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エラリア:300年の虚無を経て、ゼロから歩む人生  作者: interwal228


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第23章:異国のナイフの残響と冷たき南方の街道

# 第23章:異国のナイフの残響と冷たき南方の街道


*創世歴3529年8月3日*


8月3日の早朝、山あいは厳しくねっとりとした湿気に包まれていた。野生の棘深い茨の茂みと崩れかけた巨岩の陰にしっかりと隠された見捨てられた石造りの馬小屋には、凍てつくような、まるで墓場のような静寂が満ちていた。その静けさを破るのは、大型のグレイ・ルーニア産軍馬の規則正しく重い鼻息と、馬具のなめし革が立てる鈍くきしむ音だけだった。


エリアンは目を開いた。深く被ったフードの影の奥で、彼の薄灰色の瞳は、朝の空も夜明けの微光をも映さない、氷のように冷たく完全に死んだ光を湛えていた。このもろく幼いエルフの肉体という器は、彼にとって洗練された、終わりなき拷問であり続けていた。首を回すたび、わずかな動作をするごとに、骨や関節には鈍くすり減るような激痛が走り、北方の鉱山での最近の過負荷によって痛めつけられたマナ回路は、内部から微弱な幻の熱で焼けただれていた。エネルギー経絡の微小な痙攣は呼吸するたびに存在を主張した。鞍の上で普段よりわずかに体を揺らしただけでも、全身を熱い痛みの波が駆け抜け、完全に癒えきっていない血管を引き裂かんと脅すのだった。


*「欠陥品の、未熟な器め」*――まるで他人の死体を解剖するかのように、冷徹で客観的な思考が彼の意識をかすめた。*「この幼いエルフの肉体はわずかな負荷ですら破綻し、折れたバネを持つぜんまい式時計のように、原始的な修復、暖かさ、そして食物を要求する。だが、生物学は意志には従属しない。理性が精神的マトリクスを維持している限り、この道具は従うほかない」*


厚手の灰色がかった茶色の羊毛の隠れマントの下に隠した自分の両手に目を落とし、彼はいつもの機械的な動作で袖口の状態を確認した。すり切れた粗い麻のシャツと灰色のウールのズボンの下、手首と足首には、かつてドレイヴェン男爵が奴隷たちを繋いだ枷と、身動きを奪う呪われた鉄の痕跡である深くひび割れた乾燥したかさぶたが赤黒く刻まれていた。まばらに絡み合い、固まったまばゆい白銀の髪の束が、彼の青白く痩せこけた顔に垂れかかっている。それは頬の病的な痩せこけを隠す自然のヴェールであると同時に、左耳の醜い赤黒い欠損と、旅の途中の傷と偽った右の尖ったエルフの耳の先端を覆い隠す役目を果たしていた。


無駄な後悔に時間を費やすことなく、エリアンは背嚢に手を伸ばし、乏しい携帯食料を取り出した。古びた玉葱の皮の匂いが染みついた硬い灰色のパンの切れ端と、繊維質で干からびた堅い干し肉の塊だ。容赦なく、機械的な正確さで彼はその乾燥した旅の糧を咀嚼し、飢え切った肉体に燃料を無理やり送り込むと、へこんだ金属製の水筒から、鉄の味がするぬるい水を飲んだ。それから手綱を掴むと、音もなく軽やかにグレイ・ルーニア馬の鞍に飛び乗った。はるか北方のエルフの城塞ラエリオンはるか彼方に遠ざかり、いまや彼の道は南へと向かっていた――薄暗いアエリール森のふもとにひそむヴァルター家の祖先の屋敷の廃墟へと。果てしなく焼き尽くされた辺境の街道を抜け、目的の地まではまだ一週間半の過酷な旅が残されていた。


