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小さな星と聖杯の秘密(0次魔法シリーズ②)  作者: sisousi.kenta


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鬼退治④

私は私の正体に悩み続ける。

いつも優しい彼はやはりいつも優しい。


ただ私は彼といる限り悪夢を見続ける。

けれど彼と離れれば2度と治らない。私はそう予感させられている。


私は鬼食い人から人食い鬼になり始めているのだろうか。


私は心身のバランスを崩し病院に行った。

幸い私の身体は人間と同じだったらしく点滴と一日だけの入院で済んだがその日、彼と離れたからだろうか私は今まで以上の悪夢にうなされた。


人間では言葉にできない何か、比喩や強がりではない死より怖い何かを見せられる。


点滴は腐り、ベッドは悪臭を放ちつつきしみ壊れた。


「キラキラ チカチカ キラキラ チカチカ」

何かの声が聞こえる。


男性とも女性ともつかない人を模した何かが、隣に眠るずっと目を覚まさない女性の荷物からそれを取り出し私に手渡した。


「これは君に必要なもの。もし悪夢が悪夢じゃなくなったら返しに来てくれたらいい」


そういい残して人を模したなにか、私はそれの正体をしっている。それ、命の精霊は消えていった。


これは命の精霊の体の一部。

かつて女神はこの欠片を使い魔法使いを生み出した。

あちらの世界の話だ。


「キラキラ チカチカ」


私は唄う。命の精霊。その正体である憎しみを忘れさせない者はあちらの世界では確かに死んだとされている。


天使長兄妹のオマールとカティア、最強の人間であり三女神と讃えられた、エリー、マナ、シエルがその死を確認した。だからそれと同じ記憶、同じ能力を持つ別の怒りを忘れさせない者が誕生したのだ。


この世界には魔法使いはいない。

外の世界にも実力の落ちた魔法使いしかいない。


私がこれを飲めば魔法使いになれるのだろうか。

女神ミザエルの実験では100人に1人しか生き残れなかった。


ずっと目を覚まさない女性は突然起き上がる。


「ああぁぁぁぁぁああ」


女性は叫びそのまま事切れた。 

20代とされ、実際にそのように見えた女性は叫びながら数秒の内に年老い最後には老婆のようになっている。

山姥と呼ばれる人食い鬼の伝説があるがまさにそのような姿となっている。



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