び跳ねる。
「やった〜お肉〜。レナードのまずい料理とおさらばだ〜」
と一言言うと、
「…余計なことを」
頭を掻きながら呟く。
そして騒がしい一日が終わりを迎えた。
名前 イーナ・アラン
年齢 16歳
職業 魔法使い
武器 杖
好きなこと 調合、料理、笑顔、師匠
嫌いなこと 戦闘、人間
ある高名な魔法使いの元で調合の技術を学び、魔法学校を主席で卒業するエリート魔法使い。ギルドや人の頼み等で薬を作って生計をたてているがイーナにはある目的があって旅を続けていた。それは話しを進めていくにつれて明らかになります。