その後の3日間は、旅の苦難という単調で重苦しい一本の帯へと溶け込んでいった。街道は枯れ草の生い茂る陰鬱な丘陵と深い泥の ravine(渓谷)の間をうねりながら続いていた。帝国軍の駐屯地から遠く離れたこの場所では、法律はすでに略奪者や脱走兵、傭兵団の馬蹄の下で死に絶えていた。天候までもが困難に拍車をかけた。鉛色の重い空は時折、細かく息苦しい雨を降らせ、羊毛のマントを芯まで濡らし、街道の埃を馬の蹄を吸い込むねっとりとした油じみた泥へと変えていた。エリアンは大きな見張り所を避け、街道の脇を縫うように進んだが、街道そのものは辺境の混沌が生み出した哀れな犠牲者である一そこの旅人たちで溢れかえっていた。


旅の2日目、彼の進路を塞いだのは、北方の街道で火災や絞首台から逃れてきた疲れ果てた難民の一団だった。うつろで狂気を帯びた水色の目をし、灰黄色の髪を絡ませた女が、汚れの染みついたくすんだ緑色のウールのドレスと継ぎはぎだらけのスカーフを纏い、怯えながら荷物の包みを胸に固く抱きしめていた。その傍らでは、破れかけた茶色の革製ダブレットの下に汚れた麻のシャツを着た男が、冷や汗でベタつく漆黒の髪と、怯えてキョロキョロと動き回る濃い琥珀色の目をさせ、暗いフードをかぶった奇妙で物言わぬ子供の前で、あえて顔を上げることすらせずに立ちすくんでいた。


3日目には、鉱石の密輸を生業とする小規模な密輸業者の一団が通り過ぎた。その頭目である、短い無精髭を生やし、生気の抜けた色褪せた緑色の目をした屈強で風雪に耐えた男は――濃い黄褐色の煮込み革の重厚で擦り切れたジャケットと粗いウールのズボンを身にまとっていた――エリアンに一瞥をくれた。しかし、フードの陰に隠された薄灰色の瞳の氷のような虚無感を認めると、彼は黙って目をそらし、泥に唾を吐き捨てて、疲れた駄馬を鞭で打った。その後の道辻では、さらに様々な顔に出会った。砂金色の髪やネズミ色の髪を絡ませ、枯れ草色の不恰好なボロをまとい、重荷に背中を曲げた色褪せた青いスカートの女たち、そして引き裂かれた鎖帷子を着た陰鬱な脱走兵たち。誰一人として、その孤独な騎手に話しかけようとはしなかった。少年の佇まいから放たれるのは、絶対的で張りつめた孤立感と秘められた脅威であり、通りすがりの者たちは本能的に道脇に身を寄せ、灰色の霧の中に溶け込もうとしたのだった。


夕暮れが灰色の光の名残を完全に呑み込む頃になると、エリアンはいつも人里離れた渓谷に身を隠すか、湿った剥き出しの岩棚の下に避難場所を見つけた。焚き火は一切なし――辺境の街道で野営の火を焚くことは自殺行為に等しかった。剥き出しの凍てついた地面に腰を下ろし、灰色がかった茶色の羊毛マントをきつく身体に巻きつけて、彼は目を閉じた。彼の意識は、破壊されたエネルギー構造の深淵へと沈んでいく。意志の力で、彼は傷ついたマナ回路を強制的にまっすぐに伸ばし、微小痙攣によって塞がれた経絡の中に、残存する微弱なエネルギーの電流を通わせた。頭蓋の内部で耐え難い緊張から白い痛みの閃光が爆発した。血管が負荷に耐えきれず、ある瞬間、エリアンはぐっと身を前に傾け、口の中に生々しい吐き気を催す銅の味を感じ取った。ほぼ黒い闇を帯びた細い血の筋が、口の端から音もなくあごへと伝い、シャツの襟を汚した。手の甲で血を拭いながら、彼は微塵の躊躇も見せず精神集中を続け、痙攣が鈍いが耐えられる脈動へと引くまでエネルギーの結節を押し込み続けた。それから初めて、冷たい岩に背中を預け、重い背嚢を枕にして、彼は浅く短い、警戒を怠らない睡眠へと落ちていった。


