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兄の愛あるお出迎え?の後、私は今兄の部屋にいる。
正確には、連行された。
いやいやなんでよっ。
私最近いい子だったよね?
…。
もしかして公爵令嬢である私が入学式後すぐにやらかしてペナルティーとして掃除してることがバレたとかっ⁉︎
くっ、言い訳をせねばっ。
「お、お兄様。あの違うのです!あれは私のせいではなくてその。ミルがっ…そうです!ミルが話しかけてきてそれで先生に目をつけられたのですっ」
「ふーーん」
ふーーん⁉︎
いやいや、せめてそうなんだくらい言ってくれても。
…。
もうやだ。
お願いだからその黒い笑顔やめてよ。
「…ご、ごめんなさい」
「ねぇ、何か勘違いしてるところ悪いけどね。僕は今日のことを言ってるんだ。なんで王子なんかと出かけてるの?え、楽しくないよね。なんで?」
ぶほぉっ。
いやいや、楽しくないよねって。
しかも一国の王子を王子なんかって言ってるし。
ユノのことそんなに嫌いだったっけ?
「あの、ユノは思ったよりもいい奴ーーっ、いや、とても可愛らしいところもあって一緒にいて退屈はしませんよ?」
ガシャンッ。
がしゃん?
え、そんな雑にティーカップ置くとカップ割れちゃいますよ?
兄の動きは次期公爵になるために凄く洗練されている…はず。
その兄がこんな…ってか、さむっ。
この部屋クーラー効きすぎじゃね。
なんか部屋の気温一気に下がった気がするんですけど。
メイドさーーーん、温度上げてくださぁぁい!
「リリー。さっきは聞き間違いかと思って流したけど。…まさか異性を愛称で呼んでいるなんてことはないよね?」
「…」
呼んでいます、ばりばり呼んでいます。
「リリー?なに黙っているのかな?これ以上あまり僕を刺激しないでくれると助かるんだけど」
「さっ、3人だけですっ!ユノとミルとニノの3人しか愛称で呼んでいませんっ」
「3人も?ふふっ。ふふふふっ」
「?ふっふふ」
兄が笑い出したのでとりあえず私も真似して笑ってみた。
なぁにが面白いんだろう。
「リリー、僕が最近あまり構ってあげれてないから寂しかったんだね」
「いえ、お兄様には十分かまってもらーー」
「そっかそっか、やっぱりそうなんだね。そういうことなら、これからは登下校を一緒にしようか!これなら少しは寂しくなくなるかな?」
「…は、はい」
わぁあ。
兄にはもう私の声が届いてないよ。
1人で話進めてるよ。
そんなに心配しなくてもリリーはなかなかたくましく育ってると思うんだけどな。
あなたの妹ね、結構強いんだよ?
ま、でも確かに兄弟でわざわざ馬車2台も用意してもらうよりもまとめて通った方がいいか。
ん?
でも…
「お兄様って、確か生徒会の仕事があるから朝早く行っていたのでは?」
「?リリーの方が優先順位上だししょうがないよね。リリーが思ったよりもおバカさんなんだもん」
おバカさん…。
それに学園の皆さんごめんなさい。
兄は全校生徒の為の仕事よりも私が大事みたいです。
なんか照れますなぁ、おバカさん呼ばわりされたけど。
…って副会長の言うセリフじゃないよねそれっ!
あぁ。
なんでこうなったんだろう。
「これ以上リリーに変な虫がつくといけないからね」
「虫?え、へっ、やだ!どこについてます?取ってください!虫きらいですっ」
「うん、そのつもりだよ。僕に任せて」
兄よ、笑顔がキラキラスマイルになったのはいいことだけどさっ。
その虫とやら今私についてるんですよね?
取ってください。
今すぐにっ!
私はどこについているかもわからない為、髪の毛を払いながら頭をぶんぶん振る。
「ふふっ、リリー犬みたいで可愛いっ」
可愛いちゃうわ!
そんな呑気なこと言って微笑んでないで虫ついてるってわかってるなら手伝ってくださいよぉぉぉ。