休むことなく進んだ5日目の終わり、旅人の道は黒い灌木の生い茂る深い岩の渓谷へと導かれた。渓谷の底では、濁った泡立つ泥水を立てて山川が轟音を響かせていた。渓谷には、低く崩れかけた石の欄干を持つ、ひび割れた玄武岩で舗装された古い橋が架かっていた。橋の対岸には、小さな野営地が煙を上げていた。丸太の庇、一対の野戦テント、そして馬繋ぎの柱。そこには、通行料を徴収し、数少ない旅人を襲っていた野盗の一味「灰の輪(アッシュ・ループ)」の斥候部隊が陣取っていた。


焚き火の周りでは、戦利品を分け合う4人の荒くれ者たちが温をとっていた。


* 斥候の頭目、**ブレン**:ぶっきらぼうで固く絡み合った**濃い茶色**の乱れ髪を潰れた鋼の兜から覗かせ、傲慢で凶暴なエメラルドグリーンの目をしていた。上唇から左頬にかけて、醜い白い傷跡が走っている。その身には、錆びた鎖帷子の上に黒ずんだ革のブリガンダインをまとっていた。

* 3人の手下:

1. 油ぎった**黒髪**と充血した茶色の目をし、すり切れた灰色の豚革ジャケットを着た、長身の野盗。

2. 乱れた**濃い茶色**の髪と、白い白内障で覆われた盲目の左目を持ち、汚れきった茶色のカフタンを着た傭兵。

3. 丸刈りの頭に硬い**黒い**無精髭、水色の目をし、赤いシャツの上に粗末な革のベストを着た、背の低い荒くれ者。




エリアンは、哨戒所の十歩手前で馬を止めた。青白い顔は深いフードの陰に隠され、手は脱走の際に鉱山の看守から奪った戦利品の剣の柄に添えられていた。


「おい、駄馬に乗ったガキめ!」ブレンは丸太から立ち上がり、鎧の靴音を重く響かせながら石畳を踏みしめて怒鳴り声をあげた。彼はパラスの柄に荒れ果てた手のひらを置き、進路を塞いだ。「ここは一匹狼には通せねえ道だ。通行料として銀のリアール3枚、あるいは金のアウラムを置いていけ。さあ、馬から降りてそのフードを取りやがれ!」


野盗たちは一斉に立ち上がり、返り討ちを期待してニヤリと笑った。エリアンは一言も発しなかった。


轡を蹴る瞬間的な衝撃が、グレイ・ルーニア馬をその場から弾き飛ばした。その動きの閃光はあまりにも鋭く、人間の目は攻撃の始まりを捉えるのがやっとだった。不安定なマナの余力を無駄にすることなく、エリアンは純粋な解剖学的幾何学、計算された残虐さ、そして重い鋼に身を委ねた。


マントの下からあの野盗の剣を鋭く引き抜くと、彼は牙をむく一味の中心へと飛び込んだ。ブレンがパラスを引き抜くより早く、刃は彼の下肋骨の下へと突き刺さった――下から上へと、横隔膜と肝臓、そして大動脈を恐るべき力で貫通しながら。ブレンは自分の絶叫に喉を詰まらせ、エメラルドグリーンの目が眼窩から飛び出し、口からは引き裂かれた肺の残骸が混じった濃い暗赤色の血が噴水のようにあふれ出た。頭目を倒れさせぬまま、エリアンは洗練された獣の優美さで剣を引き抜き、大男の腹部を引き裂いた。その傷から、生温かい灰色の内臓の塊が不気味で生々しい音を立ててこぼれ落ちた。


痙攣し崩れ落ちるブレンの体を反撃を防ぐ人間の盾として利用しつつ、エリアンは同時に左手を突き出し、水色の目をした丸刈りの野盗の眼窩へと、重い投げナイフを柄まで深く突き刺した。切っ先は眼球を貫き、頭蓋骨の骨を砕いて脳の奥深くへと侵入した。荒くれ者は膝をつき、指で玄武岩の床を必死に掻きむしり、刺し貫かれた眼窩から濃い暗色の液体が噴き出すと、自分の作った血の海の中でそのまま動かなくなった。


「この野郎! 死ね!」乱れた濃い茶色の髪と盲目の白目を持つ傭兵が、牙を剥いた手斧を振り上げながら怒号をあげた。


しかしエリアンはすでに、崩れ落ちる死体の影から音もなく滑り出していた。わずかに身をかわし、唸りを上げる一撃をやり過ごすと、エリアンは重い帝国の軍靴で傭兵の膝蓋骨を恐ろしい破砕音とともに粉砕し、苦痛に絶叫させながら石畳へと崩れ落とした。一瞬の遅れもなく、エリアンは片膝をつき、敵の顎の下へと直接その鉱山の剣を突き刺した。鋼を口蓋から頭蓋骨の箱へと押し込み、切っ先が後頭部から音を立てて突き抜けるまで力を緩めなかった。


最後の生き残りである、油ぎった黒髪の長身の野盗は青ざめ、武器を取り落とし、たじろいで橋の低い石の欄干につまづいた。恐怖のあまり全身が激しく震え、血を滴らせる小さな少年の姿を前にして、彼の唇は原始的で獣のような恐怖から音もなく震えていた。


「いや……待ってくれ……」彼は血塗られた石の上を這いずりながら、すがりついた。


エリアンは一歩踏み出し、正確かつ容赦ない刃の動きで彼の喉を切り裂き、頸動脈を断ち切った。動脈血の噴水が灰色の玄武岩を濡らし、野盗は自分の絶叫に溺れながら、手で傷口を押さえたまま無様に崩れ落ち、渓谷の轟く激流へと転がり落ちた。


橋の上には、山川の轟音を除いて、ぞっとするような静寂が戻っていた。エリアンは切り刻まれた死体の只中に立ち、血塗られた切っ先を支えに重く息をついていた。


その瞬間、限界を超えた負荷によって、もろい幼いエルフの肉体の器が激しい破綻をきたした。傷つき、完全に癒えていないエルフの肉体内のマナ回路が、まるで静脈に溶けた鉛を流し込まれたかのように、耐え難い白い熱で内側から燃え上がった。両足の力が一瞬で抜け、エリアンは激しく前につんのめると、鮮血の溜まりの中に片膝をついて崩れ落ちた。痙攣が胃を激しく締め上げ、その口からは、停滞した毒素によってほとんど黒ずんだ、粘り気のある濃い血が、銅の強烈で不快な金属味とともに噴き出した。血の混じった嘔吐の発作が彼の体を折り曲げ、冷たい玄武岩の床の上に、黒ずんだ窒息性の凝固物の塊を吐き出させた。


手の甲で口元の黒い血と赤黒い汚れを拭いとると、エリアンは鉄の、揺るぎない不屈の意志で目の前に広がる暗闇を押し返し、呼吸を整えて立ち上がった。虚弱さなど、卑しむべき障害にすぎなかった。


迅速かつ機械的な手つきで、彼は死体の所持品を漁り始めた:


* 死亡したブレンからは、**ちょうど5枚の銀のリアールと1枚の重い金のアウラム**がチャリンと音を立てて出てきた。

* その手下3人のポケットや胴帯からは、さらに**12枚の銅のレん(レヌス銅貨)と2枚の銀のリアール**が見つかった。


野盗たちの重い帝国の鎧、油まみれの革製ブリガンダイン、錆びた鎖帷子、そして粗末な衣服は、エリアンはあえて死体に残していった。かさばる重い大人の装備を身につけることなど正気の沙汰ではなかった。他人の鎧や分厚い革は8歳の子供の繊細な骨格を瞬く間に押しつぶし、動きを縛り、致命的な機動性を無力な罠に変えてしまうだろう。彼は鉄くずを背負い込むことをせず、硬貨だけを徹底して奪った。


微塵の躊躇もなく、彼は死体を一つずつ欄干の端まで引きずり、泡立つ山川の濁流へと投げ落とした。川は血まみれの肉片を一瞬で暗い渓谷へと飲み込み、虐殺の痕跡を洗い流していた。


苔で切っ先を丁寧に拭うと、エリアンは剣を鞘に納め、グレイ・ルーニア馬の手綱を取り、軽やかに鞍へと飛び乗った。南への道が待っていた。深く暗いフードの奥で、彼の薄灰色の瞳は、絶対的かつ揺るぎない冷徹さをたたえて前方を捉えていていた。

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